雑記

残り時間をお金より大事にする|50代平社員の選択

50代になってから、仕事も家計も「だいたいの勝ち筋」が見えてきました。私は役職なしの平社員。賃貸暮らしで、妻はパート勤務。子どもは高校3年と中学2年で、教育費はまさに山場です。それでも投資は「長期・分散・低コスト」を軸に、新NISA中心で続けてきました。

資産はありがたいことに積み上がりましたが、ある日ふと気づいたんです。お金は増えても、時間は増えない。むしろ、残り時間の方が先に目減りしていく——。今回は、私が「お金より時間を大事にする」方向へ舵を切った理由と、具体的にやめたこと・続けたことをまとめます。

50代は「お金の不安」より「時間の不安」が勝ってくる

20代や30代は、とにかく収入を増やして貯めることが正義でした。失敗してもやり直せる時間があるからです。ところが50代は、やり直しの余白が小さくなります。体力も集中力も、若い頃と同じにはいきません。

さらに、会社の評価が上がるか下がるかよりも、家族のイベントが一気に増えます。受験、進学、部活、学校行事。親の介護もあります。これ、全部「時間」が必要です。お金で解決できることもありますが、最後は本人が動かないと進みません。

私は資産形成が進むほど、次の問いが強くなりました。
「あと何回、家族と夕飯を食べられるだろう?」
「あと何回、健康な状態で旅行に行けるだろう?」
答えが分からない以上、時間は“今この瞬間”がいちばん価値が高い。そう腹落ちしました。

それでも「お金」は必要。だから“土台”を先に固めた

誤解されたくないのですが、時間を大事にする=お金はどうでもいい、ではありません。むしろ逆で、お金の不安を小さくするほど時間を守りやすくなる。私はそのために、投資をシンプルにしました。

・新NISAはインデックス中心(低コストを最優先)
・売買回数を減らし、意思決定の回数も減らす
・生活防衛費を確保し、「相場が怖いから残業する」状態を避ける

お金の土台を整えると、時間の使い方を変える余裕が生まれます。

私がやめたこと:時間を奪う“見えないコスト”を切る

時間を大事にする、と言うと大げさですが、やったことは地味です。ポイントは「小さな無駄が積もって人生を削る」と認めることでした。

1)意味の薄い残業と“付き合いの飲み会”

残業代はありがたい。でも、疲れた頭で帰宅して、家族が寝ていると虚しくなります。私は「今日は何のために遅くまで働いたんだ?」と自問するようになりました。成果が出る残業ならやる。惰性で延びる残業は切る。線引きを決めました。

飲み会も同じです。人間関係が大事なのは分かります。でも、気を使うだけの会が増えるほど、休日の回復に時間を取られます。私は参加を減らし、その分を睡眠と家族時間に回しました。

2)相場チェックの習慣(毎日見るのをやめた)

投資を始めた頃は、株価を毎日見ていました。上がれば気分が良く、下がれば落ち込む。これ、時間以上にメンタルを削ります。結局、長期投資なら“見る回数を減らす”のが最適解でした。

今は、確認は月1回か、積立の設定確認程度。下落が来ても、ルール通り積立を継続できる仕組みにして、心の消耗を減らしています。

3)完璧主義(家計も仕事も「80点で回す」)

50代は、全部を完璧にやろうとすると確実に破綻します。家計も仕事も、80点で回す。残りの20点を「家族」「健康」「回復」に振る。これが結果的に持続します。

続けたこと:時間を守るための“仕組み化”

やめるだけだと不安が残ります。私は「続けること」を決めて、日常を仕組みで守るようにしました。

1)お金は自動化、意思決定は減らす

新NISAの積立は自動。これだけで、投資のストレスは激減します。投資で疲れてしまう人の多くは、相場よりも「判断疲れ」にやられます。私は判断を減らし、家族と自分のための判断に体力を残すようにしました。

2)家族イベントは先に予定を押さえる

仕事の予定が先に入ると、家族の予定は後回しになります。気づけば「今年も何もできなかった」になりがち。だから私は、家族のイベントを先に押さえる。旅行でも外食でも、近場の散歩でもいい。小さくても“予定化”すると実現率が上がります。

3)健康への投資(最強のタイムハック)

時間を増やす魔法はありません。でも、健康を保つと「使える時間」が増えます。私は派手なことはせず、睡眠・歩く・食べ過ぎないを優先。体調が安定すると、仕事も家族も投資も、全部が楽になります。

