50代になると、投資の話題はつい「利回り何%?」に寄りがちです。でも、私が資産8,000万円台まで来て痛感したのは、勝負どころは利回りより“固定費”だということでした。利回りは市場に左右されますが、固定費は自分で握れます。ここが大きい。
さらに言うと、資産形成の式はシンプルです。
資産が増える=(入金額)×(時間)×(利回り)
このうち、私たちが確実にコントロールできるのは「入金額」と「時間」です。利回りは狙っても外れることがある。だから私は、利回りを追いかける前に、入金額を太くすることに集中しました。
たとえば、年5%で運用できたとしても、毎月5万円積み立てる人と、固定費を削って毎月6万円にできた人では、20年後の差が大きくなります。利回りを1%上げるより、積立額を1万円増やすほうが“確実に”効く。これが固定費の怖さであり、味方でもあります。
しかも50代は、子どもの教育費や生活の変化で、家計がいちばんブレやすい時期。私は賃貸暮らしで、役職もない普通のサラリーマンですが、家計の土台を整えたことで「増やす」より先に「減らさない」が安定しました。この記事では、固定費が資産形成にどう効くのかを、なるべく具体的に言語化します。
なぜ50代は「利回り勝負」になりにくいのか
利回りを追いかけるほど、リスクは上がります。20代なら失敗しても挽回の時間がありますが、50代は残り時間が短い。ここで無理をすると、回復する前に生活費や教育費が先に来ます。
もうひとつ大きいのは、利回りの差は“運”の要素が混じることです。年によって上がる資産も、下がる資産もあります。新NISAでも年間の投資枠は最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)で、生涯の非課税保有限度額(総枠)は最大1,800万円と決まっています。投資枠の範囲で、低コストのインデックスを淡々と積み上げるのが私の基本です。
だからこそ、50代が本当にコントロールすべきは「毎月いくら投資に回せるか」。その原資は、固定費の見直しで作るのがいちばん再現性があります。
固定費は“毎月の自動入金”と同じ
固定費を1万円下げると、毎月1万円が“自動的に残る”状態になります。これ、感覚としては「毎月1万円の臨時収入」より強いです。臨時収入は使って消えますが、固定費カットは毎月効き続けます。
例えば、固定費を月1万円下げて、そのまま積立投資に回すだけで、年12万円の入金力が増えます。20年積み立てると、年3%運用でも約330万円、年5%なら約410万円程度になります(概算)。利回りを1%上げようと頑張るより、固定費を1万円下げて“入金額”を増やすほうが、私には現実的でした。
ここで大事なのは「下げた固定費を、なかったことにしない」こと。浮いた分は、最初から投資や貯蓄に回す仕組みにして、生活水準を引き上げない。これだけで家計が安定します。
固定費の良いところは、インフレで物価が上がる局面でも効くことです。食費や日用品は上がっても、通信や保険、サブスクの“契約”は見直せば下げられる余地がある。物価上昇のストレスを、固定費の最適化で吸収できる感覚があります。
50代が効かせやすい固定費トップ5
固定費は、いきなり大物(家賃など)に手を出すより、“小さくて確実”なところから攻めるのがコツです。私は次の順番が効きました。
1)保険:毎月払っているのに、内容を覚えていない
50代は保険料が上がりやすい時期です。にもかかわらず、入ったまま放置している人が多い。まずは「何のための保険か」を1枚の紙に書き出す。医療費は高額療養費制度もあるので、過剰に厚くしていないかを確認します。
私も昔は“安心”を買っているつもりで、貯蓄型の保険をいくつか持っていました。でも、家計を見える化したら「手数料の高い積立」をしていたようなものだと気づき、必要最小限に整理しました。
2)通信費:格安SIM+自宅回線で、家族分まとめて効く
通信費は、見直しの即効性が高い固定費です。家族がいると、1人あたり数千円の差が、そのまま月1万円単位になります。
ポイントは「スマホ料金だけ」ではなく、自宅回線とセットで総額を見ること。手続きは面倒ですが、一度やれば効果が続きます。
3)サブスク:少額の“自動課金”が家計をじわじわ侵食する
サブスクは、1つ1つは小さいのに、気づくと合計が大きい代表格です。私は「3か月使っていないなら解約」をルール化しました。
