金利が上昇し、インフレも進んでいる2025年。
そんな今、「資産を守るにはどこに置くべきか?」という問いが、多くの個人投資家に突きつけられています。
結論から言うと、現金の一部を「個人向け国債・変動10年」に置くことは、非常に有効な選択肢です。
元本保証があり、利率は半年ごとに見直され、しかも国の信用で守られています。
この記事では、2025年の現状に照らしながら「なぜ個人向け国債が最強の安全資産になりうるのか」を解説します。
なぜ今、安全資産の見直しが必要なのか?
2020年代前半までは、金利ゼロ・物価安定という環境が長く続いていました。
しかし現在、世の中は大きく変わっています。
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2025年時点で消費者物価は年2〜3%上昇
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長期金利は上昇傾向、10年国債利回りも1.0%前後に
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預金金利は相変わらず0.002%と低金利
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地銀の破綻リスクや信用不安も囁かれる
これらを考えると、「現金を銀行に眠らせておく」ことがもはやリスクになっていると言えるのです。
預金より安全?個人向け国債・変動10年とは
個人向け国債の中でも、特に注目すべきは**「変動10年」タイプ**です。
✅ 特徴
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元本保証:途中解約でも元本割れしない(1年経過後)
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変動金利型:半年ごとに利率が見直され、市場金利に連動
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最低利率0.05%が保証されている
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国が発行するため、信用リスクがほぼゼロ
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中途換金可能:利子2回分(直前1年分)を返還すれば途中解約OK
2025年7月現在、変動10年の最新利率は0.96%(年率)。
これは、銀行預金の数百倍の利回りです。
金利上昇に対応できる「守りの資産」
普通の債券(固定金利)の場合、金利が上昇すると価格が下落します。
でも、個人向け国債・変動10年は「額面で償還される」ため、価格変動の心配がありません。
さらに、金利が上昇すれば利率も自動的に上がるので、金利上昇局面に強いのが最大の魅力です。
債券価格が暴落しても、元本は保証され、利率は上がる。
この仕組みは、実質的に「金利上昇への保険」がついた商品と言えます。
銀行預金よりも安全な理由とは?
多くの人は「銀行預金が一番安全」と思っているかもしれません。
しかし、実際には預金には制限があります。
預金保険の限度額
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一人・一銀行あたり1,000万円+利息までしか保証されない
つまり、1,000万円を超える預金は、銀行が破綻した場合に戻ってこない可能性があります。
現在、地方銀行の経営は厳しく、実際に経営統合や信用不安のニュースも出ています。
一方、国債は国の信用に基づいており、破綻リスクが極めて低い。
日本が財政破綻する前に、地方銀行が先に破綻する可能性の方が高いのが現実です。
金融機関の営業には注意!「国債以外」をすすめられるリスク
国債を購入しようと銀行や証券会社に行くと、こんなことを言われるかもしれません。
「国債は利回りが低いので、こちらの“仕組債”や投資信託の方がおすすめです」
これは、金融機関側の手数料目的のセールスです。
国債は手数料が低いため、彼らにとっては利益になりにくいのです。
中には「元本保証に見えるが実はリスク商品」というものもあります。
●外貨建て債券
●仕組債(ノックイン債)
●毎月分配型ファンド など
営業トークに流されて「別の商品を契約してしまった」
…という声は今でも後を絶ちません。
国債を買う時は、「国債だけを買う」と決めて、他の商品には手を出さない姿勢が重要です。
外貨資産・リスク資産への“逃避”も慎重に
「国債が暴落しそうだから、外貨や株に逃げた方がいいのでは?」という声もあります。
たしかに、金利上昇局面では債券価格が下がり、リスク資産の魅力が高まる場面もあります。
ただし、外貨には為替リスクがつきまといますし、金利上昇は株価にとっては逆風となるケースも多いです。
焦って資産を移すよりも、冷静に現金・国債・投資信託を分散して持つことが、守りの鉄則です。
結論:個人向け国債・変動10年は「現金代わり」の安全資産
2025年の今、「資産を守る」ことが非常に難しい時代に入っています。
そんな中で、個人向け国債・変動10年は次のような特徴を持っています:
項目 | 内容 |
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元本保証 | 途中解約でも損しない(1年経過後) |
金利連動 | 半年ごとに利率が見直される |
流動性 | 中途換金も柔軟(利子2回分差し引き) |
安全性 | 国の信用で守られている |
利回り | 現在の利率は0.96%(2025年7月時点) |
特に「普通預金に1,000万円以上置いている方」や「将来使う予定の現金をどこに置くか迷っている方」には強くおすすめできます。
最後に:守る資産の第一歩として
私は、インデックス投資をメインに資産形成を続けていますが、「守りの資産」として個人向け国債を一定割合保有しています。
リスクを取る資産と、リスクを抑える資産。そのバランスこそが資産形成の基礎だと思っています。
今後の金利環境や経済の変化にも柔軟に対応できるように、「現金を寝かせる」から「国債で守る」選択肢も、ぜひ検討してみてください。