資産8,000万円を超えた日、正直に言うと「やった!」より先に「これ、守れるのか?」が来ました。私は50代の平社員。妻はパートで、子どもは高校生と中学生。家は賃貸です。いわゆる“勝ち組”ではないのに、相場と積立が積み上がって、いつの間にか8,000万円台が見えてきた。だからこそ、浮かれるよりも現実が怖くなる。

資産の節目って、1,000万円や3,000万円の頃は分かりやすく嬉しいんですよね。ところが8,000万円は少し違う。生活が派手になるわけでもないし、明日から会社を辞められるわけでもない。むしろ「ここまで来たのに、油断で崩れたら最悪だ」という緊張感が強くなる。今日は、そんな“8,000万円の心境”を、過去の節目記事の続編としてまとめます。

8,000万円の達成が「喜び」より「怖さ」になる理由

まず最初に、8,000万円台は「到達感」が薄いです。なぜか。

増えたのは実力か?相場か?

この規模になると、入金よりも相場の影響が大きくなります。毎月の積立を頑張っても、相場が上がれば一気に増えるし、下がればあっさり減る。増えた理由が自分の努力だけじゃないと分かっているから、手放しで喜べないんです。

1日で“給料1か月分”が動く

資産が大きいほど、値動きも大きく見えます。指数が1〜2%動けば、数十万円単位で増減することがある。これ、慣れるまでは結構メンタルに来ます。特に暴落局面では「何もしてないのに給料数か月分が消えた」感覚になる。私は信用取引やレバレッジが怖くてやりませんが、現物でも十分に心が揺れます。

“準富裕層”の看板がプレッシャーになる

野村総研の分類で言うと、5,000万円以上1億円未満は「準富裕層」とされます。肩書きとしては聞こえが良い。でも、自分の実生活は平社員のまま。だからこそ、数字だけが先に走って「この資産を減らしたら落ちる」というプレッシャーが出る。私はこれを、良い意味でのブレーキとして使っています。

8,000万円で変わったこと/変わらなかったこと

節目を超えるたびに、生活が変わるか?と聞かれますが、8,000万円は「変わる部分」と「変えない部分」を意識的に分けるフェーズでした。

変わったこと:家計の“守り”を先に固めた

私が一番強く意識しているのは、生活費の3か月分以上を現金で持つことです。これは投資の期待リターンより、家計の安心のため。教育費や家電の故障など、50代は地味に臨時支出が続きます。現金が薄いと、暴落時に売らされるリスクが跳ね上がる。だから私は、NISAの積立より先に現金の厚みを優先します。

変わったこと:投資の“攻め”より、出口の設計に目が向いた

8,000万円台になると、「何を買うか」より「どう取り崩すか」が気になり始めます。4%ルールみたいな数字の話もありますが、私は“率”より“順番”を決めています。

  • 生活費の穴埋め:現金+必要なら短期で動かせる枠

  • 臨時費(教育費・家電・車検など):使う時期が見えるお金

  • 老後資金:NISA/iDeCoなど長期枠(暴落も受け入れる)

この3段階に分けるだけで、「今売るべきか?」の迷いが減りました。

変わらなかったこと:生活水準と固定費は上げない

資産が増えると、気が緩んで固定費が増えがちです。サブスク、保険、スマホ、習い事、外食。小さな“格上げ”が積み上がるのが一番怖い。私は賃貸暮らしなので、住居費を見直すハードルは低い方ですが、逆に「良い物件に引っ越す」という誘惑もあります。ここはぐっと我慢。資産形成期と同じように、固定費は増やさないをルール化しています。

8,000万円でも不安が消えない、3つの落とし穴

「8,000万円あれば安心でしょ?」と言われることもあります。でも、私はまだ不安があります。理由はシンプルで、これから起きるイベントが多いから。

教育費ピークは“資産”より“キャッシュフロー”を削る

子どもが2人いると、進学や部活、塾、交通費などで支出が読みにくい。資産があっても、毎月の家計が赤字だと精神的にしんどいです。だから私は「資産額」より「月次の黒字化」を優先して整えています。資産が増えても、家計が崩れたら意味がない。

暴落はいつ来るか分からない(そして順番が重要)

