50代で老後資金8,000万円を目指すには?“逃げ切りライン”の現実をシミュレーション
「FIREは無理でも、逃げ切りなら現実的かもしれない」――50代の今、私が本気でそう思うようになりました。
定年まであと10年。役職もなく、特別な収入源があるわけでもない普通のサラリーマンですが、それでも老後に向けた安心ラインとして「8,000万円」を1つの目安にしています。
老後不安という言葉はよく聞きますが、実際にいくらあれば安心なのかを具体的に考える機会は少ないものです。今回は、総資産7,000万円台の私が「あと10年で8,000万円を目指す現実的な逃げ切り戦略」を、実体験を交えながら整理してみたいと思います。
なぜ8,000万円が“逃げ切りライン”なのか
「老後2,000万円問題」という言葉が独り歩きしましたが、実際に安心して生活できる金額はその数倍が現実です。
総務省の家計調査によると、夫婦二人の平均支出は月26万円前後。仮に公的年金が月20万円程度入るとしても、毎月6万円の赤字が生じます。年間にすると約72万円。これが30年続けば2,160万円となります。そこに医療費や住居の維持費を加えると、やはり4,000〜5,000万円では足りません。
このため、年金以外に取り崩しても生活を維持できる資産として8,000万円前後が“逃げ切りライン”になると考えています。
私自身も「余裕を持って老後を過ごすならこのくらいが必要」と肌で感じています。
さらに、最近では物価上昇が続いており、5年前よりも生活コストが明らかに上がっています。電気代、食費、保険料……どれもじわじわと家計を圧迫します。
つまり、8,000万円という数字は「ぜいたくではなく、普通に暮らすための現実的な水準」になりつつあるのです。
50代から8,000万円を作る現実的な方法
8,000万円と聞くと遠く感じますが、50代からでも到達は不可能ではありません。
ここでは「年収700万円・手取り550万円前後」の一般的な家庭を想定し、3つの現実的な戦略を紹介します。※夫婦共働きを想定
① 生活費の最適化(守りを固める)
子どもの学費が終わる時期は、家計を立て直す大きなチャンスです。
私の家庭では娘が専門学校に進学し、2年間の学費負担が一段落したタイミングで、積立額を再び増やす予定です。
住宅は賃貸、無理な支出は極力カット。節約のポイントは「見栄を張らない」ことに尽きます。
この生活防衛力こそ、逃げ切りの第一歩です。
② 新NISAで非課税枠を最大活用する
2024年から始まった新NISAは、50代にとっても大きな追い風です。
つみたて投資枠と成長投資枠を組み合わせ、オルカン(全世界株)やS&P500に分散投資すれば、年3〜4%程度の安定的なリターンが期待できます。
私も毎月1万3,000円ずつの積立を継続しています。少額でも継続すれば、複利効果で確実に増えていくのがインデックス投資の強みです。
投資経験が浅い人ほど「まとまった資金を入れなければ意味がない」と考えがちですが、むしろ逆です。
50代からでも“時間”を味方につけられるのが積立投資。
一度仕組み化してしまえば、感情に左右されずに市場と付き合えます。
③ 現金比率を高めすぎない
退職金をすべて預金に入れるのは危険です。
インフレ時代では、現金だけで資産を守るのは難しい。私は、生活防衛資金は確保しつつ、残りを長期運用に回しています。
“減らさない”意識を持ちつつも、リスクを取りすぎない範囲で資産を動かすことが大切です。
現金の安心感は大きいものの、「安心=安全」ではありません。
むしろ、資産の一部を市場に置くことで、インフレや円安への“保険”になると考えています。
実例で見る「8,000万円への道筋」
では、実際にどうやって8,000万円に届くのか。
現在7,000万円台の私のケースを例に、年利3%・年間200万円の追加投資でシミュレーションしてみます。
| 想定 | 金額 | 備考 | 
|---|---|---|
| 現資産 | 7,000万円 | 2025年時点 | 
| 年利 | 3.0% | 税引後リターン想定 | 
| 年間追加投資 | 200万円 | 新NISAなど | 
| 10年後資産 | 約8,950万円 | 複利効果含む | 
もちろんこれは理想的なケースですが、年利3%という控えめな前提でも10年で約2,000万円の増加が見込めます。
投資の神様ウォーレン・バフェットも言うように、「時間を味方につけること」が最大の武器です。
焦らず、淡々と積み上げていけば、50代からでも十分間に合います。
私の目標は、60歳で8,000万円を超えた後も、取り崩しながら“資産を減らさずに生きる”こと。
そのために、運用益の一部を再投資しつつ、生活費は年金と副収入でまかなう形を想定しています。
いわば「働きながら取り崩す」という、逃げ切り型のセミリタイアです。
逃げ切り戦略で“安心老後”を作る3つの心得
- 
焦らず、減らさない 
 無理に利回りを追うよりも「資産を減らさない」ことを重視。暴落時にも動じない仕組みを作る。
- 
見栄を張らない 
 他人との比較は無意味。節約も投資も“自分のペース”を貫くことが、最終的な勝ち残り方。
- 
働けるうちは働く 
 定年後もパートや副業で月5万円でも収入があれば、心理的な安心感が全く違う。
 時間を味方につけることが、逃げ切り戦略の本質です。
まとめ:逃げ切りとは「不安を小さくしていく」こと
8,000万円という目標は、豪華な老後を目指すものではなく、心の余裕を作るためのラインです。
FIREのような非現実的な夢を追うのではなく、地道に“減らさない投資”を続けていく――。
それが私の考える「現実的な逃げ切り戦略」です。
50代になっても、まだ遅くありません。
焦らず、守りながら、少しずつ積み上げていく。
そうやって不安を1つずつ小さくしていくことが、私たち世代の本当の“逃げ切り”なのだと思います。
そして何より大切なのは、「お金よりも心の余裕」を意識すること。
資産が増えると、人は安心を感じる一方で、欲も膨らみます。
逃げ切り戦略とは、資産を増やすだけでなく、“これで十分”と思える気持ちを育てることでもあるのです。
それができれば、8,000万円という数字以上の価値を感じながら、穏やかな老後を迎えられるはずです。
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