「毎日忙しいのに、なぜか手元にお金も時間も残らない」──50代になってから、私はこの感覚にずっと振り回されていました。仕事では役職もなく、裁量が大きいわけでもない。家では子どもの教育費や部活・塾、妻のパートのシフト調整など、細かい予定が積み上がる。気づけば、週末は疲れを取るだけで終わり、平日は「こなす」だけ。お金の方も、家計簿をつけても改善点が見えず、節約のストレスだけが残る……。
ただ、ある時からやり方を変えました。ポイントや情報に追われるのをやめて、「時間」と「お金」を同じルールで整理し直したんです。結論から言うと、コツは派手なテクニックではなく、①見える化、②優先順位、③自動化の3つだけ。今回は、平社員の私でも続けられた整理術を、できるだけ具体例つきでまとめます。
50代平社員が「振り回される」理由
時間もお金も足りない原因は、たいてい「予算(枠)がない」ことです。ここでいう予算は、家計の予算だけではありません。時間にも予算が必要です。予定が入ってくるたびに足していくと、最後は必ずオーバーフローします。お金も同じで、固定費・変動費・特別費が混ざったままだと、何が増えているのか分からない。
私が失敗したのは、節約と投資の情報ばかり集めて、生活の設計図を作っていなかったこと。情報は増えても、判断回数が増えるだけで、疲れて終わります。50代は体力も回復力も落ちるので、「判断疲れ」が地味に効きます。ここを放置すると、最終的に“時間もお金も、いちばん大事なところに使えない”状態になります。
まずは棚卸し:時間と支出を“同じ紙”に並べる
私が最初にやったのは、家計簿アプリでも高機能なタスク管理でもなく、A4一枚の棚卸しです。やることはシンプル。
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左側:1週間の固定予定(仕事・通勤・家事の最低ライン)
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右側:1か月の固定費(家賃・通信・保険・サブスク等)
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下段:不定期に来るもの(学校関係、帰省、家電、車検など)
ポイントは「時間」と「お金」を同じ紙に置くこと。これで、家計の固定費が増える時期は、だいたい時間も削られていると分かります(学校行事、送迎、病院など)。逆に、時間を取り戻せる時期には、支出も整えやすい。私はここで初めて「忙しい月ほど出費が増える」現実を見ました。
さらにもう一歩。棚卸しの紙に、赤ペンで“減らせるもの”だけ丸を付けます。増えてしまうもの(教育費や家賃など)を無理に削ろうとすると苦しくなるので、まずは減らせるものから。私は「サブスクの重複」「惰性のコンビニ」「使っていないオプション契約」に丸が付きました。
時間の整理術:私が効いた3つのルール
ルール1:朝の15分を“予約”して、1日を先に決める
50代の平社員は、会議や突発対応に巻き込まれがちです。だからこそ、朝イチに15分だけ“予約”して、今日やることを3つに絞りました。コツは「全部やる」ではなく「今日はこれをやれば合格」を作ること。3つのうち1つは、必ず自分の将来につながる小さな作業(家計の確認、資格の勉強、健康の散歩など)にしました。
私の場合、合格ラインは「①仕事の最優先を1つ、②連絡をまとめて処理、③帰宅後に10分だけ家計を見る」。この“合格”があると、予想外が起きても落ち込みにくいです。
ルール2:家の用事は「週1回のまとめ枠」とセット化
家事は“細切れ”が一番しんどい。私は、買い物・日用品補充・子どもの必要品チェックを、週1回の固定枠にまとめました。平日に「牛乳がない」「ノートがない」と気づく回数が減ると、判断も移動も減って、時間が戻ります。妻と共有するのは、細かいToDoではなく「今週の買い物枠はここ」という枠だけで十分でした。
加えて、家の雑用は「同じ曜日・同じ時間」に寄せました。たとえば、日曜夕方に“10分だけ”書類チェック、月曜夜にゴミ出し準備、など。最初は面倒ですが、慣れると脳が自動運転になります。
ルール3:会議・連絡は“締め切り”を先に置く
役職がないと、会議の議題も決められず、ただ参加して終わりになりがちです。私は「いつまでに返すか」を先に宣言するようにしました。たとえばメール返信は「今日の17時までに返します」と自分の中で締め切りを決め、昼休みか帰宅前の10分にまとめて処理。細切れ返信をやめるだけで、集中力がかなり温存できます。
同じく、予定が増えそうな週は、先に“断る枠”を作りました。全部に顔を出すほど体力がない。50代の武器は、やることを増やすことではなく、やらないことを選ぶことだと割り切っています。
お金の整理術:私が効いた3つのルール
ルール4:固定費は“年1回だけ”本気で見直す
固定費の見直しは効果が大きいですが、頻繁にやると疲れます。私は年1回だけ、本気で棚卸しする日に決めました。通信費、保険、サブスクをリスト化し、「使っていないのに払っているもの」を削る。逆に、必要な保険まで削って不安になるのは本末転倒なので、最小限の目的(万一の生活防衛)だけ残す。やる回数を絞ることが、継続のコツでした。
ルール5:特別費を“別口座・別枠”で分ける
