【初心者向け投資商品】という言葉に騙されるな
初心者向け=安全?本当にそうでしょうか?
先日、知り合いが金融機関から「初心者向けの投資商品」として、値動きが少ない投資信託を紹介されたそうです。内容を見せてもらうと、主に債券を中心に構成されており、株式も一部含まれていますが、値動きを抑えるために国債や外国債券などが分散して組み込まれていました。いわゆる「バランスファンド」のような商品です。
しかし、私はこの「初心者向け」という言葉に強い違和感を覚えました。というのも、投資に“初心者”という概念は通用しないからです。
一度でも市場に資金を投じれば、プロだろうが素人だろうが関係ありません。市場は全ての投資家に対して平等で、誰に対しても同じリスクとリターンが提示されます。社会的地位や経験の有無などは、1円たりとも市場には関係がありません。
それゆえ、「初心者向け商品」などというものは本来存在しないのです。
「債券中心のバランスファンド」は本当に初心者向き?
金融機関が勧める初心者向け商品は、多くが債券中心の投資信託です。しかし、私は個人投資家にとって債券投資は不要だと考えています。
理由は以下の通りです:
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債券はリスクが見えにくい
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低金利時代では投資効率が悪い
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社債などは格付けや発行元の信用リスクを読み解くのが難しい
特に、債券は元本保証のような印象を持たれがちですが、市場金利や信用状況によって価値が変動します。毎年きちんと債券の時価を確認し、投資効率が悪いと判断したら、ためらわず売却して他の商品に切り替えるべきです。
ただし、例外として長期国債はおすすめできる場合があります。銀行に1,000万円以上の預金を持つような人が「リスクを極力取りたくない」と考える場合、長期国債は一つの資金置き場となり得ます。
初心者ほど「インデックスファンド」を選ぶべき理由
私が本当に初心者におすすめするのは、シンプルなインデックスファンドです。
なぜなら:
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値動きの仕組みが分かりやすい(株価指数に連動)
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ニュースを見ていれば値動きの背景がつかめる
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長期保有による分散投資効果が高い
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コスト(信託報酬)が非常に安い
代表的な例としては次の2つの投資信託があります:
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eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):信託報酬 0.0968%
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SBI・V・S&P500インデックス・ファンド:信託報酬 0.0938%
どちらも長期でコツコツ積み立て、配当は再投資に回すスタイルがおすすめです。特に楽天証券以外を使っている人には、SBI・Vシリーズの方がコスト面で優れています。
まとめ:投資はシンプルであれ
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「初心者向けの投資商品」という言葉に惑わされないこと
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債券中心の商品はリスクが見えづらく、効率も悪い
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シンプルで分かりやすいインデックスファンドこそ、初心者に適している
投資で大事なことは、「分からないものには手を出さない」こと。そして、手数料の安い、理解しやすい商品を選ぶことです。金融機関や営業マンの言葉より、自分自身の理解と納得が何よりも大切です。
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