投資

1億総金持ち時代が来た…のに、なぜ生活は苦しいのか?

日本は本当に「1億総金持ち時代」なのか?

最近、「日本は1億総金持ち時代に入った」なんて言葉を見かけます。言い回しが強いので、ついクリックしたくなるやつですね。

たしかに、数字だけを見ると本当に“金持ち国家”です。日銀の資金循環統計(2025年7-9月期)では、2025年9月末時点の家計の金融資産が2,286兆円と過去最高を更新しました。株高と円安の追い風もあり、前年比で約4.9%増という勢いです。

でも、ここでモヤっとする人が多いはず。

「金融資産がそんなに増えてるなら、なんで生活は苦しいままなの?」
「給料は上がった気がしないし、スーパーの値札は上がる一方…」

僕も50代サラリーマンとして、まさに同じことを感じています。
なので今回は、“1億総金持ち時代”という言葉の裏側を、できるだけ分かりやすく整理してみます。

家計金融資産2,286兆円の中身:増えた理由は「給料」じゃない

まず大前提として、家計金融資産が増えた理由は「みんなの収入が爆増したから」ではありません。

主な要因はこの2つです。

  • お金が入ってきた(貯蓄・積立などの資金流入)

  • 持っている資産の値段が上がった(株高・円安などの“時価変動”)

実際、分析では株価上昇による時価変動が資産増加に大きく寄与したとされています。

そして内訳を見ると、いまの日本の特徴もハッキリします。

  • 現金・預金:1,122兆円

  • 株式等:317兆円

  • 投資信託:153兆円

さらに注目なのが、現金・預金の比率が49.1%まで低下し、約18年ぶりに5割を割り込んだ点です。

「貯金が正義」だった空気が、じわじわ変わってきた。
これが“いま”のリアルだと思います。

なのに苦しい理由①:平均では豊か、中央値では現実的

ここからが本題です。

1億総金持ちっぽく見える最大の理由は、「総額」や「平均」の数字が強すぎるからです。
でも実際の家計の感覚に近いのは、平均ではなく“中央値”です。

J-FLEC(金融経済教育推進機構)の調査(2024年・単身世帯調査)では、金融資産保有額の中央値は100万円とされています。

中央値とは、真ん中の世帯の数字。
つまり、単身世帯だと「半分の人は100万円未満」ということになります。

もちろん世帯構成や年齢でも変わりますが、ここが重要で、
“資産が増えている”のは事実でも、“全員が増えている”わけではないんですよね。

なのに苦しい理由②:インフレで「現金」が目減りする

家計資産の多くは、まだ現金・預金です。
日本は世界的に見ても、現金比率が高い国と言われます。

ところがインフレになると、この現金がジワジワ削られます。

例えば、毎月の食費や電気代が上がると「生活の防御力」が落ちます。
資産が増えた人でも、“毎月の支出”が増えれば体感は苦しいまま。

これが「数字は増えてるのに、豊かになった気がしない」正体だと思います。

なのに苦しい理由③:投資している人ほど増えやすい構造

もうひとつ、見逃せないのが“投資格差”です。

株式や投信は、株高の局面で増えやすい。
つまり、すでに投資していた人ほど資産が増えやすい構造になっています。

ここで大事なのは、投資が悪いとか良いとかの話ではなく、
「やった人が増えやすいゲーム」になっている、という事実です。

これが進むほど、「1億総金持ち」っぽいニュースは増えるけど、
生活が苦しい人も同時に増える…という、ちょっと歪な状態になります。

「1億円持ってる人」は増えている。でも“全員”ではない

ここもハッキリさせておきたいところです。

野村総合研究所の推計(2023年ベース)では、
純金融資産が1億円以上の「富裕層」と5億円以上の「超富裕層」を合わせて約165万世帯、資産総額は約469兆円とされています。

増えてます。間違いなく増えてます。
ただ、これは「日本中が1億円」ではなく、
“そういう層が過去最多になった”という話。

「一部が増えた」→「日本は金持ち」→「自分も金持ちのはず」
この誤解が、現実とのギャップを生みやすいんですよね。

1億総金持ち時代に置いていかれない「現実的な戦略」

ここからは、じゃあどう動く?の話です。
僕の結論はシンプルで、普通の人が勝ちやすいのはこれです。

1)生活防衛資金を“先に”確保する

インフレだから投資!…と焦ると、だいたい事故ります。
まずは生活防衛資金(生活費の半年〜1年など)を確保。
これは精神安定剤みたいなものです。

2)新NISAは「長期・分散・積立」が最適解

勝ちにいかない。淡々と続ける。
結局これが一番強いです。

特に、銘柄選びで悩む時間はもったいないので、
インデックス中心の積立が相性いい人が多いと思います。

3)投資より先に固定費を削る

これは地味だけど、効きます。

  • 保険の見直し

  • 通信費の見直し

  • サブスク整理

  • 車関連コストの最適化

投資の利回りはブレますが、固定費削減は確実です。

4)50代は“守り多め”でいい

若い頃みたいに、取り返す時間が長くない。
だから、無理はしない。

ただし、何もしないとインフレに負ける。
ここはバランスが大事で、僕は「守り7:攻め3」くらいがラクだと感じています。

5)積立額は“続けられる金額”が正義

SNSを見ると「満額が正解!」みたいな空気がありますが、
家計が苦しい時に無理する必要はないです。

月1万円でも続けるほうが、途中でゼロに戻すより強い。
結局、資産形成は“継続力ゲーム”です。

よくある勘違い:ニュースの“金持ち感”を自分に当てはめない

「家計資産が過去最高」みたいなニュースって、読んでいて気持ちいい反面、危険でもあります。
なぜなら、次の3つをセットで見ないと判断を誤るからです。

勘違い1)“日本全体”が増えた=“自分の家計”も増えた

これは別物です。株式や投信を持っていない場合、資産増の恩恵は薄い。
むしろ物価上昇だけを受けて「前より苦しい」も普通に起こります。

勘違い2)資産が増えた=使っていいお金が増えた

資産が増えると、気が緩んで支出も膨らみがちです。
ここで生活コストを上げると、相場が逆風になった時に一気に不安が戻ります。
僕は「生活レベルは上げない」を意識するようにしています。

勘違い3)新NISAは“今すぐ満額”が正解

満額が悪いわけじゃないけど、正解は人それぞれ。
家計がしんどい時期に無理をすると、いちばん大事な“継続”が途切れます。
積立投資は短距離走ではなくマラソンです。

まとめ:金持ち国家の時代ほど「自分の軸」が必要になる

家計金融資産2,286兆円――この数字は本物です。
日本はたしかに豊かになっています。

でも同時に、

  • 平均と中央値のギャップ

  • インフレによる生活負担

  • 投資の有無で広がる差

この3点で、体感は人によってまったく違う国になりました。

だからこそ、1億総金持ち時代に必要なのは、
「世の中の数字」に振り回されないこと。

生活防衛資金を持ちつつ、長期・分散・積立で淡々と進める。
派手さはないけど、これがいちばん再現性が高いと思います。

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