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【資産7,200万円でも赤字?】50代から直面するお金のリアルと“3つの落とし穴”

はじめに:「資産がある=安心」は幻想?

「資産7,200万円あります」と聞けば、多くの人が「それなら老後は大丈夫でしょ」と思うでしょう。私も一時はそう信じていました。しかし現実は甘くありません。

実際、私の家計は月5万円の赤字になる月もあるのです。

この記事では、17年間インデックス投資を続けて資産を築いた50代サラリーマンの私が、なぜ「お金の不安」に直面しているのかを赤裸々に語ります。資産形成期を終えつつある今、どんな“落とし穴”が待ち構えているのか──それを共有することで、同じような悩みを持つ方の一助になればと思います。

なぜ赤字?50代のリアルな家計内訳

介護と教育、同時進行で家計を圧迫

我が家の最大の固定費は、親の介護費用と子どもの教育費です。

  • 介護施設に入所中で、月12〜15万円の負担

  • 子ども2人は高校生と中学生で、塾や模試代、進学準備費用で年間100万円超

これらは、将来の話ではありません。すでに発生している“現在進行形の支出”です。

しかも、教育費は今後さらに膨らむ可能性が高い。大学進学費用は入学金や授業料で最初の年に100万円以上かかることもあり、貯金では追いつかないスピードで資金が出ていきます。

給与は頭打ち、支出はじわじわ増加

50代になると、年収が大きく増えることはまずありません。私も例に漏れず、昇給はストップ。むしろ家族の扶養手当が減るなど、実質的な手取りは微減していくでしょう。

それに対して、支出は以下のように確実に増加:

  • 食費の高騰:特に肉・魚・乳製品は前年比で10%以上の上昇

  • 光熱費の上昇:ガス代・電気代が月1万円以上高くなることも

  • 医療費:自分や妻、親の通院費・薬代が毎月数万円

加えて、賃貸住宅に住んでいるため家賃更新料や設備の修繕費も重荷です。

「資産があるのに不安」な理由とは?

1. インフレの影響は思った以上に大きい

インフレ率が年間2〜3%で推移すると、20年後には現在の7,200万円が実質的に約5,300万円の価値しか持たなくなります。

つまり、現在の生活を維持しようとすれば、「将来は今の7割程度の暮らししかできない可能性」があるのです。

「インフレは遠い未来の話」ではなく、今この瞬間にも資産は目減りしているのです。

2. 投資資産は評価額であって“使える現金”ではない

新NISAを活用して、S&P500や全世界株式に長期投資しています。評価益もあります。しかし、それを売却して生活費に充てるとなると心理的なブレーキがかかるのです。

  • 相場が下がっているときには売りたくない

  • 為替リスク(円高)で評価益が吹き飛ぶ可能性も

  • 一度売ったらもう買い戻せないというストレス

特に老後資金の“取り崩しタイミング”は難しく、「評価額はあっても、実際には使いづらい」という矛盾に直面します。

50代が陥りがちな“3つの落とし穴”

落とし穴①:目標額にとらわれすぎる

「7,000万円あれば大丈夫」という“キリの良い数字”に安心してしまいがちですが、以下の点を見落としやすいです。

  • 公的年金は原則65歳から

  • 長寿化により、資金を使う期間が30年超に及ぶ

  • 病気や介護が長期化すると想定外の支出が必要になる

数字のゴールではなく、“生活のゴール”をどう描くかが重要です。

落とし穴②:想定外が“想定内”になる50代以降

50代に入ると、今まで“未来の話”だったものが急に現実として降りかかってきます

  • 介護の開始:突然施設探しと費用負担が始まる

  • 子どもの進学費用:想定より費用がかかる

  • 家電の寿命:冷蔵庫・洗濯機・給湯器など一斉に壊れる時期

「そんなことある?」と思っていた事態が、実際に自分の身に起こります。

落とし穴③:資産を減らしたくないという“心理的抵抗”

これが最も厄介な落とし穴です。

  • 投資信託を取り崩すことに恐怖を感じる

  • 節約を続けすぎて「お金を使うこと」に罪悪感

  • 将来の医療費・介護費用が心配で、今使えない

このようなメンタルのブレーキが、「お金があるのに生活が苦しい」という矛盾を生みます。

「赤字でも安心できる家計」への転換方法

対策①:現金クッションの確保で安心感を得る

投資とは別に、生活費の3カ月分は現金で確保しておくと安心です。

  • 銀行口座に常に100万〜150万円を保持

  • いざというときはこの現金で対応できる

これにより「暴落しても売らなくて済む」余裕が生まれ、精神的安定にもつながります。

対策②:支出の棚卸しは“年1回”が理想

具体的には以下をチェック:

  • 保険の見直し(不要な特約や掛け捨て)

  • 通信費(格安SIM・光回線の料金比較)

  • サブスク(音楽・動画・雑誌など本当に使っているか)

さらに、奨学金や教育支援制度の情報も定期的に調べることが重要です。

対策③:FIREではなく「逃げ切り型セミリタイア」を目指す

完全リタイアは現実的ではないからこそ、「60代後半まで働く前提」で設計する方が安心です。

  • 配当収入(月2万円程度)を積み上げ中

  • 将来は在宅ワークやシニア雇用も検討

完全リタイアより「細く長く働く」方が精神的にも安定します。

まとめ:お金の不安は「額」ではなく「使い方」と「習慣」から生まれる

資産があるから安心できる──とは限りません。

  • 7,200万円あっても、毎月赤字になる可能性は十分にある

  • インフレや教育・介護など、支出は予測を超えてくる

  • 資産を守る“メンタルの壁”が、自らを不自由にすることもある

だからこそ、これからは「どう資産を使うか」、そして「働き方・生活スタイルをどう変えるか」が問われる時代です。

今後も私は、数字では測れない「安心」を求めて、使いながら守る投資と生活設計を続けていきます。

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