高配当利回り株が人気です。高齢者の年金や給料以外の収入目的の人が多いようです。
高配当利回りの株が人気のようです。配当利回りとは、購入した株価に対し1年間で受け取ることが出来る配当を示した数値のことです。
計算式は、
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当金額が同じで
・購入株価が高いと配当利回りは下がる
・購入株価が低いと配当利回りは上がる。
という構図になります。
なので、購入株価が同じで配当金額が大きいと配当利回りが高くなります。この配当利回りが高い株式のことを高配当利回り株と言います。
今の日本は歴史的にみても超低金利の時代です。
高配当利回りの会社の株を高配当利回り銘柄とも言われていたりします。この高配当利回り銘柄を積極的に購入する投資家や積極的に人にすすめている専門家などもいます。なぜ、こんなにも高配当利回りの銘柄が人気なのかと言うと、日本は歴史的に見ても超低金利であり銀行に預金をしても、たいして金利がつきません。なので、預金をするより高配当利回りの株式に投資して金利を稼ごうという心理が働くのだと思います。
毎月分配型投資信託の積極営業低迷
また、最近では毎月分配型の投資信託への警戒感が強くなってきたのと同時に、金融機関も金融庁にお叱りを受けてから積極的な販売を行わなくなりました。それに変わる投資先として高配当利回り株が好まれているのだと思います。
副収入として考えている人の配当目当て
どちらかと言うと長期投資をしている人の中にも高配当株を好む傾向があります。当配当銘柄に投資されている人なら分かると思いますが、配当が振り込まれた時に臨時収入的な感覚になります。給料以外にそれなりの金額が振り込まれると、ある種の高揚感を受けます。投資家の中にはインカムゲインを好む人も多くいるのです。また、高齢者の人の中には年金以外からの収入を確保する意味でもインカムゲイン目当ての投資を行っている人もいます。
日本株の高配当利回り株の上位10社(東証一部)は下記になります。
順位 | コード | 銘柄 | 2月13日終値 | 配当利回り(%) |
1 | 6810 | マクセルホールディングス | 1,454 | 19.67 |
2 | 8103 | 明和産業 | 585 | 9.57 |
3 | 8219 | 青山商事 | 1,344 | 7.44 |
4 | 2914 | JT | 2,296.5 | 6.71 |
5 | 7224 | 新明和工業 | 1,342 | 6.48 |
6 | 7148 | FPG | 1,013 | 5.93 |
7 | 5019 | 出光興産 | 2,830 | 5.65 |
8 | 9434 | ソフトバンク | 1,509 | 5.63 |
9 | 6032 | インターワークス | 548 | 5.47 |
10 | 3271 | THEグローバル社 | 471 | 5.31 |
東証一部上場企業の上位10社は、ほぼ配当利回りが5%以上あります。確かに、この低金利時代には魅力的に思えるかも知れません。しかし、なぜ高配当になるか考えてみましょう。それは単純に人気がないからです。経営者が株主に高い配当を支払うと言っているのに投資家が高く評価していない証拠なのです。
成長性に乏しかったり人気がない銘柄が高配当利回り株になる
成長性のある企業は稼いだ利益を配当に回すより利益を再投資したほうがいいので配当を出さない企業もあります。利益を配当や自社株買いを積極的に行うということは自社の事業に対して追加投資が積極的でないとうことです。または、経営者が新しく投資するアイデアなどがないとも言えます。なので、高配当利回りの企業は成長性に乏しいとも考えられるのです。
株式投資は成長性に投資するのではない
ただし、以前にも書いたことがありますが、株式投資は成長性に投資をするものではありません。多くの人が成長性に乏しいと判断している銘柄が将来に急成長をすることもあります。将来の予想に反して急成長した場合は株価も大きく上がる可能性があります。なので、高配当利回り銘柄は将来、大きく化ける可能性があるのです。
割引現在価値を理解する。株式投資は将来の成長に投資するのではありません。日本株でも十分利益を上げることは可能です。
高配当利回り銘柄に投資をしている人で将来の急成長に投資をしているのなら問題ありません。自分でリスク判断をして投資をしているので、その後に大きく株価が下落しても想定内として受け入れることが可能です。ただ、配当の利益を当てにして投資をしているのなら止めておいた方がいいです。投資を行う時には配当(インカムゲイン)だけでなく株価の値上り(キャピタルゲイン)も考えて投資をするべきなのです。そうでないと不人気銘柄の株が下方修正などのマイナス要因のニュースが流れると配当利益など吹き飛ぶ程の株価の下落が起こります。
日産自動車の株は、かつて高配当利回り株でした。
そのいい例が日産自動車株です。日産自動車はカルロス・ゴーン氏の逮捕の影響で株価も下落して配当もどんどん下げられました。かつての日産自動車は配当利回り5%以上の高配当利回り銘柄でした。しかし、今は株価も半値ぐらいまで下落して配当も10円になりました。また、2019年の期末配当も未定のままです。
最後に
高配当利回り株だけに投資するのはリスクが大きすぎるのです。いつも、何度も書いてますが結局は分散投資がとても重要です。高配当利回り銘柄の株をリスクを認識して、自分の楽しみとして購入するのは問題ないと思います。しかし、配当目当ての購入は止めておいたほうがいいです。