債券=安全資産というイメージの落とし穴
債券投資は一般的に「安全資産」として知られています。特に高齢者になると、収入を得る手段が限られてくることから、ポートフォリオに債券を組み入れることが推奨される場面が多くあります。また、若年層でもリスクを取りたくない人が債券投資を検討することはよくあります。
実際、安全資産を謳う多くの投資信託では、何かしらの債券が含まれています。「株式 > 債券」というリスクのイメージも、ある意味では正しいでしょう。株式に比べれば債券は価格変動が小さく、比較的安定していると言えます。
しかし、だからといって「高齢者=債券投資」という考え方は、一面的すぎるのではないでしょうか。
投資スタイルに年齢は関係ない
私は、投資に年齢は関係ないと考えています。若者向け・高齢者向けの投資という区分自体がナンセンスです。市場は誰に対しても平等であり、資金の出どころが高齢者だろうと若者だろうと、相場の動きには一切影響しません。
高齢者だからといって債券を多く組み込むのは、むしろ資産運用の効率を下げる要因になります。リスク調整が必要なら、現金比率を見直すなど、より柔軟でシンプルな方法もあります。
つまり、投資スタイルは年齢に関係なく、自分のリスク許容度や目的に応じて一貫性を持つべきです。高齢者でも若者でも、共通して有益な投資戦略を選ぶことが、結果として最善の選択になります。

個人投資家に債券投資は必要か?
私は、基本的に個人投資家にとって債券投資は不要だと考えています。その理由は、「債券の価値を個人が正しく判断するのが難しいから」です。
債券は株式より価格変動が少ないとはいえ、価格が下がるリスクも当然存在します。しかし、そのリスクを正確に見積もって投資判断をしている個人投資家は、ほとんどいないのではないでしょうか。
実際、多くの人が債券を購入後、償還まで放置してしまい、途中で現在価値を確認することもありません。こうした運用スタイルでは、自分の投資が効率的だったのかどうか、正確に判断できません。
特に債券を含む投資信託に投資している人は、なおさら債券のリスクや運用効率について理解していないことが多いように思えます。
債券に投資するなら、その効率性やリスクについて、少なくとも一定の理解と検討が必要です。そうでなければ、思わぬ損失を被ることにもなりかねません。


まとめ:安全資産としてどうしても必要なら長期国債を
どうしても「元本割れが嫌」「現金以外で安全資産を保有したい」というのであれば、私は個人向けの長期国債をおすすめします。
銀行預金も安全に思えますが、ペイオフ制度により「1金融機関・1預金者あたり元本1,000万円とその利息」までしか保護されません。大金を1つの銀行に預けるのもリスクです。
その点、国債は元本と利息の支払いを国が保証しているため、銀行預金より安全性が高いと言えるでしょう。しかも、複数の銀行に分けて管理する手間もなく、一括管理できるという利便性もあります。
一方で、社債や外債は慎重に扱うべきです。特に個人向けに発行される社債は、企業がわざわざ非効率な資金調達手段を選んでいる背景を考えると、高リスクな可能性が高いと言えます。
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