アベノミクスの経済政策により政権交代から株価は右肩上がりとなり景気は好景気となりました。世間の声は実感の伴わない好景気と言われています。大きな原因は中間層の可処分所得が上がっていないので好景気と言っても生活は苦しいままというのが実感のようです。安倍政権の経済政策は中間層にとっては効果がない感じでしたが、富裕層と低所得者層には一定の効果はあったのではないでしょうか。富裕層は株価の上昇と不動産価格が上昇したので保有資産価値の上がりました。また、低所得層にとっては人手不足による人件費の高騰で収入の増加をもたらしました。なので一定程度の効果をもたらしたと思います。
しかし、低所得層の給料が上がる一方で物価も少しずつ上がっているので大きな実感は受けていないかもしれません。また、アルバイトなどの平均時給の上昇からコンビニやスーパーなどのアルバイトやパートタイマーに頼ったビジネスモデルの企業は相当に経営が苦しいようです。今までの時給では人が集まらなくなっています。
アルバイトの平均時給は、ここ数年の間、上がり続けており、昨年は全国平均が1,000円を超え1,052円となりました。首都圏の関東では1,117円となり東海が1,066円で、関西は1,037円、九州は918円、北海道は899円となりました。しかし、もともとアルバイト頼りのビジネスであるファミレスやファストフードなどの飲食系は990円となっており平均を下回っています。
ひと昔前では考えられないぐらいの時給になっています。1,000円以上の時給というのは少なく深夜バイトなどでは1,000円以上がチラホラあるぐらいでした。昼間なら800円代が支流で良くても950円とかです。しかし、今ではそんな時給では誰も応募してきません。
労働者にとっては給料が増えることはいいことですが、一方店舗や会社を経営する立場からすると相当な悩みのタネになります。人件費のコストが上がるということはそれだけコストの増加につながります。今まで以上の生産性を確保できなければ店舗や会社が立ちいかなくなってしまいます。
しかも、政府は最低時給を1,000円にしようとしています。なので、今後は人件費が下がることはなくむしろ上がる方向に世の中が動くことにになるでしょう。そんな中で経営者の人たちは人件費削減を考え始めています。コンビニ大手ローソンなどではプチローソンとしてオフィス用に無人コンビニの設置を進めています。セルフ式のレジで電子決済のみのサービスのため人は品物の補充を行うだけになります。スーパーなどでもセルフレジや清算だけをセルフにした精算スタイルがだいぶ定着してきました。
時給を上げるのは一見いいことのように見えますが、単純労働がどんどんと機械化が進むようになります。今まで設備投資にお金をかけるより人手でやった方が安かったのが人件費の高騰で設備投資の方に流れてしまいます。機械化は必要労働の総数を減らしていきます。なので、人件費は上がるが労働の機会を失います。政府は企業側に福祉的な役割を担わせようとして最低時給や給料を上げるように働きかけます。しかし、給料を払うにも原資が必要です。今は大企業でない限りギリギリの経営を強いられていたりします。なので、最低時給を上げると支払うだけの原資がないだけにアルバイトを雇いたくても雇えない状況になっていきます。経営効率化を狙って機械化を進められる企業と機械化が出来なくアルバイトも雇うことができない企業とが出てきて、最終的に失業率を上げる結果を招くかも知れません。
もともと最低時給が低すぎてフルタイムで働くより生活保護を受けた方が良い生活が出来るという矛盾がありました。今まで低所得者層の労働収入があまりにも低かったことも事実です。なので、一定程度の時給や収入を上げることは重要ですが、もっと景気を良くしてデフレから脱却できてから行うのは良いと思いますが、実体経済と乖離したかたちで給料を上げると逆に労働者を苦しめる結果をもたらします。いつの時代も資本家や経営者階層が強いのです。労働者は搾取される身分のため、あまり無茶な要求を突き付けると経済全体が上手く回らなくなります。
しかし、現実に機械化が進みキャッシュレス化も進むと買い物の決算手段が大幅に効率化されます。かつて駅で切符を切っていた駅員さんが消えたようにレジ労働もいずれなくなることでしょう。労働がどんどん変わりなくなっていく職業が増えて行くと労働自体が少なくなっていくので労働者階級の人の生活が苦しくなっていきます。なので、早めに労働者階級から抜け出す努力をしていく必要があります。少しでもいいので株式投資などを始めて投資家になっていくの一つの手です。機械化で効率化が進み企業が潤っても、その企業の株を持っていれば立派な資本家です。自分が損をすることにならないので早く企業に投資することをおすすめします。