「お金は使ってこそ意味がある」と言われるように、通帳の残高がいくら多くても、それ自体には何の価値もありません。たしかに、お金は使ってこそ、はじめてその価値を発揮します。
とはいえ、「お金は使うためにあるから、貯金なんて必要ない」という考え方には注意が必要です。
この記事では、「修行僧のような生活は無理。でも貯金はやっぱり必要な理由」について、現実的な視点から解説します。
お金は使うためにある。けれど「貯めること」も必要
まず前提として、お金を使うこと自体は悪いことではありません。人間は衣食住を維持するためにも、時には娯楽や趣味を楽しむためにも、お金を使う必要があります。
人生を充実させるには、ある程度の支出は必要不可欠です。誰もが「仙人のように、何も消費せずに生きる」なんてできるわけがありません。
ですが、使う一方で「いざという時の備え」もしておかないと、突然のトラブルに対応できなくなります。そう、貯金には「使うため」とは別の大切な役割があるのです。
貯金が必要な3つの理由
では、具体的にどのような理由で貯金が必要なのでしょうか?主に次の3つが挙げられます。
1. 非常時の備え(病気・けが・失業)
若く健康なうちは、突然の病気や事故などを深刻に考えることは少ないかもしれません。でも、現実は予測不能です。ある日、突然働けなくなったり、入院が必要になったりすることもあり得ます。
公的保険制度があるとはいえ、すべてをカバーしてくれるわけではありません。また、勤務先の倒産やリストラ、契約打ち切りなどで収入が途絶えるリスクもあります。
こうした「収入ゼロの期間」を乗り切るためには、生活防衛資金としての貯金が不可欠です。
2. 教育費など将来の大きな支出への備え
子どもがいる家庭にとって、進学時の教育費は大きな負担になります。高校・大学の学費だけでなく、入学金や教材費、仕送りなども含めると、数百万円単位の支出になることも珍しくありません。
奨学金制度もありますが、できれば子どもに負担を背負わせずに進学させたいところ。まとまった支出に備えるには、コツコツと貯金を積み重ねていくしかないのです。
3. 老後資金の確保
若いうちは「老後なんてまだ先のこと」と感じてしまうかもしれません。しかし、老後は誰にでも、必ず訪れます。
多くの人が60歳で定年を迎え、65歳まで雇用延長されたとしても、その先の働き口を確保するのは容易ではありません。体力・気力も若いころと比べれば当然落ちてきます。
企業年金や退職金が十分にある大企業の社員なら安心かもしれませんが、一般的なサラリーマンこそ、自力で老後資金を確保しておく必要があります。
「人はそんなに長生きしない」は通用しない時代
「自分は長生きするつもりはない」「老後になってまで生きたくない」という言葉を若いうちに口にする人もいますが、現実はそんなに甘くありません。
平均寿命は年々延びており、90歳、100歳まで生きるのが珍しくない時代になっています。
年金制度も不安視される中、「老後の生活費は年金でなんとかなる」と楽観視するのは危険です。ましてや、自分一人だけでなく、家族の存在や介護問題などが重なれば、ますますお金が必要になります。
稼ぐ力は年齢とともに確実に低下する
若いころは副業や転職などで収入アップを目指すことができますが、老後になってから同じように稼げるかというと、それは難しいのが現実です。
60代以降になると、雇用の選択肢は限られ、体力的な制約も増えていきます。仮に体が元気でも、「年齢で書類選考が通らない」なんてことは珍しくありません。
だからこそ、若いうちから少しずつでも貯金を積み上げ、将来に備えておくことが極めて重要なのです。
精神的な余裕も貯金の大きなメリット
ここまで貯金の「物理的な意味」を解説してきましたが、もう一つ見逃せないのが「精神的な安定」です。
生活に余裕がないと、人は不安になります。その不安は、仕事のパフォーマンス、家族との関係、健康管理など、あらゆる面に悪影響を及ぼします。
一方、ある程度の貯金があれば、
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「急な出費があっても大丈夫」
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「失業しても数カ月はなんとかなる」
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「将来への備えがある」
という安心感が得られ、心にゆとりが生まれます。この心の余裕が、人生を豊かにする土台になるのです。
まとめ|貯金は我慢ではなく「自分と家族を守る手段」
節約ばかりの“修行僧のような生活”を送る必要はありません。時にはお金を使い、人生を楽しむことも大切です。
しかし、「使うばかりで貯めない生活」は、将来的に自分を苦しめる可能性があります。
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病気やけがなど非常時への備え
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子どもの教育費
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自分自身の老後資金
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精神的な安心感の確保
これらを守るために、貯金は不可欠なのです。
大切なのは、「貯める」ことと「使う」ことのバランスを取ること。そして、自分の将来に対する備えを意識した上で、今を楽しむ力を持つことです。
あなたの人生をより安心で豊かにするために、今日から少しずつでも貯金を始めてみませんか?
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