投資

暴落が来たら何をする?50代の行動ルール

暴落は、投資を続けている限り「いつか必ず来るイベント」だと思っています。問題は、暴落そのものよりも“暴落のときに自分が何をしてしまうか”です。私は50代の平社員。妻はパート勤務で、子どもは高校3年生と中学2年生。教育費が重い時期でも、長期・分散・低コストを軸に新NISA中心で資産形成を続けてきました。

だからこそ、暴落局面では「気合い」ではなく、事前に決めた行動ルールに沿って淡々と動くようにしています。この記事では、私が実際にメモしている“暴落時の行動ルール”を、なるべく再現しやすい形でまとめます。

まず大前提:暴落は「想定内」にしておく

暴落が怖いのは、心構えより先に生活が崩れるからです。暴落のときにやってはいけないのは、生活費まで投資に回してしまい、下がった瞬間に売らざるを得ない状況を作ること。これは年齢に関係なく危険ですが、50代は取り返しの時間が20代より短いので、さらに致命傷になります。

私が意識している前提は3つです。

・生活防衛資金(現金)は別枠で確保する
・新NISAは「売らない前提」の長期枠として扱う
・株は上がることも下がることも“普通にある”と割り切る

ここが曖昧だと、暴落が来たときに判断がブレて、最も高い授業料(狼狽売り)を払うことになります。

私の「暴落定義」を決めておく

人によって“暴落”の感じ方が違います。そこで私は、ざっくり次のように定義しています。

・下落10%:調整(ニュースを見過ぎない)
・下落20%:弱気相場(買い増しを検討)
・下落30%以上:本格的な危機(生活と資金繰りを最優先)

この「言葉の整理」だけで、SNSの空気に飲まれにくくなります。

暴落が来たら最初にやること:売らないための確認

暴落時の最初の仕事は、売買ではありません。「自分の家計が持つか」を確認することです。やることは3つだけ。

①1年分の支出が回るかチェック

まず、現金と預金で1年分の支出が回るかを確認します。ここがOKなら、相場がどれだけ荒れても“売らない自由”を持てます。もし不足しているなら、買い増しどころではなく、支出の見直しと現金の積み増しが先です。

②直近1〜2年の大きな支出予定を棚卸し

50代は、教育費・車・家電の買い替えなど、まとまった支出が連発します。暴落時に焦るのは「来年の学費が…」みたいな現実があるから。私は暴落が来たら、カレンダーと家計簿を見て、1〜2年の大型出費を洗い出します。

③投資目的を読み返す

意外と効きます。暴落が来ると「なんで投資してたんだっけ?」が揺らぎます。私は“逃げ切り戦略=老後の安心”が目的。FIREのような派手さは狙わない。だから暴落でも、目的が変わらないなら、行動も大きく変える必要はないと自分に言い聞かせます。

暴落時の行動ルール:私が守る7つの手順

ここからが本題です。私は暴落時の行動を、あらかじめ7つに固定しています。

ルール1:24時間は何もしない(注文しない)

暴落の初動は感情が最高潮です。私は「まず寝る」を最優先にしています。相場は明日も開きますが、判断力は一度落ちると戻りません。特に50代は、仕事のストレスも重なりやすいので、冷静さが命です。

ルール2:積立は原則止めない(例外は家計が崩れる時だけ)

積立の最大の強みは、暴落時に自動で“安く買う”ことです。怖い局面ほど、ルールを外すと後悔します。例外は、現金が足りず生活が危ういとき。ここだけは投資より生活を守ります。

ルール3:個別株やレバ商品は触らない

暴落時は「一発逆転したい」気持ちが出ます。ここが落とし穴。私はレバレッジ商品や短期勝負の個別株に手を出しません。理由はシンプルで、うまくいっても再現性が低く、失敗したときのダメージが大きすぎるからです。

ルール4:買い増しは“現金の余力”で段階的に

買い増しをするなら、いきなり全力ではなく、段階を決めます。例えば、
・下落20%で追加の一部
・下落30%で残りの一部
のように分ける。相場の底は誰にも読めないので、分割して「外しても致命傷にならない」形にします。

ルール5:リバランスは年1回の枠内で淡々と

暴落で株比率が下がったら、リバランスが有効な場面もあります。ただし、頻繁にやると結局は相場を当てにいく行為に近づく。私は年1回の点検に寄せ、必要なら「株が下がったから株を少し戻す」程度に抑えます。

ルール6:情報源を絞る(SNS断ち)

