不動産

長い人生、何が起こるか分からない。なので、35年の住宅ローンを組むのは危険

Contents

日本は歴史的な低金利時代にある。

日本銀行は異例の政策であるマイナス金利を実施しています。本来であれば景気回復と共に長期金利が上層していくのが健全な姿です。しかし、政府が発表しているよりも一般市民には景気実感がないのが実態です。なので、物価上昇や賃金上昇が上手く行っていないので実体経済はそれほど強くないのです。なので、日本銀行はマイナス金利を止めることが出来ない状況が続いているのです。

住宅ローンを組むなら今が有利

金利が安いので銀行にお金を預けていても、ほとんど金利が付きません。しかし、お金を借りる方からしたら有利に借りることが出来ます。今の住宅ローン金利を見れば分かりますが歴史的に見ても相当に安い金利でお金を借りることが出来ます。しかも、この低金利が長く続いているので住宅を購入する人には有利な条件で住宅ローンが組めると思います。

固定金利でも1%以下になっている

例えば、楽天銀行の場合、広告ベースですが2020年3月の借り入れ金利が、変動金利で年0.527%、固定金利で年0.917%となっています。最終的な金利は審査などで変わると思いますが、広告ベースで見ても相当に金利が安いです。金利が1%より低く借り入れが出来る状況であるなら、住宅ローン控除を考えると実質的には金利なしで借り入れが出来るようなものです。

金利が歴史的に安くてもマイホームを買わないほうがいいと考える理由

そんな低金利を利用して住宅を購入するべきかと言うと基本的には買わないほうがよいというのが答えです。基本的にと言ったのは経済的なメリットでなく、マイホームを持つのが夢だとか、この場所に住みたいというのがあれば買うのもありだと思います。しかし、結婚して子供も出来たので何となく家賃を払うよりマイホームを買ったほうがいいかな。というような理由で購入するのはやめたほうがいいです。経済的なメリットを考えた場合、賃貸の方がメリットが大きいです。よく不動産に関して購入派か賃貸派か、など言われたれしますが、決して賃貸派をすすめているわけではありません。賃貸派でも購入派でもなく単純に新築マンションや新築住宅の売価が高いから購入するメリットが少ないだけです。中古住宅の中には検討してもよい物件もありますが、基本的には割高に感じます。

販売される物件は、ほとんどが割高

なので、本当に相場より安い物件があるのなら、それは購入するべきです。しかし、一般に販売されている物件は基本的には割高に設定されています。これを高い値段でしかも借金までして購入するのはリスクが大きすぎます。

住宅ローンのシミュレーションをすると賃貸で家賃を払うより低く返済額ですむ場合があります。今は返済期間を35年に設定してボーナス併用で返済をすれば月々の返済額を少なくすることが可能です。不動産会社の営業マンによく言われる家賃は払っても自分のモノにならないけど購入すると最終的には自分のモノになります。と言われると購入したほうがいいかなと思いがちです。しかし、35年でローンを組むのは無謀です。もし、35年ローンで返済を考えている人がいれば再検討された方がいいです。

35年という年月はあまりにも長い。価値観や世の中も大きく変わっていく。時代ごとにあった生活をするべき。

普通に考えて35年の返済期間は長いです。例えば、35年前は何をしてましたでしょうか。もし、35歳以下の人だと、まだ生まれてもいません。35年というと人々の生活や世の中の状況も大きく変わっていきます。かつての高度成長時代なら、まだいいですが、これからの時代は、

・少子高齢化で人口減少

・終身雇用、年功序列の崩壊

・IT技術の進化

などがあり安定的に仕事が続くとは考えにくい時代になっています。それなりの企業のサラリーマンをしていると、何とか定年まで同じ会社で働けると思うかもしてません。しかし、今後は本当にわかりません。2019年8月20日のダイヤモンドオンライで紹介されましたが平成元年と平成30年の「世界時価総額ランキング」です。

平成元年 世界時価総額
順位 企業名 億ドル
1 NTT 1,638.6
2 日本興行銀行 715.9
3 住友銀行 695.9
4 富士銀行 670.8
5 第一勧業銀行 660.9
6 IBM 646.5
7 三菱銀行 592.7
8 エクソン 549.2
9 東京電力 544.6
10 ロイヤル。ダッチ・シェル 543.6
平成30年 世界時価総額
順位 企業名 億ドル
1 アップル 9,409.5
2 アマゾン・ドット・コム 8,800.8
3 アルファベット 8,336.6
4 マイクロソフト 8,158.4
5 フェイスブック 6,092.5
6 パークシャー・ハサウェイ 4,925.0
7 アリババ・グループ・ホールディングス 4,795.8
8 テンセント・ホールディングス 4,557.3
9 JPモルガン・チェース 3,740.0
10 エクソン・モービル 3,446.5

30年で企業価値も大きく変わる。

これを見ても分かりますが30年前は日本企業が10以内に7社も入っています。また、銀行業がほとんどを占めていますが、今は単独で残っている銀行はどこもありません。また、これからはもっと短期間で企業の状況は変わってくると思います。

サラリーマンは会社に依存した人生だから、会社の環境によって人生が決まる。

特にサラリーマン人生は会社に依存した生活を送っている人が多いと思います。会社が将来どのようになるかで生活が大きく変わるものです。また、サラリーマンは上司が誰になるかによってサラリーマン人生が大きく変わります。そのような状況で本当に35年ものローンを組みますか。

人生の状況変化に対応出来るのは賃貸だと考える。

人生は失業、転職、転勤、結婚、離婚、出産、子供の進学、留学などいろいろなことが起こる可能性があります。そのような人生の浮き沈みに柔軟に対応可能なのが賃貸かと思います。家は売り買いが簡単ではありません。購入した家を売りに出すときは思った以上に金額で売れない場合が多いです。その時に残額ローンを残して売らなければならなくなると最悪です。ローンを借りるときは繰り上げ返済をして早めに返済してしまえば良いと考えがちですが、実際に家を購入して子供が出来たりしたら思ったように返済は進まないものです。もし、住宅ローンを組むにしても頭金をしっかり貯めて住宅ローン控除の利用が終わったらサッサと完済するべきです。