特に、動画・音楽・クラウド・アプリ課金は重複しやすい。固定費の見直しは、家計簿より先に“契約一覧”から入るほうが早いです。
4)車:持つなら“必要性”を毎年更新する
車は便利ですが、固定費の塊です。ローンがなくても、保険・税金・車検・駐車場・ガソリンで、月数万円の感覚になります。
地方や通勤事情で必要なら仕方ないですが、もし「週末だけ」ならカーシェアやレンタカーで代替できないか、年1回だけは検討する。持ち続ける前提を外すだけで、選択肢が増えます。
5)教育費:削れない固定費こそ、“上限”を決める
教育費は、気合で削れるものではありません。だから私は「ここまでは出す」という上限を家族で共有し、家計全体の防波堤にしました。
塾・教材・模試・部活…積み上げると青天井になりやすいので、年間の予算枠を先に決める。これだけで、固定費化する教育費を“暴走”させにくくなります。
固定費カットでやりがちな落とし穴
固定費を下げると、安心して“別のところで使ってしまう”ことがあります。私もやりました。スマホ代が下がったのに、気づけば外食回数が増えてプラマイゼロ。これでは意味がありません。
落とし穴を避けるコツは2つです。
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固定費を下げた月から、同額を自動積立に回して「残高を増やさない」
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変動費は“予算制”にして、増えたらすぐ気づけるようにする
固定費は一度下げると達成感があるぶん、気が緩みやすい。だからこそ、仕組みで封じ込めたほうが勝ちやすいです。
それともう一点。家賃のような大物固定費は、引っ越し・通勤・学校など影響が大きいので、最後に回してOKです。まずは保険・通信・サブスクなど「生活の満足度を落とさずに下げられる固定費」から始めると、ストレスなく続きます。
私がやった「固定費の仕組み化」3ステップ
固定費の見直しは、1回やって終わりではなく、仕組みにするとラクです。私が続いたのはこの3つだけでした。
ステップ1:現金は生活費3か月分を死守する
投資に回す前に、まず現金を確保します。私は生活費の3か月分以上を現金で持つのを意識しています。これがあると、相場が荒れても「売らない」判断ができる。固定費を削るときも、心理的に余裕が出ます。
ステップ2:浮いた分は“最初からなかったお金”として積立へ
固定費を下げたら、その差額を自動で積立に回します。口座に残すと使ってしまうので、先取りが正解です。新NISAのつみたて投資枠は年120万円(=月10万円まで)ですが、無理に満額を狙わず、家計が崩れない額で淡々と。
ステップ3:年1回だけ、契約を棚卸しする日を作る
私は毎年1月に「保険・通信・サブスク・車・習い事」を棚卸しします。やるのは年1回で十分。逆に言うと、年1回もしないと固定費は増え続けます。固定費は“油断すると戻る”ので、ここだけは習慣にしました。
固定費を削っても満足度を落とさないコツ
固定費を削ると聞くと「我慢大会」を想像しがちですが、実際は逆です。満足度が低い支出を消して、満足度が高い支出を残す。これができると、家計はラクになります。
私の基準はシンプルで、
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使うたびに嬉しい支出は残す(家族の食事、学び、体験)
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使っても何も残らない支出は減らす(惰性の契約、見栄の固定費)
この2つだけです。固定費は一度下げれば、毎月の選択回数が減ります。意思の力に頼らなくていい。だから続きます。
まとめ:利回りは市場、固定費は自分で握れる
50代の資産形成は、「当てにいく利回り」より「ブレない家計」が強い。固定費を見直して、毎月の余力を増やし、余力を自動で積み立てる。地味ですが、これがいちばん再現性がありました。
もし今、利回りに焦っているなら、最初にやるべきはポートフォリオの小技より、固定費の棚卸しかもしれません。家計の土台が整うと、投資は驚くほど落ち着いて続けられます。
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