新型コロナウイルスの感染の拡大で多くの資産が現金に流れている。
新型コロナウイルスの猛威がアメリカやヨーロッパでも感染が拡大し続けています。それにより人とモノの移動の制限が世界中で起こっており経済が停滞してしまっています。そして、株価も世界中で大きく下げているのです。
新型コロナウイルスの株価暴落とリーマンショックの違い
2008年に起こったリーマンショック級とか、または、それ以上になると言われています。今回の新型コロナウイルスによる株価の暴落はリーマンショックと大きく違うところがあります。それは急激な株価の暴落です。リーマンショックの時も急激に下がりましたが約半年ぐらいかけて底値を付けました。
今回の新型コロナウイルスによる下げは、ダウ平均株価で1日で3,000ドル近くの下げも起きています。これだけの急激な下げが起きるとヘッジファンドでも売り逃げが出来ていないようです。なので、追証が発生して現金化に翻弄しています。
あらゆる資産が売られています
なので、ありとあらゆる金融商品で下落が起きてしまっているのです。通常は株価が暴落すると安全資産である債権が買われたりしますが、今回は債権価格も暴落してしまっています。また、現物資産である金先物でも価格が暴落するなど、あらゆるマーケットで混乱が起きています。
ドル高に動いている
これは、世界中の投資家たちは現金化に向かっていると言えます。それを証拠に今はドル高になっています。2020年3月21日の4:30ぐらいには、1ドル111円を超えていました。通常は有事の時の円買いと言われ円高になるのですが、今はドル高の方が強く出ています。
また、連邦準備制度理事会(FRB)は先日、緊急の金利引下げを行い、ゼロ金利政策に突入しました。そうすると日米の金利差が縮まるので、円高方向に向かうと思われたのですが、ドル高方向に行きました。
これは世界中で多くの決済がドル建てで行われていることもあり、ドルに戻す動きが世界中で起こっているといえます。
実体経済が停滞しているので、多くの経営者は現金が不足している。
実体経済が停滞していますが多くの経営者は支払いはして行かないといけません。仕入れ先への債務や人件費や固定費などの支払いは、待ってもらえないのです。実体経済においてキャッシュでの決済は基本です。なので、実態経済が停滞している現状ではキャッシュが力を持つのです。まさに「キャッシュ・イズ・キング」です。
個人投資家も「キャッシュ・イズ・キング」です
これは個人投資家にも同じことが言えます。これほどの有事の時は自分の資産を見つめ直す良い機会です。一度、自分の現金比率が適正化なのかを考えておきましょう。
株式投資をしていて株価が上昇している時は現金を軽視しがちになります。現金を手元においていても価値が上昇しないので、株を購入したくなりリスク資産の比率を上げてしまいます。そうすると気がついた時には自分の資産における現金比率が大きく下がってしまっている場合が多いのです。
適正な現金比率はどれくらいか
それでは現金比率はどれくらいが適正なのでしょうか。これは正直に言うと、人によるということになります。私の場合は3ヶ月程度、収入が途絶えたとして、何とか生活出来るだけの現金が必要と思っています。理由は簡単です。3ヶ月の時間があると、次に何をしたら良いかを考える時間的な猶予がありますし対応も出来ると考えています。
極端な場合、失業しても失業手当が支給されるまでの期間として3ヶ月ぐらいかかると思っています。また、リスク資産などに投資していても3ヶ月もあれば換金するのには十分な期間だと思います。なので基準として3ヶ月としています。また、リスク資産は換金に3ヶ月以上かかる流動性の悪い資産は保有しないことにしています。
ひと月にどれくらいの生活費が必要かも重要
そして、私の場合、ひと月にかかる生活費は20万円ほどあれば何とかなると思っています。なので、3ヶ月で60万円の現金を保有しておけば、ひとまず安心というラインにしています。
投資における現金比率をどのように設定するかは個人個人で判断するしかない。
現金比率をどうするかは人によって違います。3ヶ月だと不安と思う人やひと月にかかる生活費も違ってきます。子供の塾や教育費に多くかかっている人だと、ひと月にかかる生活費も多くなると思います。なので、自分の家計から考えて現金比率は、どれくらいが適正化を自分で判断する必要があります。
現金比率を上げすぎても良くない
しかし、不安のあまり現金比率を上げすぎても良くないです。自分の資産を効率的に増やすという意味では非効率です。なので、リスク資産と現金比率のバランスは大切です。資産を効率的に増やすという意味だとなるべくリスク資産を多く持つ方が有利なのです。
なので、出来るのであれば日々節約した生活をおくり、なるべく、ひと月にかかる生活費を最小限にしておくことが大切です。特にこのような有事の時は質素倹約に出来ることによって何事もないように過ごせます。
現金が不足した時は、リスク資産を迷わずに現金化することが一番大切
そして、なによりも大切なことは現金が少なくて、生活費に困った場合に、投資資金を現金化出来るかということです。含み損を抱えていて、損を確定したくないので投資資金をそのままで、借金をして生活費にあてるのは愚の骨頂です。
現金比率を見誤り急に現金が必要になった時は、迷わずリスク資産を現金化することが大切です。それを精神的な負担なく出来る人が本当の投資家なのです。