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純金投資の魅力とは?価格が上昇する理由と、庶民におすすめできない理由を徹底解説【2025年版】

「有事に強い資産」として知られる純金(ゴールド)。2024年以降、インフレ加速・地政学リスクの高まり・円安基調といった環境が続く中で、金価格は再び注目を集めています。2025年7月時点では、国内金価格は1gあたり12,000円を超え、史上最高値圏で推移しています。

純金積立のテレビCMやネット広告も目立ち、「少額からの金投資」がトレンド化していますが、果たして一般の家庭にとって金投資は本当に有益なのでしょうか?

この記事では、純金投資の仕組みや価格上昇の要因、魅力と限界を整理しながら、長期インデックス投資を続けてきた筆者の視点で「庶民にとって本当に必要かどうか」を考察します。

なぜ純金投資が注目されるのか?3つの魅力を整理

① 有事に強く、リスクヘッジ資産として機能

金(ゴールド)は、戦争・テロ・パンデミック・金融危機などの有事に強い資産として評価されています。実際、2020年のコロナショック後や、2022年のウクライナ侵攻時には金価格が大きく上昇しました。

こうした「有事の金(ゴールド)」というイメージは歴史的にも根強く、株や通貨が暴落したときに資産の避難先として機能するとされています。

② 世界共通の実物資産であり、信用リスクがない

金は、通貨や株式と違い発行主体がないため、信用リスクが存在しません。米ドルが下落しても、日銀が破綻しても、金そのものの価値は残ります。**世界中で通用する「リアル資産」**としての地位を持っています。

また、紙幣と異なりインフレにも強く、物価が上がっても金の価値は相対的に維持されやすい特徴があります。

③ 希少性があり、価値がゼロになりにくい

金は採掘できる量が限られており、地球全体でもオリンピックプール3杯分程度しか存在しないと言われます。工業用途や装飾品としても重宝され、物理的な希少性が長期的な価値の支えとなっています。

それでも私は純金投資をしない3つの理由

上記のように金には一定の魅力があるものの、私個人としては投資対象としてはあまりおすすめしません。理由は以下の3点です。

理由①:金は「投資」ではなく「投機」に近い

株式や投資信託は、企業の利益成長や配当を通じてリターンが期待できます。つまり**「資本を生産活動に投じて果実を得る」という本来的な投資行為**です。

しかし金は、配当や利息を一切生みません。利益が出るかどうかは価格の変動次第。つまり、「将来値上がりするかどうか」に賭けている状態です。

これはゼロサムゲーム的な投機であり、長期的な資産形成には向きません。実際、純金ETFの価格を長期で見ても、株式ほどの複利効果は得られません。

理由②:手数料・スプレッドが高く、保管も面倒

たとえば、田中貴金属の「純金積立」を例に見ると、

  • 購入時に手数料(最大年2.2%程度)

  • 購入価格と売却価格の差(スプレッド1.5〜2%)

が発生します。これはインデックスファンドの信託報酬(年0.1〜0.2%程度)に比べて極めて高コストです。

また、現物で金を保有する場合には、

  • 金庫保管や盗難リスク

  • 自宅保管の不安

  • 売却手続きの煩雑さ

などもついて回ります。保有するだけで気を使う資産というのは、初心者向きとは言えません。

理由③:価格変動に対応するにはプロの知識が必要

金価格は、以下のような要因で動きます:

  • 米ドル金利

  • 中央銀行の金買い(特に中国・ロシア)

  • 地政学リスク(中東・台湾海峡など)

  • 世界のETF需要や機関投資家の動き

これらを常に追い続けるのは一般人には困難です。私自身も過去に原油先物投資で痛い目を見た経験があり、価格変動に賭ける投資の難しさを痛感しました。

▶ 参考記事:原油の先物投資で失敗して損失を出しました。

純金投資に向いているのはこんな人

もちろん、純金投資がすべての人に不要とは言いません。以下のようなケースでは検討の余地があります。

  • 総資産1億円以上で、分散の一環として保有したい人

  • 現金や証券以外の実物資産を持ちたい人

  • インフレ・円安・有事リスクに強いポートフォリオを作りたい人

少額積立で「投資気分」を味わいたい初心者が金を選ぶケースもありますが、冷静に費用対効果を考えると、新NISAや全世界株インデックス投資の方が圧倒的に合理的です。

少額で金投資したいならETFや投資信託もあり

どうしても金に興味があるなら、「純金ETF」や「コモディティ型ファンド」を活用するのも選択肢です。

代表的な純金ETF(国内)

  • 【1328】金価格連動型上場投資信託(東証上場)

  • 【1540】純金上場信託(現物国内保管型)

証券口座があれば少額から購入でき、現物保管のリスクも不要。ただし、価格変動で元本割れの可能性はあります。

純金投資は「夢とロマン」があるが、庶民には不要な贅沢品

金は古代から人類を魅了してきた資産です。王族・貴族・国家が競って金を集めてきた歴史があります。今でも世界中の中央銀行が外貨準備として金を保有しています。

しかし、一般庶民にとっては、

  • 保有コストが高い

  • リターンが限定的

  • 長期投資に向かない

という理由から、“投資先”というより“ロマン枠”であると感じています。

私も死ぬまでに1gの金を買える日が来るかもしれませんが、今はその前にやるべきこと(教育費・老後資金・生活防衛費など)がたくさんあります。

まとめ|金は魅力的だが、インデックス投資の方が堅実

純金投資は、

  • 有事に強い

  • インフレに強い

  • 実物資産で安心感がある

というメリットがある一方で、

  • 配当や成長がない

  • 高コスト・スプレッド負担

  • 投機性が高い

というデメリットもあります。

私のような50代・会社員・子持ちの家庭にとっては、やはり「コストの安いインデックス投資」「新NISA」「iDeCo」などの堅実な手段の方が合っていると感じています。

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