現金比率は人それぞれ。正解は「自分に合ったバランス」
投資において、総資産のうち現金をどれくらい保有するかは、非常に重要なリスク管理の一部です。しかし、その「適切な比率」は人によって異なります。年齢、家族構成、投資スタイル、性格、収入の安定度など、状況によって大きく変わるからです。
私自身、現在50代の会社員で、子どもは高校生と中学生の2人。妻と4人暮らしで、親は介護施設に入所中。毎月、学費や介護費用が発生しています。入金力は以前に比べて落ちており、投資のバランスを見直す必要を感じている時期です。
そんな私が意識しているのは「リスク許容度に合った現金保有率」です。現在の私の現金比率は総資産の約5%。世間的にはかなり低い方だと思いますが、それには理由があります。
現金の役割とデメリット:安全資産だがリターンは期待できない
一般的に、現金は「安全資産」と言われます。確かに、株式や債券と比べて価格の変動がほとんどなく、すぐに使えるという流動性の高さも魅力です。
ただし、インフレが進行すれば、現金の実質的な価値は目減りします。2021年当時の日本は長引くデフレ傾向にあり、現金の保有リスクはそれほど大きくありませんでした。しかし、2025年の今は違います。物価の上昇傾向が続き、日銀もようやく利上げを本格化させる動きが見られ始めています。そうした環境下では、現金にこだわりすぎると、機会損失に繋がりかねません。
とはいえ、全く現金を持たないのもリスクです。急な出費や相場の暴落時に、資金がないことで余計な借金を背負うようなことになれば本末転倒です。
私が現金比率を低くしている理由とリスク管理の考え方
私の資産運用はインデックスファンドへの長期・分散投資が中心です。個別株と違い、値動きが比較的穏やかで、リスクも分散されます。そのため、ある程度の下落は想定内。少しでも多くのお金を長期的に働かせることを重視しています。
投資スタイルによって、現金比率の適正値も変わるということです。個別株中心であれば、相場急変に備えて高めの現金比率を保つべきでしょう。しかし、私のように分散投資を徹底しているインデックス投資家であれば、現金比率は低めでも、十分にリスクを抑えられると考えています。
インデックス投資家が現金比率を抑えても良い理由
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流動性がある:必要な時はファンドを解約して現金化できる
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分散によるリスク軽減:個別株ほどの価格変動リスクが少ない
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長期視点が前提:一時的な下落も想定済みで、慌てて売らない前提
実際、私は過去にリーマンショックやコロナショックを経験しましたが、その都度、狼狽売りをせず耐えることで、最終的に資産は回復し増加しています。
自分のリスク許容度を知り、現金比率を定期的に見直す
ただし、私のように現金比率5%でも平気でいられる人は、少数派かもしれません。多くの人にとって、「現金が手元にいくらかないと不安」という感覚は、ごく自然なものです。それは、外出時に財布の中に1,000円しか入っていないと不安になる感覚に似ています。
大切なのは、自分自身の「リスク許容度」を正確に把握することです。
「資産が30〜50%下がっても、冷静でいられるか?」
「突然の出費に対応できるキャッシュがあるか?」
このような問いを定期的に自分に投げかけてみると、現金比率の最適解が見えてきます。
特に、年齢が上がるにつれ、リスク許容度は自然と下がっていくものです。介護や教育費など、支出の急増する局面に差しかかっている私も、数年後には現金比率を引き上げる必要があるかもしれません。
まとめ:現金比率に「正解」はない。自分に合ったリスク管理を
現金比率の最適解は、人によって異なります。
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投資スタイル(個別株かインデックスか)
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年齢、収入、家族構成
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性格、ライフスタイル
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今後の支出見通し
これらを総合的に判断し、「自分がどこまでのリスクに耐えられるか」を見極めることが大切です。
私自身は、インデックスファンドの分散投資によって、現金比率を低く抑える戦略を取っています。しかし、それがすべての人にとって正解ではありません。
少なくとも年に1回は、資産状況とリスク許容度の棚卸しをすることをおすすめします。市場環境や自分の生活状況は日々変化します。それに合わせて、現金比率や資産配分も柔軟に調整していくことが、長期的な投資成功の鍵となるでしょう。
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