以下の記事は、50代サラリーマン・私の実体験も交えて、「資産1億円以上は全体の何%?“上位10%の壁”を超える条件」というテーマでまとめました。読者は「50代前後の投資初心者〜中級者」を想定しています。なお、私は賃貸暮らしで住宅ローンはありません。
資産1億円以上の実態:数字で知る“上位数%”
まず、国内において「純金融資産1億円以上」の世帯・割合がどれほどかを確認します。
多くの調査では、次のような数字が出ています。
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野村総合研究所(NRI)が「純金融資産1億円以上5億円未満+5億円以上」を“富裕層・超富裕層”としたところ、2021年時点で約148.5万世帯。全世帯数に対して割合は「約3%」との推計です。 マネーポストWEB+4ファイナンシャルフィールド+4JFE GIA
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最近の分析では、2023年時点で“1億円以上世帯”は165.3万世帯で、全体の割合は「約3.3%」とするデータもあります。 JFE GIA+2LIMO
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世帯ベースでは「100世帯のうち2〜3世帯が1億円以上」という整理も。 東洋経済オンライン
これらを整理すると、「資産1億円以上」は日本の世帯の中で 上位数%に入る極めて少数派 ということが明らかです。
「上位10%」を目標にするなら、この“1億円以上”という壁がひとつの指標になりそうです。
――私自身も、資産7,000万円台(準富裕層のレンジ)として“1億円の壁”の向こう側を俯瞰しながら、日々資産形成・投資を進めています。
“上位10%の壁”とは何か?1億円が意味するもの
では「上位10%」という言葉は、どのあたりを指しているのでしょうか。少し整理します。
「上位10%」の定義
「上位10%」という言い方は、統計的に資産・収入で上位10%の層に入ることを指すことが多いですが、資産1億円というラインでは必ずしも上位10%=1億円以上、というわけではありません。ただし実務的には「資産1億円以上=かなり上位」と捉えられます。
実際には1億円以上の割合が2〜3%であるため、「上位10%」どころかそれを大きく上回る“上の上位”というイメージです。
1億円という基準が意味すること
資産1億円以上という水準が持つ意味を整理します:
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純金融資産ベースでの世帯数が限られており、「富裕層・超富裕層」に該当。 72(ナナニー)
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資産1億円以上を保有することで、「資産からの収益(配当・利子・運用益)」「リスク耐性」「選択肢の広がり」が出てくる。
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ただし「1億円=安心」「これで完璧」とはいえない。運用、支出、税制、インフレといった要因が存在します。 JFE GIA
私の経験からも、50代になってくると「稼ぐ力」が徐々に下降してくる中、支出も子どもの高校・大学準備や医療・老後を意識した資金がかかるため、“1億円”という数字は確かに目安にはなりますが、それだけで“逃げ切れる”とは思っていません。
1億円の壁を超える条件:実践すべき6つの要素
では、私(50代・平社員・賃貸暮らし)という立場から、「資産1億円以上」を視野に置くために意識すべき条件を整理します。
①「入金力・貯蓄力」の確保
まず、資産形成の土台は 毎年の入金(貯蓄+投資)力 です。
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50代で手取り20万円台の私でも意識しているのが、「収入アップ」「支出の最適化(賃貸住まいや生活費管理)」「余剰資金の投資活用」 です。
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たとえば、毎月数万円を定期的に投資に回せる体制づくりは必須。稼ぐ力が下降し始める年代だからこそ、支出の見直しが効きます。
②「長期・分散・低コスト」運用の徹底
私は投資方針を「長期・分散・低コスト」に据えており、レバレッジ・信用取引には否定的です。これは、1億円という資産規模を実現・維持する上でもブレにくい軸となります。
具体的には:
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インデックスファンド中心(例:S&P500、全世界株式)
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コスト・手数料の低い商品を選ぶ
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短期の売買や「一発勝負」を避ける
このような運用姿勢は、1億円という“上位数%”に入るための安定した道筋になります。
③「時間(複利)の味方にする」
資産を長期で運用することは、複利の威力を味方にすることです。50代という年代では「残り時間」が若い頃に比べれば短くなりますが、逆に「焦らず継続する」ことの価値が高まります。
私自身、30代の頃から投資を始めていたことで、「20年近く」の時間がありました。50代からでも遅くはありませんが、入金・運用を継続しやすい仕組みを整えることが重要です。
④「支出の管理と賃貸前提の住まい設計」
私の家計は賃貸暮らしで住宅ローンがないため、住まいの自由度があります。1億円以上を目指すうえでも、支出を抑え、流動性を保つことが肝要です。
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高額な住宅ローンを抱えない →資産運用に回せる余力を維持
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賃貸ならではの自由度を活かして、転勤・住み替えも視野に
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支出の中でも“大きな固定費”を見直す意識が効きます
