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個人投資家が債権投資を考えなくていいと考える理由。基本的に株式投資だけで十分。

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債権投資をポートフォリオに組み込みたい人に社債はおすすめできない。

個人投資家は基本的に債券投資は不要と考えています。一言に債権といってもいろいろと種類があります。国や地方などが発行する債権を公共債と言われ民間が発行するのを民間債と言われます。公共債には国債、地方債、政府保証債があり、民間債には社債、金融債があります。

債権の種類 定義
公共債 国債 国の発行する債権
地方債 地方公共団体が1会計年度を超えて行う借り入れ
政府保証債 政府関係機関や特殊法人等が発行する債券のうち、政府が元金および利息の支払いを保証している債券
民間債 社債 企業が必要となる資金を調達するために発行する債権
金融債 特定の金融機関が発行できる債券

債権の中でも個人が購入を検討するのは国債が多いかと思います。金融機関の窓口にパンフレットなどが置いてありよく宣伝を見かけます。次に最近、多くなっているのが社債です。金融機関でも個人向け社債として積極的に販売しているように思います。日本証券業協会によれば、2019年5月末時点で社債の現存額は65兆円と過去最高を更新しているようです。企業も社債発行に対して積極的なようです。

個人向け社債は比較的高金利だがリスクの把握が難しい

個人向け社債で有名なのがソフトバンクです。個人向け社債を高金利で発行しています。最近、募集していた内容を一覧表にして記載してみました。金利は年利で1%以上あり2017年には2%を超えての募集でした。

募集 払込期日 年利(%) 年限 償還期限
第57回 2019年09/12 1.38 約7年 2026/09/11
第56回 2019/09/20 1.38 約7年 2026/09/17
第55回 2019/04/26 1.64 約6年 2025/04/25
第54回 2018/06/12 1.569 約6年 2024/06/12
第53回 2018/06/20 1.57 約6年 2024/06/14
第52回 2017/03/08 2.03 約7年 2024/03/08

金利も高く有名企業ということもありソフトバンク債は人気で募集と同時に発行額に到達してしまうようです。他社の社債に比べて金利が高いので注意が必要ですが、社債で高金利を狙うならソフトバンク債になるかと思います。(ちなみに私は購入しませんが。)

個人向け社債を発行するのは、会社のキャッシュフローが悪いから

現在の日本は歴史的に見ても超低金利で日本銀行はマイナス金利政策を続けています。2020年2月20日時点の長期金利は−0.046%です。これほどの低金利なのに、なぜコストや手間をかけて、しかも高金利で個人向け社債を発行するのでしょうか。本来なら個人などから借りずに金融機関からお金を低金利で借りれば良い話です。また、仮に社債を発行するにしても、それを個人に販売するのでなく多量に金融機関等に買ってもらったほうが効率的です。それを個人に購入してもらわないと行けないのは金融機関が購入してくれないからと考えるのが合理的です。金融機関も優良な企業の社債なら喜んで購入すると思います。特に銀行は低金利で苦しんでいる業界です。個人の住宅ローン並の金利で企業がお金を借りてくれるなら喜んで貸すかと思います。しかし、それをしないということは与信に心配があると考えるべきです。

個人で各会社の与信状況を把握するのは困難

各企業も取引先企業の与信状況を把握するのは大変です。格付け会社から与信データを購入して経理部や営業などが売掛債権などを確認しながら受注を受けていいか検討して受注したりするのです。それでも債権回収が出来ない事故が起こり得るのです。それを一個人が会社の与信状況を正確に把握するのは困難と言えます。また、株式投資でもそうですが会社の不祥事がどこで出てくるか分かりません。なので、個人が社債を購入するというのはかなりのリスクがあると考えていいと思います。

地方債もやめておいた方がいい。

国債に準じて地方債も個人に販売されています。自分の地元などで応援する意味で購入するのは良いかと思いますが積極的に購入するのはおすすめできません。企業よりは安心できると思いますが、地方自治体の多くが財政的には厳しい状況にあります。正直、破綻するリスクは少ないかと思いますが、まったく破綻しないとは限りません。また、地方債はリスクが低い代わりに金利も低いです。当然といえば当然ですが。なので、敢えて地方債を購入する必要はないと思います。

どうしても購入するなら長期国債でよい

どうしても債権を自分のポートフォリオに組み入れたいという人は長期国債がおすすめです。長期国債は3年間経過すれば満期の金利を放棄すると元本を返金して貰えます。
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また、現金同等の信頼が国債にはあるので与信などの心配はありません。ただ、今後、金利が上昇した時に債券価格が低下するリスクはあります。なので、基本的には今は、債権投資を考える必要はないかと思います。参考になりましたら幸いです。