日本は景気回復しているが実感がともなわない。
安倍政権による経済政策はいろいろと批判があります。しかし、失業率も低下して株価も上昇しました。
ただ、まだまだ景気回復の実感が乏しく物価目標もなかなか2%に到達していません。
今は空前の人手不足による完全な売り手市場になっています。また、最低時給も上がりコンビニなどの小売業や飲食店などは人件費の高騰で経営が苦しくなっているようです。
予定通りの消費税増税は危険
富裕層は株高の恩恵を受け低所得者層は人件費の高騰で時給に反映されて来ています。
しかし、中間層にはそれほど恩恵が出ていない状況のように思えます。
なので、このまま2019年10月実施予定の消費税を見送り、さらなる経済政策を行えば、日本も物価上昇して景気回復が中間層にも実感として出てくると思います。
ただ、予定通り消費税導入を行うと景気後退は避けられないでしょう。
日銀の金融政策は異常。
また、経済政策はやらないよりはやった方がいいですが、日銀のETF買いはあまりいい政策とは言えません。
日銀のETF買による市場の歪みが今後、どのような影響を及ぼすか想像がつきません。
日銀のETF買いの経緯
もともと、2010年12月に残高上限4,500億円として、期限は2011年12月末としており市場に大きな影響を持たないようにしていたのです。
しかし、黒田日銀総裁となってからの2013年には日銀によるETFの保有残高を年間1兆円に増加させました。
また、2014年10月には約3兆円となり2016年7月には約6兆円に増額されています。
日銀は、2018年10月までに累計で約20兆円もの買い入れを行いました。
20兆円です。相当な金額を買い入れてしまっているのです。ということは日銀は多くの企業の大株主になってしまっているのです。
日銀が企業経営に口を出すことはないと思いますが、明らかに市場は歪められています。
また、経営者も日銀が株を買ってくれているので市場から正当な評価を受けているわけではありません。
怠慢な経営をしていても、日銀が加点してくれて評価を受けているようなものです。
日銀の出口戦略がわからない。
そして、一番の問題は日銀がいつから出口戦略に入るかです。
これだけの金額の売りを一気に入れるとは思いませんが、売りが入ると株価の上値が重かったり下がる方向に向かうことは十分に考えられます。
東証の1部上場企業の見直し。
日本株は他にも不安材料はあります。
もう一つは東証1部上場企業の見直しです。これにより多くの企業が東証1部でなくなります。
これがなぜ株価に影響するかというと、多くの投資信託は東証1部の銘柄で構成させたり連動するポートフォリオ組んでいたりします。
なので、東証1部の見直しが行われると銘柄の入れ替えが大きく行われる可能性があるのです。
TOPIX連動投資信託は特に影響が大きいかも
TOPIXなどに連動する投資信託などは銘柄変更なども行われる可能性もあり、しばらくの混乱が予想されます。
また、1部上場から外れた企業に対して個人投資家や証券会社のトレーダーなどからの売りが入る可能性もあります。
さらには、1部上場企業から外れる企業の信用情報がどう影響するか、まだよくわかりません。ただ、良くなる方向に行かないことは想像できると思います。
不確定要素はリスクと考える
まだ、東証も検討に入ったばかりなので正確な情報は今後、出てくると思います。なので慌てる必要はありません。
しかし、不確定事項はリスクとしてとらえておいた方がいいです。
また、東証もなるべく株価に影響しないようにすると思います。しかし、こればかりは分かりません。
日経平均銘柄の入れ替えの時は株価に影響を及ぼしました。なので、まったく影響がないとは考えにくいのです。
慌てて何かする必要はない
このような状況で個人投資家はどうすればいいかというと基本的には何もしないことが正解の場合が多いです。
なので、基本的には何もしない方がいいです。
情報がいろいろ発表されてから考えても十分間に合います。変に予測して動くと予測に反した時に大きな損をもたらす可能性があります。
事前に動いて得することも考えられますが、それは、たまたま当たるだけです。偶然に対して自分の資産を任せるのは危険なのでやらない方がいいです。
日本株への追加投資は見送るべき。
ただ、今できることはリスクのバランスが適切かを考えておく必要があります。意外な方向に株価が動いても適切に対応できる状態にしておくことが大切なのです。
そして、この不確定要素が大きい日本市場に投資をするのは、しばらく控えた方がいいと思います。
今現在、日本株を保有している人は慌てて売る必要はないですが、買い足す必要もないです。
ただ、積立投資をしている人は継続していて問題ないと思います。
米国株へのシフトも考慮しましょう。
今、追加で投資する余裕がある人は日本株以外に投資した方がいいと考えます。
私も日本株を持っていますが、これを売却するつもりはありません。今まで通り配当再投資を続けます。
ただ、今後、買い足すことはしないでしょう。今、買い足しているのは米国株です。S&P500に連動する投資信託を買い足しています。
日本株にもチャンスはあります
ただ、何度もこのサイトで言ってますが日本株も予想に反して急成長するかもしれません。
逆張りを狙うのが好きな人は日本株にあえて投資するのもいいかもしれません。
日本の規制緩和が急速に進めば株価は大きく上昇すると思います。それにかけるのも投資判断としては賢明と言えます。
日本株より全世界の株に分散するのもよし。
ただ、私は日本が大きく規制緩和されるのには、時間がまだまだかかると考えています。
なので、今は米国株にシフトしているのです。
ただ、リスク分散の観点からはS&P500に連動する投資信託より全世界の方が分散効果が大きいです。
この辺は自分のリスク管理の問題なのでご自分で判断するのが懸命です。
ただ、今の日本株は
・消費税増税
・日銀のETF買い
・東証1部の上場企業見直し
のリスクがあることは意識しておいて下さい。この状況で、どのように行動するかは自己判断になります。
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