⑤「人的資本+収入の多様化」
資産だけで語ると“お金”だけに視点が偏りますが、人的資本(働く力・専門性・健康)も資産形成において無視できません。50代であっても、会社員としての収入をもとに資産をつくってきた私としては、次の視点も大切だと思います。
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本業収入を継続・向上させる姿勢
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副業や収入の多様化(ただし過度なリスクは取らない)
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健康・体力という“働ける時間”への投資
⑥「制度・税制・リスク管理を味方につける」
資産1億円以上を目指すなら、制度・税制・リスク管理の知識も不可欠です。例えば
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税制優遇制度の活用(日本では新NISA、iDeCo等)
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資産を減らさないためのリスク管理(分散・資産クラス・現金比率など)
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インフレ・為替・金利変動の影響への備え
これらを“知っている”だけでなく“使える“ようになることが、「上位数%の壁」を超えるために必要な差別化要因です。
私が実践してきた“50代からでも間に合う”ステップ
私自身、50代平社員・賃貸暮らし・総資産7,000万円台という状況から「次の1億円」を視界に入れて行動しています。具体的なステップを紹介します。
ステップ1:現状の資産・収支を棚卸し
私がまず行ったのは、家計簿・資産一覧・投資状況の整理。
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資産=現金・預金・株式・投資信託・ポイントなどを一覧化
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毎月・年間の支出を固定費・変動費に分けて確認
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賃貸住まいという住居費のメリットを再確認
この棚卸しが「1億円」という数値目標をリアルなものにしました。
ステップ2:投資方針を“長期・分散・低コスト”に再設定
私の投資は以下のように構成しています:
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全世界株式(例えば「オルカン」)に月1万円
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米国S&P500に月3,000円
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つみたてNISAを利用(ただし積立額は下げた)
以前より積立額を下げたことで、その分を支出余力に変換。50代という立場から「無理をしないこと」が逆に安心を生んでいます。
ステップ3:「1億円」の意味を定期的に振り返る
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資産1億円を達成したら「何が変わるか」をシミュレーション:税金・運用収益・ライフスタイル。
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「1億円=安心ではない」という前提を持つ。実際、月30万円以上の支出だと資産1億円でも十分とは言えないという指摘もあります。 JFE GIA
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上位数%という意識を持つことで、今の位置を俯瞰し、「あと何が必要か」を考え続ける。
ステップ4:リスク=“支出過多・集中・制度変化”に備える
資産1億円を目指す途中で私が気をつけているのが次の点:
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高額なローン・住居費・車・趣味に支出が大きくなる局面 →賃貸暮らしだと比較的コントロールしやすい。
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運用が「個別株・信用取引・過度なレバレッジ」に偏らないように。私はレバレッジ・信用取引には否定的。
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税制・制度が変わる可能性を無視しない。制度を活用しつつも、資産の減少リスクも折り込み済みで。
まとめ:1億円という数字を“目的”ではなく“通過点”に
最後にまとめます。
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日本で「純金融資産1億円以上」の世帯は、全体で 2%~3%前後 と非常に限られています。 ファイナンシャルフィールド
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このレベルを「上位10%の壁」と捉えるなら、実はその中でもさらに上の“上位数%”ということになります。
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私は50代・賃貸暮らしという立場であっても、「入金力」「長期・分散・低コスト運用」「支出の制御」「人的資本の維持」「制度活用・リスク管理」を軸に、1億円という数字を目指しています。
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ただし、資産1億円=ゴールではなく、“安心”や“自由”を得るための通過点と捉えることが重要です。数字に縛られず、どのように使うか・どう備えるかに意識を向けたいものです。
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