有事の際に価格が上昇する純金投資の魅力とはなにか。
純金などの金や銀、プラチナなどの貴金属を投資目的で購入される人も多くいます。純金投資でよく言われるのが、
・社会不安が起きた時に金が上昇する
・金は限りがあり希少性がある
・価値がゼロになることがない
などです。
確かに、純金などの現物資産は世界中で通用する価値のある資産です。
ただ、私は投資には不向きだと考えています。超お金持ちがリスクを分散のために貴金属を保有するのは、一定程度理解できます。
しかし、一般人がわざわざ貴金属に投資する必要性を感じません。
純金などの貴金属の投資が不要と考える理由。
純金の価値は右肩上がりで上がってきており、昨年の2020年には史上最高値を更新しました。
また、貴金属業界も活気があり、純金積み立てを呼び込むCMも頻繁に見られるようになったと感じます。
ただ、純金などの現物投資は不要と考えます。
その理由は、
・そもそも投資ではない
・管理が大変(手数料が必要)
・購入価格と買い取り価格に差がある
です。
そもそも投資ではない
投資と言うのは生産活動に資本というかたちで参加する行為です。株式などの投資は投資した資金で生産活動を行い、上げた利益を株主に分配する仕組みです。
なので、生産活動から得られた果実を取得する行為です。
一方、純金などの投資は現物の価格に賭けている行為です。情報や時間などの価格の歪みを利用して利益を得る行為です。
これは価格が上がるか下がるかに賭けているので、生産活動を行っている分けではありません。いわゆるゼロサムゲームです。
なので、純金投資をしても配当などは発生しません。

現物での短期投資はプロが有利
また、現物投資は価格に賭ける行為ですから価格変動に対して一次情報に近い人が有利です。純粋に価格変動で利益を上げるにはプロに勝っていかないといけません。
長期的な保有で考えているなら別ですが短期的な投資だと圧倒的にプロが有利だと考えます。情報量が違い過ぎるのです。

管理が大変(手数料が必要)
例えば田中貴金属工業で積立購入をした場合、下図の手数料が発生します。

出典:画像は田中貴金属工業のフォームページより(2021年2月現在)
純粋に高いです。貴金属で利益を上げるには積立手数料以上のパフォーマンスが必要です。
また、積み立てでなく、現物を購入しても保管が大変です。
金庫などを持っている人は、そこに保管すればよいですが、ない人はセキュリティを考えた保管方法を検討する必要があります。

ちなみに、田中貴金属工業では保管料は無料のようです。
購入価格と買い取り価格に差がある
当然と言えば当然なのですが、貴金属の購入は購入価格と売却価格に差があります。つまりスプレッドが存在します。

出典:画像は田中貴金属工業のフォームページより(2021年2月現在)
田中貴金属工業の店頭価格でみても、約1.5%程度のスプレッドが発生します。売却する時に1.5%の負担は大きく感じます。
現物投資で「手数料+スプレッド負担」以上のパフォーマンスを上げる必要があるので、総資産が億を超えてくる人でないと純金投資はおススメ出来ないです。
純金投資は魅力的ない資産ではあるが庶民には不要。
純金の購入は魅力的だとは思います。純金は加工をすればアクセサリーになったり精密機械に利用されたりして用途も幅広いです。
世界中の人を魅了するのが純金かも知れません。ただ、純金を購入するのは一種のステータスです。
庶民が少しづつ購入していくにはコストが高いです。総資産が億を超えるような人だと現物資産や不動産などに分散をしないといけなくなると思います。
大量に購入出来ればコストも下げれますし、インフレなどの価格変動に対するリスク分散になります。それだと少々の手数料も安いものです。
ただ、庶民にはコストが見合わないです。
最後に
歴史上の多くの人物か純金に魅了されたてきたと思います。また、現代でも純金の魅力は色あせないです。
純金に対する需要はどんどんと増してくることになるかと思います。
なので、純金に投資している人を否定するつもりはありません。経済合理的な観点からして庶民には不要な投資と判断しています。
できれば、私も純金投資を検討するぐらいの人物になってみたいです。死ぬまでに1gも手にすることなく終わってしまう可能性が高いですが。
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