パーキンソンの法則とは?意外と身近な“お金と時間”の真理
突然ですが、「パーキンソンの法則」をご存じでしょうか?
これは、イギリスの歴史学者・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンが著書『パーキンソンの法則:進歩の追求』で提唱した法則です。もともとは官僚制度や組織論の分野で使われていた概念ですが、現在では時間やお金に関する人間の行動傾向を説明する「心理法則」としても有名になっています。
この記事では、パーキンソンが提唱した2つの主要な法則について解説し、私たちの時間管理やお金の使い方にどう影響しているのかを深掘りしていきます。
第一法則:仕事は与えられた時間まで膨らむ
第一の法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する。
これは一見すると難しく感じるかもしれませんが、例を挙げれば納得できると思います。
たとえば、夏休みの宿題を最終日に慌てて終わらせた経験、ありませんか?
あれこそが典型的なパーキンソンの第一法則の実例です。
30分で終わる仕事でも、「1時間で仕上げて」と言われれば、人は無意識に1時間かけてしまうのです。集中すれば20分で終わるような仕事でも、時間が与えられると余計な手直しや無駄な調整に時間を使ってしまうのが人間の性です。
これは時間の「使い方」の問題ではなく、人間の本能的な行動パターンなのです。
優秀な人ほど「時間を区切る」ことの重要性を理解しており、早く終わる仕事は早く終わらせ、次の価値ある行動に移ります。私たちもこの法則を意識し、「時間=資源」であることを改めて意識することが大切です。
第二法則:支出は収入に達するまで膨らむ
第二の法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する。
こちらは非常に分かりやすい法則です。たとえば、月収が20万円のときにはカツカツの生活をしていた人が、収入が25万円に増えたらどうなるか。多くの人は「5万円貯金に回せる」と考えがちですが、実際には25万円分の生活をしてしまう人がほとんどです。
人は生活水準を上げると、なかなか下げられなくなる傾向があります。
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車を買えば、維持費や保険料がかかる
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Netflixやウォーターサーバーなど、サブスクに囲まれた生活が当たり前になる
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高品質な食事やブランド服が「普通」になる
一度慣れた生活レベルを下げるのは、心理的な抵抗が大きいのです。そのため、収入が増えても貯金が増えない、むしろ支出が増えてしまうという悪循環に陥ることが多いのです。
生活レベルを上げずに資産を増やすには?
では、どうすればこの法則の罠から逃れられるのでしょうか?
ポイントは「生活レベルをむやみに上げない」ことです。
収入が増えても、これまで通りの生活を維持することは、それほど難しくありません。新しい物を買わず、固定費を増やさず、今あるもので満足する。これは意志の力が試される部分です。
たとえば、
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車を手放す・持たない
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サブスクリプションを見直す
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高額な買い物をする前に「本当に必要か?」を一晩考える
こうした習慣が身についていれば、収入が増えたときに「その分、投資や貯蓄に回す」ことが可能になります。
貯金は、収入よりも意志が重要です。
「収入 > 支出」というシンプルなルールを守り続けるためには、浪費を避け、未来の自分を思いやる意志の力が欠かせません。収入が少なくても、支出を抑えれば貯金は増やせます。
【まとめ】パーキンソンの法則を知って、お金と時間に強くなる
最後に、本記事の要点をまとめます。
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パーキンソンの第一法則:仕事は与えられた時間まで膨張する → 時間は区切って使おう
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第二法則:支出は収入に応じて膨らむ → 生活レベルを上げないことが鍵
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貯蓄の基本:収入 > 支出 → 実行できるのは、意志の強い人だけ
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生活レベルを維持するコツ:固定費を増やさないことが最も有効
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投資の前提:まずは一定の貯蓄が必要 → お金がなければ投資もできない
このブログでは、投資を通じて資産を増やす方法を推奨していますが、そもそも元手がなければスタートラインにも立てません。
自分に甘くなりがちな人こそ、まずは「お金と時間」に関する習慣を見直すことが大切です。
そして、パーキンソンの法則を意識することで、ムダな支出・ムダな時間を減らし、堅実な資産形成が可能になります。
今日からでも遅くはありません。
「意志ある節約」を始めて、未来の自分に感謝される習慣を育てていきましょう。
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