自分の投資スタイルに疑いを持たない人たち
株式投資をしている人の多くは、自分の投資スタイルに強い自信を持っています。特に個別株投資でうまくいっている人は、自分の手法に絶対的な信頼を寄せがちです。
また、米国株に投資している人の中には、「米国株こそ正義」と言わんばかりの発言をする方も少なくありません。中には、他の投資先――特に日本株に対して批判的・否定的な意見を持つ人もいます。
その主な根拠は、日本の少子高齢化や経済成長の鈍化など、将来性への悲観的な見方に基づいています。結果として、「日本株より米国株の方が圧倒的にパフォーマンスが良い」といった意見が多数派となるのです。
しかし、私は「自分の投資先やスタイルに疑いを持つこと」がとても大切だと考えています。

投資先を「信じすぎる」リスク
たしかに、投資先のパフォーマンスが良ければ信頼したくなる気持ちは分かります。ただし、それは投資において非常に危険な考え方でもあります。
株式投資も債券投資も、最終的には「法人」に対して投資しているに過ぎません。法人を動かしているのは「生身の人間」であり、どんなに優秀な経営者でも永遠に成功し続ける保証はありません。
とくにワンマン経営の企業などは、トップが変わるだけで業績が大きく変化することもあります。
株式投資とは、「先が見えないもの」にお金を託す行為です。その意味では、どれだけ成績が良くても、それを信じすぎるのは非常にリスクが高い行動です。
安定的なリターンを目指すには「分散投資」が最適解
信じられる投資先がないなら、どうするか?──答えは「すべてに投資する」、つまり「分散投資」です。
特定の銘柄や特定の国に集中するのではなく、様々な資産や地域に投資をすることでリスクを抑えることができます。
調子の良い銘柄に集中投資したくなる気持ちはよく分かります。特に、それでうまくいった経験があると「もっと集中しよう」と考えてしまうものです。しかし、それが「自信過剰」という落とし穴につながりやすいのです。
どんな相場環境でもブレずに分散投資を続けることができれば、長期的に安定したパフォーマンスを期待できます。
ただし、1点だけ明確にしておきたいのは、「短期間でお金持ちになりたい」という人にとっては、分散投資は物足りないかもしれません。短期間で大きなリターンを狙うなら、集中投資が必要です。
しかし、そうした投資スタイルは非常にリスクが高く、誰にでもできるものではありません。特に投資経験の浅い一般的なサラリーマン投資家にとっては、長期・分散・積立が最適な戦略だと考えます。

まとめ:自信よりも冷静さを大切に
私自身は米国株を推奨していますが、日本株にも一定の資金を振り分けています。米国株だけに集中する人たちの根拠は、S&P500が長期的に右肩上がりで成長しているという事実にあります。
たしかに、その歴史は素晴らしいものです。しかし、株式投資において「過去のパフォーマンスが未来を保証することはない」という大原則を忘れてはいけません。
S&P500であっても、10年・20年単位で停滞した時期や、暴落を経験した時期が何度もあります。それでも長期的に投資を続けられた人だけが、標準的なリターンを得ているのです。
問題は、その「長期投資」を実際にやり続けるのが、とても難しいということ。短期的な成果を追いたくなる誘惑と、常に戦う必要があるからです。
だからこそ、投資には「冷静さ」こそが最大の武器になります。
今の投資先や戦略がうまくいっているとしても、常に疑いの目を持ち、バランスを見失わないことが、投資で生き残る鍵だと思います。

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