経済

財務大臣が定額給付金の支給を否定。2020年9月末時点の現金・預金の金額は、1034兆円と過去最高。

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麻生財務大臣は国民一律に配る「定額給付金」の再給付を実施しないと明言。

産経新聞の報道によると麻生財務大臣が定額給付金の支給を否定したようです。

麻生太郎財務相は19日、閣議後の記者会見で、緊急事態宣言の再発令に伴い昨年実施した国民一律に現金を配る「定額給付金」の再支給を求める声が出ていることについて、「国民に一律10万円の支給をするつもりはない」と否定した。生活が困窮した世帯に限定して給付する選択肢についても、「考えにくい」と否定的な考えを示した。

※出典:産経新聞

国民への直接給付は政治家にメリットなし

もともと、麻生大臣は定額給付の反対でした。主な理由は給付した現金が消費に回るより、貯蓄に回ることによるものです。

貯蓄に回ってしまうと経済が停滞してしまうので、政府としては商品券などの必ず消費に回るかたちで支給したのが本音です。

また、直接の現金支給は政治家にとっては、何のメリットもありません。国民に現金10万円を給付するのに、12兆8,802億93百万円かかっています。

内訳は、給付事業費 12兆7,344億14百万円と事務費 1,458億79百万円になります。これを事務的に国民に給付して行くだけです。

これだけの金額を消費するなら利益団体を経由した景気刺激策を実施した方が政治家としてはメリットがあります。

なので、このような政策は、なかなか実現しないかと思います。前回の支援の時は、世論からのスピード重視の声に負けて支給となりました。

今回は前回の反省もあるので、再給付は難しいでしょう。

現に国民の現預金が増えた。6月末時点で、過去最高の1031兆円になっている。

日本銀行は、四半期ごとに金融資産の保有額を「資金循環統計」として公表しています。それによると、2020年6月末時点で家計の現金・預金の金額は、過去最高の1031兆円だったようです。

定額給付金が配られて預金が増えた

2020年3月の時点では、1000兆円だったみたいで、3カ月間で31兆円増加したことになります。

定額給付金が1人、10万円だったのですが、国民一人当たり20万円の預金が増えたことになります。

コロナ禍で実体経済が停滞しても預金が増えたことになります。なので、定額給付金が配られたとしても消費に回る可能性は低いことが分かります。

以上が、2020年6月末時点です。定額給付金が配られてすぐの結果となります。

2020年9月末時点の発表

それから、3か月後の9月末時点では、家計の現金・預金の金額が減っているのでしょうか。

コロナ禍の経済状況の中、家計にどれほど影響を与えたか気になり調べて見ました。

結果は、2020年9月末時点では、家計の現金・預金の金額は、1034兆円と過去最高を更新したかたちとなりました。

また、金融資産全体でも、前年同月比2.7%増の1901兆円と過去最高になったようです。金融資産全体だと株価上昇もあったので納得できます。

ただ、家計の現金・預金の金額は、大きな増加はなかったものの3兆円増加しています。麻生大臣の判断については妥当なのかも知れません。

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コロナの経済的ダメージは業種によって大きく違う。個別対応が妥当なのかも知れない。

定額給付金の支給が否定されてマスコミや世論的には反発が出るかと思います。ただ、数値的には否定されるのも理解できます。

ただ、今回のコロナによる経済的ダメージは業種によっても大きく違います。全体の統計で支給を見送る対応は理解できますが、何かしら経済対策は必要だと感じてます。

個別対応策が早急に出ていないのが問題

特に旅行、飲食業やイベント関係はかなりのダメージを受けています。また、経済的に困窮している人への素早い手当がないとし死活問題になります。

全体統計は富裕層に引っ張られる傾向があります。なので、そろそろ個別的な対応策を打ち出さないと経済全体にダメージを与えます。

全体統計の数値が悪くなりだしてから、対応したのでは手遅れになる可能性が十分にあります。

最後に

金融資産全体では増加傾向にあります。また、株高も続いているので経済指標は良い数値が出てくることになると思います。

ただ、実体経済は確実に良くないので、どこかのタイミングで歪みがでる可能性があります。

経済全体には申し訳ないですが、個人としては生活防衛を強化しなければいけないと感じています。

金融資産全体の堅調な数値は、世界全体の金融緩和による株高の影響も十分に入っています。

この後、バブルのように株高になっていくのか、実体経済に引っ張られて下がって行くのか分かりません。

しかし、今の時点では極端な投資行動は避けた方が良いと考えます。

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