投資

50代の資産“合格ライン”は?中央値で現実チェック|焦らない目安と伸ばし方

「50代の資産って、いくらあれば“合格”なんだろう」——私は50代の平社員ですが、これが地味に刺さります。会社でも、昇給は鈍いのに物価は上がる。子どもの教育費も重なる。そんな中でSNSを開くと「50代で金融資産3,000万」「もうすぐ1億」といった投稿が流れてきて、心がザワつく。
でも、よく考えると、あれは“上澄みの話”が目に入りやすいだけ。だったら、感覚や自慢話ではなく、統計の「中央値」で現実を見て、自分なりの合格ラインを引いてしまうのが一番ラクです。

まずは「資産」の定義をそろえる(この記事は金融資産の話)

今回使うのは、家計の実態を聞いた「家計の金融行動に関する世論調査」の“金融資産”です。金融資産は「運用のため、または将来に備えて蓄えている部分」とされ、事業用の資産や土地・住宅などの実物資産、そして日常の出し入れに備えるお金は除く——という定義で調査票に明記されています。
つまり、持ち家の評価額や車などは入らないし、家計口座の“生活費待機分”も含まれません。あくまで「将来に備えて残している預貯金・保険・有価証券など」の話だと思ってください。

なぜ平均ではなく“中央値”が効くのか

資産の話は、平均を見るとだいたいメンタルがやられます。理由はシンプルで、資産分布は“右に長い”から。ごく一部の富裕層が平均を押し上げます。
一方で中央値は「真ん中」。半分の人はそれ以下、半分の人はそれ以上です。現実の立ち位置チェックには、中央値のほうがずっと役に立ちます。特に50代は、家計イベント(教育費、親のこと、転勤、健康など)が重なりやすく、資産のばらつきが大きい年代。だからこそ中央値が効きます。

50代の資産中央値はいくら?(結論:思ったより低い)

直近で年齢別の集計が確認できる「令和5年(2023年) 家計の金融行動に関する世論調査」の各種分類別データから、50代の中央値を抜き出します(単位:万円、出典は記事末にまとめています)。ここでは分かりやすく、まず「金融資産を保有していない世帯(0円)も含む」数字を使います。

・二人以上世帯:中央値300(平均1,147)
・単身世帯:中央値80(平均1,391)

見てほしいのは、平均と中央値の差です。50代単身は、平均が1,391万円もあるのに、中央値は80万円。つまり「半分の人は80万円以下」ということ。SNSの“1,000万が当たり前”みたいな空気は、統計的にはかなりズレています。

もう少し現実を言うと、私の周りでも「投資は怖いからゼロ」「貯金はあるけど教育費で消える」「退職金が出たら考える」という人は普通にいます。だから、中央値が低く出るのは不思議ではありません。

「合格ライン」を決めるなら2段階がおすすめ

ここからが本題です。私は“合格ライン”を1本に決めず、2段階に分けるのがしっくり来ました。理由は、50代は「守り」と「伸ばし」が同時進行だからです。

合格ライン①:0を含む中央値を超える(まずは安心ライン)

まずは「全体の中央値」を超えること。50代なら、二人以上世帯で300万円、単身で80万円。ここを超えたら“少なくとも下位半分は抜けた”と言えます。
このラインのいいところは、家計が厳しい年でもブレにくいこと。私自身、家計がきつい時期に積立額を落としたことがあります。そんなときでも「中央値は超えている」と分かるだけで、無理な取り返し行動(焦ってリスクを上げる)を防げました。

合格ライン②:保有世帯の中央値に乗せる(継続できている層の真ん中)

次は「金融資産を保有している世帯だけ」に絞った中央値です。こちらは“貯める・運用する”を継続できている層の真ん中、というイメージです。

・二人以上世帯(保有世帯):中央値745(平均1,611)
・単身世帯(保有世帯):中央値555(平均2,288)