暴落局面のSNSは、恐怖と煽りと自慢が混ざります。私はニュースを見る時間を決めて、あとは見ない。投資はメンタル競技になりがちですが、情報の浴び過ぎで自滅する人が本当に多いと思います。

ルール7:「売る順番」だけは決めておく

万が一、現金が必要になって売るときの優先順位は決めています。新NISAの枠は“将来の非課税メリット”そのものなので、簡単に崩さない。売るとしても、まずは課税口座の中で整理しやすいものから。損益通算などの制度は課税口座でしか使えないので、ここは冷静に考えるポイントです。

暴落でやりがちな失敗:50代ほど痛い3つ

暴落で失敗するパターンは、意外と同じです。

失敗1:下がったら売って、上がったら買う

言葉にすると変ですが、現実に起きます。恐怖で売って、落ち着いた頃に買い直す。結果的に「安く売って高く買う」ことになりがちです。

失敗2:現金がないのに買い増しする

“チャンス”という言葉は魅力的です。でも、家計がギリギリの状態で買い増しすると、次の出費で売らざるを得なくなります。50代は教育費や親のことも出てくるので、現金の余力が正義です。

失敗3:リスク許容度を過大評価していたと気づく

平常時は「下がっても耐えられる」と思う。でも本当に下がると、夜眠れなくなる。これは恥ではなく、現実です。私は「耐えられる上限」を自分で低めに見積もるようにしています。背伸びしないほうが、長期では勝ちやすい。

私が暴落時に“見直す”のは投資より家計

暴落が来たとき、私は投資戦略の微調整よりも、家計の見直しをします。具体的には、
・固定費(通信、サブスク、保険)を削れるか
・外食や嗜好品の頻度を落とせるか
・買い替え予定を後ろ倒しできるか
をチェックします。

暴落時に支出を少し抑えられると、精神的にも「売らなくていい」状態が作れます。投資の正解を探すより、家計のブレを減らすほうが、50代には効きます。

具体例:私が「積立額を落としてでも続けた」理由

実は私も、いつも強気で積み立てられていたわけではありません。50代に入ってから家計の支出が増え、2024年以降は積立額を月3万円台から月1万円台に落とした時期があります(オルカンとS&P500を少額で継続)。「こんな金額で意味あるのかな」と思ったこともありますが、暴落局面ほど“続いている状態”が効いてきます。

積立を完全に止めてしまうと、再開のハードルが上がります。逆に、金額を落としてでも継続していれば、相場が荒れても習慣が残る。私はこの“習慣の維持”を、暴落対策のひとつだと思っています。

暴落時チェックリスト(コピペ用)

最後に、私がスマホのメモに入れているチェックリストを載せます。暴落時は頭が回らないので、読み上げるだけでOKの形にしています。

①家計・現金

・現金で1年回る?(YES/NO)
・1〜2年の大型支出は?(学費、家電、車検など)
・固定費を減らせる項目はある?(通信、サブスク、保険)

②投資行動

・今日は注文しない(24時間ルール)
・積立は継続(生活が危うい場合のみ一時停止)
・買い増しは分割(下落率で段階)
・レバ商品、短期勝負は触らない

③情報・メンタル

・SNSは見ない(見るなら時間を決める)
・ポートフォリオ確認は週1回まで
・投資目的(老後の安心)を読み返す

この程度でも、ルールがあると“やらかし”は減ります。

新NISAで気をつけたいポイント:損失はなかったことにならない

新NISAは非課税が魅力ですが、逆に言うと、損が出ても課税口座のように損益通算などに使えません。だから私は、新NISAを「売買で立て直す場所」ではなく、「積み上げて放置する場所」と割り切っています。

暴落時に焦って売買回数を増やすほど、制度のメリットを自分から捨てにいく形になりがちです。50代の私たちは、取り返すための勝負よりも、制度の恩恵を確実に受け取る動きのほうが、結果的にラクだと思います。

まとめ:暴落の正体は「相場」より「自分の感情」

暴落は避けられません。でも、暴落で資産形成が終わるわけでもありません。終わるのは、感情でルールを破ったときです。

私の結論はシンプルです。
・売らないために、まず家計と現金を確認する
・積立は原則継続、買い増しは分割
・情報を絞って、年1回の点検で淡々と進める

50代は、リスクを取り過ぎる必要はありません。勝ちに行くより、退場しないこと。これが“逃げ切り”の一番の近道だと、私は思っています。

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