家計が崩れる原因の多くは、毎月は出ないけど確実に来る支出です。教育費の季節支出、冠婚葬祭、家電の買い替え、旅行、車検など。私は「特別費用の積立」を別口座に移し、毎月定額を先取りしました。これだけで、クレカ明細に怯える回数が減りました。
特別費は、ざっくりでいいので「年間の見込み」を書き出すのがコツです。完璧に当てる必要はありません。私は毎年、少し多めに見積もって、余ったら翌年に繰り越しています。
ルール6:投資は“自動化”して、見ない時間を増やす
私は「長期・分散・低コスト」を軸に、新NISA中心で淡々と積み立てています。相場が気になってアプリを開く回数が増えると、時間もメンタルも削られる。だから、積立設定をして、見るのは月1回だけ。これで“投資に振り回される時間”が激減しました。正直、個別株の値動きを追っていた頃より、気持ちはずっと楽です。
実は、積立額も“生活優先”で調整しています。以前はつみたてNISAで月3万円強を積み立てていましたが、支出が増えた時期に無理をしないため、いまは月1万円(オルカン)+3,000円(S&P500)のように小さくして続けています。大事なのは額の大きさより、継続できる仕組みです。
「逃げ切り」のための最低ライン:現金と時間のバッファ
私が意識しているのは、生活費3か月分以上の現金を持つことです。投資で増やす前に、まず守りの土台。これがあるだけで、「今月赤字かも」という不安が小さくなり、時間の使い方も落ち着きます。50代は、親の介護や自分の体調など“予定外”が増えます。現金のバッファは、単なるお金ではなく、判断の余裕=時間を買う装備だと思っています。
時間にも同じで、週の予定は8割で止めておく。残り2割は「何も起きないなら休む」「起きたら対応する」。詰め込まないことが、結局は家族にも自分にも優しい。私はこの“余白”を作っただけで、イライラが減りました。
週1回30分の「整える時間」を固定する
私が一番効いたのは、日曜に30分だけ“整える時間”を固定したことです。やることは3つだけ。
1)翌週の予定を見て、詰め込みすぎを外す
2)今月の特別費の見込みを見て、別口座から出す段取りをする
3)積立や支払いが自動で回っているか、チェックだけする
これをやると、「月末にまとめて反省する」癖がなくなります。反省は大きくやるほど疲れます。小さく整える方が、長続きしました。
私がやめたこと:ポイント・情報・完璧主義
以前の私は、ポイント還元やキャンペーンを追いかけていました。確かにお得ですが、条件を読む、期限を管理する、支払い方法を変える……これ、全部“時間”を使っています。50代の私にとっては、数百円の得より、迷わない仕組みの方が価値が大きいと気づきました。
同じく、家計簿の完璧主義もやめました。1円単位で合わせるより、「固定費」「変動費」「特別費」が守れているかを見る。ズレたら翌月で調整すればいい。完璧を捨てた方が、結果的に整います。
今日からできるミニチェックリスト
最後に、いきなり全部やるのがしんどい人向けに、私が“最初の1週間”にやったことを置いておきます。
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スマホの支出通知をオンにして、無意識の支払いを知る
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週1回の買い物枠をカレンダーに入れる
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特別費用の別枠(別口座でも封筒でも)を作る
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投資アプリを開く日を月1回に決める
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日曜30分の整える時間を確保する
この5つだけでも、振り回される感覚はかなり減ります。
まとめ:振り回されない仕組みは“派手じゃない”
時間とお金は、別々に管理すると難しく感じます。でも本質は同じで、枠を作り、優先順位を決め、できるだけ自動化するだけ。私のような50代平社員でも、これなら続けられました。
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まずはA4一枚で棚卸し(時間×お金を同時に)
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時間は「朝15分」「週1枠」「細切れをやめる」
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お金は「固定費年1回」「特別費の別枠」「投資は自動化」
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余白(バッファ)こそが安心の正体
もし今、忙しさと支出に追われているなら、節約術や投資術を追加する前に、まず“枠”を作るところから始めてみてください。私はそれで、ようやく振り回されなくなりました。
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