ここまで来ると、資産形成のエンジンがかかり始める感じがします。新NISAの積立を続けやすくなり、暴落が来ても「売らない設計」を作りやすい。私は総資産8,000万円台ですが、ここに至るまでにやったことは派手ではなく、結局は「長期・分散・低コスト」をやめなかっただけでした。

じゃあ自分の資産はどう数える?(迷う人向けの手順)

調査の定義は理解しつつ、自分の“家計の現実”を知るには、次の順で棚卸しすると迷いません。

1)生活防衛資金(現金・普通預金のうち生活費3か月分以上)
2)将来用の預貯金(定期・貯蓄用口座など)
3)投資(つみたて投資枠・成長投資枠、投信・株)
4)保険(解約返戻金があるものだけ。掛け捨てはゼロでOK)
5)確定拠出年金(iDeCoや企業型DCの残高)

ここまで足して「金融資産っぽい総額」を出し、上の中央値と比べる。私はまずこれで“現在地”を見ます。次に、今後1〜3年で確実に出る大型支出(教育費、車の買い替え、引っ越しなど)があれば、見込み分を差し引いて“実質”も作る。50代はこの「実質」を見ないと、数字だけで安心して油断しがちです。

50代が中央値から伸ばす現実戦略(私の結論は3つ)

中央値を見て安心したら、次は伸ばし方。私は“効いた順”に3つだけ守っています。

1)生活防衛資金を先に確保する
私は生活費の3か月分以上を現金で持つことを意識しています。これがあると、相場が荒れても売らずに済む。投資の最大の敵は、暴落ではなく「生活が回らずに売ること」だと思っています。

2)投資は「最大化」より「継続」を優先する
50代は入金力が上がりにくい。だから、積立額は“家計が続くサイズ”に合わせるのが正解です。私も家計の支出が増えた時期は、積立額を落として調整しました。減らすのは負けではなく、退場しないための作戦です。

3)レバレッジ・信用取引に手を出さない
中央値を超えた後に崩れる人は、だいたい「取り返し」に走ります。短期で増やそうとすると、たまたま当たった成功体験が次の大失敗を呼ぶ。私はレバレッジや信用には否定的で、“負けない設計”を優先します。

それでも中央値に届かない人へ(焦らなくていい理由)

中央値はあくまで「真ん中」です。届いていない=失格ではありません。むしろ50代は、家計が一番きつい時期になりやすい。ここで無理して積立を増やして家計を壊すほうが、よほど危険です。
私が思う優先順位は「家計の黒字化→生活防衛資金→小さく積立開始」。月1万円でも、ゼロより圧倒的に前進です。新NISAは“続けた人が勝つ設計”なので、背伸びより継続を取りに行きましょう。

中央値チェックで外さないための注意点(3つ)

最後に、中央値を“使いこなす”ための注意点も置いておきます。ここを外すと、中央値を超えていても不安が消えなかったり、逆に油断したりします。

1)負債とセットで見る
金融資産だけを見て安心しても、カード残高や自動車ローンなどの負債が大きいと実態は違います。まずは「金融資産−負債」でざっくり純資産を意識するとブレません。

2)家族イベントで“凹む年”がある
50代は教育費、転職、親の介護などで一時的に資産が減ることがあります。中央値に届かない年があっても、生活防衛資金を守りながら“戻せる設計”なら十分合格です。

3)中央値はゴールではなく「現在地」
二人以上世帯の中央値300万円は、あくまで真ん中。老後の安心を作るには、ここから積み上げが必要です。だから私は、合格ライン①で焦りを止め、合格ライン②で“増やすフェーズ”に入る、という2段階にしています。

まとめ:中央値は「焦り」を止めるブレーキになる

50代の資産“合格ライン”は、他人の派手な数字ではなく、中央値で決めるとラクになります。まずは0を含む中央値(50代:二人以上300万円/単身80万円)を超える。次に保有世帯の中央値(二人以上745万円/単身555万円)を目標にする。
そして、新NISAで長期・分散・低コストを淡々と続ける。FIREみたいな夢より、「老後の安心」「逃げ切り戦略」を優先する私にとって、結局これがいちばん再現性が高いと感じています。

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