投資で儲けても自慢はしない方がいい
投資をしていると、株価の上昇や思いがけない利益が出ることがあります。そんなとき、つい周囲に話したくなるものです。しかし、少しの利益で自慢話をしてしまうのは避けた方が無難です。なぜなら、それは単なる偶然の産物であることが多く、むしろ自分の浅はかさをさらすことになりかねないからです。
私自身、株や投資信託でプラスになったときに気持ちが高揚して、人に話したくなった経験があります。しかし振り返ると、それは一時的な相場環境による結果にすぎず、投資の実力とは関係ありませんでした。
短期の成功は再現性がない
株式投資やFXでは、運良く利益が出ることがあります。しかし少数銘柄を短期で当てて儲けた話は、パチンコや競馬で勝ったことを自慢しているのと大差ありません。
株価は誰にも予測できません。プロの機関投資家ですら失敗するのです。少数銘柄の値上がり益を誇るのは投資というより投機であり、投資の本質を理解していないと見られてしまいます。
本来の投資は「長期・分散・低コスト」による積み上げです。短期的な成功体験を誇っても、将来の成果には結びつきません。
自分を「天才」と勘違いしない
歴史的に見ても、アンネ・シャイバーやロナルド・リードのように長期投資で資産を築いた人は存在します。しかし彼らですら、派手な自慢話を残してはいません。
一方、少額の成功で「自分は天才だ」と思い込んでしまうと危険です。冷静さを欠いた投資判断につながり、大きな損失を招く可能性があります。
投資は謙虚さが不可欠です。うまくいったときほど、「これは偶然の結果にすぎない」と考えることが、自分を守ることになります。
他人の自慢話に惑わされない
自分が自慢しないことと同じくらい重要なのは、他人の投資自慢に惑わされないことです。儲かった人の話を聞くと、その理論が正しく聞こえてしまいます。
しかし、その人の成功は投資環境やタイミングに依存しており、同じことを真似しても再現するのはほぼ不可能です。上げ相場では誰でも利益を得やすく、後から「自分の理論が正しかった」と語る人が多いのです。
2025年の今はSNSやYouTubeで投資インフルエンサーが増え、過去の成績を誇る投稿も氾濫しています。情報収集は参考になりますが、「自分にそのまま当てはまるわけではない」と割り切ることが大切です。
金融機関の営業マンには要注意
他人の意見で最も危険なのは、金融機関の営業マンです。特に銀行窓口で勧められる投資信託や外貨建て保険は要注意です。
営業マンは顧客の利益よりも自社や自分の成績を優先します。そのため、手数料の高い商品を勧めてくるのが自然な流れです。実際、金融庁も高齢者への外貨保険販売を問題視しました。
本当に投資で利益が出る商品なら、彼ら自身が購入して会社を辞めているはずです。常識的に考えれば「儲け話を持ってくる他人はいない」と理解できます。
友人や知人の勧めも危険
友人から「この株はこれから上がる」といった情報をもらうことがあります。悪意はなくても、その人が信じているだけで根拠が薄い場合が多いのです。
特に仮想通貨やAI関連株など「話題性の高い投資商品」は注意が必要です。遅れまいとして参入すると、ピークで掴まされてしまいがちです。
投資の判断基準は「自分の投資方針と合っているかどうか」。他人の熱量に流されて資金を投じるのは危険です。
自慢話が招く心理的リスク
投資の自慢話には、もう一つ大きなリスクがあります。それは「心の油断」を生むことです。儲かったことを話してしまうと、次も勝たなければならないというプレッシャーに変わります。
また、他人に成果を話してしまうと「もっと儲けているはず」と期待され、それを裏切らないように無理をしてしまう場合もあります。投資は本来マイペースでやるもの。他人の視線を気にして方針を歪めるのは本末転倒です。
他人に話すなら「失敗談」
もしどうしても投資の話をしたいなら、成功談より失敗談を語る方が建設的です。人は失敗から学ぶことが多く、リアルな経験談ほど役立ちます。
私自身も過去に個別株で大きな損をした経験があり、その話をすると意外に相手の反応が良いのです。自慢よりも「こんな失敗は避けた方がいい」という警告の方が、結果的に信頼を得られると感じています。
投資で守るべき鉄則
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自慢はしない:短期的な利益は偶然。自分の実力と錯覚しない。
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他人に惑わされない:成功者の理論も再現は困難。SNSや営業トークは話半分で聞く。
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自分の投資方針を貫く:「長期・分散・低コスト」を守れば、余計な失敗を避けられる。
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冷静さを保つ:成果を語らないことで、余計なプレッシャーを抱えない。
投資の本質は「再現性のある仕組み」を続けることです。インデックスファンドにコツコツ投資するほうが、他人の自慢話に振り回されるよりよほど確実です。
まとめ:自慢よりも愚直さが成果につながる
投資で得た利益を他人に自慢しても、自分にも周囲にも何のプラスもありません。むしろ冷静さを失い、判断を誤る原因になります。
2025年の投資環境は情報過多です。他人の儲け話は氾濫していますが、それらに流される必要はありません。
私自身も「他人の話に惑わされず、自分の投資方針を貫くこと」が一番だと実感しています。最終的に老後の安心をもたらすのは、派手な成功談ではなく、地道な積み重ねなのです。
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