暴落そのものより怖いのは、“必要な支出の時期”と重なることです。教育費の支払い、親の介護、転職、病気。イベントと下落が重なると、取り崩しのダメージが大きくなる。だから私は「暴落時に売らないための現金」を先に作ります。これは地味ですが、8,000万円台で一番効きます。

“あと2,000万円で1億”が、判断を狂わせる

8,000万円を超えると、1億円が現実的に見えます。すると、急にリスクを取りたくなる。「一括で入れたら早い」「集中投資したら届く」みたいな誘惑。ここが落とし穴です。私は、1億円は“結果として届けばラッキー”くらいで良いと思っています。狙いすぎると、ルールが崩れて事故ります。

1,000万・3,000万・5,000万と比べて、8,000万が一番“静か”だった

過去記事でも書いた通り、1,000万円は「生活が壊れにくくなる」節目でした。急な出費が来ても、借金やカード分割に頼らずに済む。次に3,000万円は、いわゆるアッパーマス層の入り口で「増えるスピード」が変わった感覚があります。5,000万円を超えたあたりで、“準富裕層”という言葉が現実になり、守りの重要性が一段上がった。

そして8,000万円は、いちばん静かでした。理由は2つです。ひとつは、生活が劇的に変わらないから。もうひとつは、増えた実感より「失う実感」の方がリアルだからです。

私が一番ひやっとしたのは、相場が荒れた月に資産が100万円単位で上下した時でした。もちろん、過去の下落を知っているので「もっと落ちることもある」と頭では分かっている。でも、金額で見ると別物。ここで感情で動くと負ける、と自分に言い聞かせる回数が増えました。

8,000万円台で私が“やめたこと”3つ

資産が増えるほど、やるべきことが増える…と思いがちですが、私は逆で「やめる」ことで安定しました。

1)情報を追いすぎること

毎日ニュースやSNSを見ていると、上げ相場では強気になり、下げ相場では弱気になります。つまり、自分のルールが揺れる。私は“見る頻度”を減らして、積立は淡々と継続、個別の値動きは週1くらいで十分と割り切りました。

2)「一発で早く」を狙うこと

8,000万円に近づくと、どうしても「この2,000万円を早く埋めたい」と思ってしまう。ここで集中投資やタイミング投資に寄ると、外した時のダメージが大きい。私は新NISAも、結局は長期・分散・低コストの範囲から出ないと決めています。

3)生活の“ご褒美”を固定費にすること

たまの外食や旅行は良い。でも、固定費にしてしまうと戻せません。格安SIMから大手キャリアに戻す、保険を盛り盛りにする、サブスクを増やす。こういう“戻れない支出”は、資産形成の敵です。私はご褒美は単発、固定費は現状維持を徹底しています。

年金開始までの橋渡しを、今のうちに言語化しておく

50代の資産形成は「貯める」だけでなく「つなぐ」視点が大事です。年金を何歳から受け取るか、働き方をどうするかは人それぞれですが、共通するのは“空白期間”をどう埋めるか。

私は、年金が満額出る前提で考えるのをやめました。まずは、家計の毎月いくらが不足しそうかをざっくり見積もる。次に、その不足が何年続く可能性があるかを幅で持つ。ここが見えると、「現金(生活防衛費)」「近い将来に使うお金」「長期で寝かせるお金」を分ける理由が腹落ちします。

8,000万円台は、取り崩し率の正解を探すより、こうした“自分の前提”を決める方が効きました。数字のテクニックより、ルールの言語化。これができると、相場が荒れても、やることは変わりません。

私の結論:8,000万円台は「見通し」を買うステージ

私が8,000万円を超えて一番得たのは、“安心”そのものより「見通し」です。これくらいあれば、最悪のシナリオを具体的に想像できるようになる。想像できると、対策が打てる。対策があると、相場が多少荒れても心が折れにくい。

最後に、私が自分に言い聞かせているチェックを置いておきます。

自分の“怖さ”を言語化するチェック5つ

1)暴落が来たら、何から取り崩す?(順番が言える)
2)生活費3か月分の現金は、今も確保できている?
3)教育費・臨時費の予定を、ざっくりでも把握している?
4)「1億円まで急ぐ」ための無理をしていない?
5)家計が赤字なら、投資額より固定費を先にいじっている?

8,000万円はゴールではなく、むしろ“油断しないための節目”でした。派手な成功談ではないけれど、同じ年代で投資を続けている人の参考になれば嬉しいです。

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