投資には無数の手法があるが、すべての人に向くわけではない
投資の世界に足を踏み入れると、実に多様な手法が存在することに気づきます。
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長期投資 vs 短期投資
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分散投資 vs 集中投資
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逆張り vs 順張り
さらにチャート分析、テクニカル指標、移動平均線、ゴールデンクロス、デッドクロスなど、投資のアプローチは枚挙にいとまがありません。なかには一見、理論的に破綻しているような方法でも、熱心に信じて取り組んでいる人もいます。
思い出されるのは、かつて競馬ファンの間で「JRAのCMの中に勝つ馬のヒントがある」という本が売られていた時期です。CMに映る役者の帽子の色から出走馬の枠番を予想するような内容でしたが、まじめに信じて馬券を買う人もいたのです。
冷静に見れば論理破綻している話ですが、信じている人には何を言っても無駄。それでも「当たった!」という成功体験があれば、人はその手法を盲信してしまいます。
投資の世界もこれと似ています。どんなに非論理的に見えても、うまくいった人がいれば模倣する人は現れます。しかし、その手法を再現性を持って実践し、継続的に成果を出すのはごく一部の人に限られるのです。
だからこそ、私は「凡人でも実践できる、再現性の高い投資手法」を推奨しています。
凡人こそ実践すべき「長期・分散・インデックス投資」
私がおすすめするのは、以下のシンプルな投資法です。
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長期保有を前提としたインデックス投資
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広範な地域・資産に分散投資すること
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得られた配当を再投資して複利効果を狙うこと
まず「長期」とはどれくらいかというと、基本的には一生涯と考えるべきです。短期的な値動きに振り回されるのではなく、資産が複利で成長していく仕組みに身を任せるスタイルです。
次に「分散投資」ですが、個人で数十社、数百社に分散して個別株を持つのは現実的ではありません。だからこそ、自然とインデックスファンドが選択肢になります。たとえば、S&P500や全世界株式(オルカン)などを利用することで、日本、米国、新興国まで広くカバーできます。
この戦略の最大のメリットは、凡人でもコツコツ続けることでそれなりの成果が期待できる点にあります。
長期・分散投資にも弱点はある
もちろん、この投資法にも弱点はあります。
1. 長期投資が「必ず報われる」とは限らない
「アメリカ株は長期的に右肩上がりだから…」という考え方はよく聞きます。しかし、株式市場の歴史はせいぜい150年程度。庶民が広く株式投資をするようになったのは、ここ数十年の話です。
つまり、本当に長期投資が正しいかを判断するにはデータが不十分です。歴史的な運が良かっただけの可能性も否定できません。
2. 分散投資では「平均点」しか取れない
インデックスファンドに投資するということは、市場平均と同じリターンを目指すということです。
これは大きな損を避ける反面、株価が何倍にも跳ね上がるような「夢のある大勝ち」はほぼ望めません。相場全体が悪い時は、当然ながらインデックスファンドの成績も下がります。
だからこそ、「せっかくリスクを取って投資しているのに、人より稼げない」と不満を持つ人もいます。
でも、その“人より稼ぐ”を凡人が目指すのは非常に難しい。才能と労力、そして何より運の要素が大きいのです。
「儲かるけどつまらない」が本当の正解かもしれない
私は、長期・分散・インデックス投資+配当再投資というスタイルが、理論的には最も堅実で現実的な方法だと考えています。
特に、毎月の積立を続けることで、相場が悪い時にも安く仕込める「ドルコスト平均法」の効果も期待できます。これにより、長期的な資産形成の効率が上がります。
しかし、この手法には明確な弱点もあります。それは、
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退屈で面白くない
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成果が見えにくく飽きやすい
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他人の投資話に惑わされやすい
という、人間の心理との戦いがあることです。
インデックス投資は「真面目な優等生」が取るべき戦略です。ドラマチックな急成長はありませんが、失敗のリスクも抑えられています。
だからこそ、他人の派手な成功談に影響されて方針を変えてしまうと、最も重要な「継続」の力が損なわれてしまいます。
まとめ:結局、凡人にとって一番堅実な道とは
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投資の世界には無数の手法があるが、誰でも再現できるわけではない
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凡人が再現性を持って成功するには「長期・分散・インデックス投資」が最適解
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成果が出るまでに時間がかかるし、面白みもないが、失敗のリスクも低い
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他人の手法に惑わされず、コツコツと配当再投資を続けることが最も堅実な資産形成術
インデックス投資に派手な要素はありません。でも、それこそが凡人にとって最大の武器なのです。
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