「時間を大事にする」は、逃げではなく戦略

50代で平社員だと、キャリアの伸びしろは大きくありません。だからこそ、残り時間の価値が上がる。私はFIREのように“働かない”ことより、働きながらでも「消耗しない形」に整える方が現実的だと感じています。

・お金の不安は、低コストの長期投資で小さくする
・時間の不安は、やめることを決めて守る
・家族と健康は、後回しにしない(予定にする)

もし今、あなたが「もっと稼がないと…」と焦っているなら、一度だけ立ち止まってみてください。お金は増える可能性があります。でも時間は、今この瞬間しか持てません。

私はこれからも投資は続けます。ただし、人生の主役はお金ではなく時間。残り時間を大事にすることが、50代の“逃げ切り戦略”の中心になりました。

お金で「時間を買う」——私はこう使った

時間を大事にすると決めてから、逆に“払う価値のある出費”がはっきりしました。節約は好きですが、すべてを削ると家族も自分も疲れます。私は次の3つだけは、罪悪感なくお金を使うようにしています。

1)家事の一部を外注する(全部じゃなくて“一部”)

我が家は妻がパート勤務ですが、それでも繁忙期はあります。子どもの行事が重なったり、私が忙しい週が続くと、家の空気がピリつく。そこで「月に1回だけ、惣菜やテイクアウトで夕飯をラクする」「休日にまとめ買いして平日を軽くする」など、部分的に負担を減らしました。

外注と言うほど大げさではありません。でも、たった数千円で“家庭内の余裕”が戻るなら、私は安いと思っています。

2)移動時間を減らすための小さな工夫

時間の浪費で大きいのが移動です。私は、用事をまとめる、遠回りの買い物をやめる、ネット注文を増やすなど、地味に整えました。節約だけを目的にすると「安い店を回る」になりがちですが、50代は“時間単価”も意識した方がいい。安さより、空いた時間で休む・家族と話す方が、後から効いてきます。

3)健康維持に必要な支出は削りすぎない

サプリや高級ジムは要りません。でも、睡眠の質を上げる寝具、歩きやすい靴、健康診断のオプションなどは「時間を増やす投資」だと思っています。体調が崩れると、休日は丸ごと消えます。時間を守るなら、ここはケチりすぎない方が結果的に得です。

50代平社員の「時間の守り方」3つのルール

私が意識しているのは、派手な自己啓発ではなく“生活の運用ルール”です。

ルール1:平日は「回復を優先」して休日を潰さない

若い頃は、平日に無理をしても週末にリカバリーできました。でも50代は、疲れが翌週まで持ち越されます。そこで私は平日に頑張りすぎない。睡眠を削らない。夜更かししてダラダラしない。

平日に回復を優先すると、休日が丸ごと使える。結果として、家族時間も増え、家計管理や投資の整理も落ち着いてできます。

ルール2:仕事の“期待値”を自分で管理する

役職なしの平社員は、放っておくと仕事が増えます。頼まれる、任される、断れない。気づけば自分の時間が消える。私は「やることの棚卸し」をして、優先順位を明確にしました。

・本当に自分がやるべき仕事か
・期限を伸ばせないか
・誰かに渡せないか
・そもそもやらなくても影響が小さい仕事ではないか

ルール3:情報の取り込みを制限する

投資も家計も、情報を集めすぎると判断が鈍ります。私はSNSや動画で「今すぐ買え」「この銘柄が熱い」系を見ないようにしました。代わりに、月1回だけ振り返りの時間を作る。そこで、積立が続いているか、生活費が膨らみすぎていないかを確認する。

情報の断捨離は、時間だけでなく心の余裕も増やします。

迷ったときの判断基準:「この選択は、未来の私を助けるか?」

残り時間を大事にする、と言っても日々迷います。私が最後に頼っているのは、たった一つの問いです。
「この選択は、未来の私(と家族)を助けるか?」

・疲れているのに残業する → 未来の私の体力を削る
・短期の利益を狙って売買する → 未来の私のメンタルを削る
・子どもの話を“あとで”にする → 未来の私の後悔を増やす

逆に、同じお金でも「未来の自分を助ける支出」なら、私は前向きに払います。これは、節約よりも大事な判断軸でした。

まとめ:50代の資産形成は「時間を守る」ことで完成する

お金は大事です。でも、50代の資産形成は“増やす”だけでは完成しません。増えた資産で、時間と心の余裕を守るところまでがセットだと思います。

私はこれからも、新NISAでコツコツ積み立てます。相場が上がっても下がっても、生活は大きく変えない。その代わり、家族と健康に使う時間だけは削らない。平社員の私にとって、これがいちばん再現性の高い戦略です。

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