恐怖の中でこそ冷静に:バフェットの教えに学ぶ
ウォーレン・バフェット氏の有名な言葉に、「他人が貪欲なときは警戒し、他人が恐れているときは貪欲になれ」というものがあります。この言葉は、株式市場における感情と行動の関係性を象徴しています。株価が急落している今のような局面は、多くの人が恐れを抱いているタイミング。つまり、長期的視点に立てば、チャンスとも言えるのです。
とはいえ、バフェット氏が言う”貪欲”とは短期的な投機を意味しているわけではありません。彼は一貫して”企業の価値に基づいて”長期保有するスタイルを貫いており、私たち個人投資家もその点を誤解すべきではありません。
暴落時の市場環境と冷静な判断
新型コロナウイルスが猛威を振るった2020年3月、日経平均株価は16,500円台、ニューヨークダウも2万ドルを割る急落を記録しました。米国各州でのロックダウンにより経済活動が急停止し、実体経済への懸念が株式市場を直撃したのです。
当時、多くの投資家が「今が底だ」「いや、まだ下がる」と意見を交わす中で、結局どこが底値だったのかは誰にも分かりませんでした。ボーイング株などは象徴的で、2019年に440ドル台だった株価が、2020年春には95ドル近くまで暴落しました。
バフェット氏でさえも、底値を正確に予測することはできません。実際、彼はデルタ航空株を買い増しした直後、さらに値下がりしたという事実があります。
一方、2025年現在では、新型コロナウイルスによる混乱を経験したことで、多くの個人投資家が暴落時にどう行動すべきかをより意識するようになりました。市場が混乱しているときほど、冷静にリスクを判断し、過去の経験を活かすことが重要です。
投資戦略:極端な行動は避け、積み立てを継続
ここで大切なのは、「極端な行動に出ない」ことです。暴落時に全資金を投入して一気に勝負をかけるような行動は、特に投資初心者にはリスクが高すぎます。
一方で、積み立て投資を実践している方は、こうした相場でも淡々と買い続けるべきです。なぜなら、積み立て投資は時間の分散が効いており、暴落局面では自然と割安な価格で購入することができるからです。
インデックスファンドを用いた毎月一定額の積立は、長期的に見て最も効率的な資産形成法のひとつです。相場の上下に動揺することなく、規律ある投資行動を続けることが成功の鍵となります。
また、”ドルコスト平均法”は万能ではないという意見もありますが、日常の収入に合わせて自動的に投資を行うという点において、精神的な負担を軽減しつつ継続できる手段として非常に有効です。
分散投資を意識し、資産クラスや地域のバランスを見直すことも忘れてはなりません。株式だけでなく、債券、REIT(不動産投資信託)、ゴールドなども含めて分散することで、ポートフォリオ全体の安定性が高まります。
資金に余裕がある人の選択肢とリスク
投資余力が十分にある人は、暴落局面での個別株投資を検討してもよいでしょう。例えば、航空業界や旅行関連株は2020年当時、特に大きく売られていました。経営破綻のリスクもある中で、反発を狙うにはそれなりの覚悟とリスク管理が求められます。
アメリカのボーイング社は象徴的存在です。政府支援の期待もありましたが、議会の反発など不確定要素も多く、投資判断には慎重さが求められました。
したがって、このような投資を行う場合は、”最悪ゼロになっても良い”という覚悟で行う必要があります。資産のコア部分ではなく、リスクを取っても良い余剰資金での投資が前提となります。
また、短期的な値動きに乗じてトレードを行いたい場合でも、リスク許容度を明確にしておきましょう。損切りルールを事前に決めることや、ポジションサイズをコントロールすることが重要です。
まとめ:市場に振り回されず、自分のスタイルを貫こう
投資とは、ギャンブルではありません。企業の成長や経済の発展に資金を投じ、その果実を時間をかけて受け取る行為です。
コロナショックのような暴落局面は、誰にとっても不安が大きいものですが、だからこそ冷静さと規律が求められます。焦って売らない、欲張って一気に買わない。淡々と積み立てを続け、分散投資を意識し、自分の投資スタイルを守ることが、長期的な成功につながるのです。
2025年現在、経済はコロナ禍からの回復を経て、新たなステージに入っています。しかし、いつまた暴落が起きてもおかしくはありません。今のうちに、”暴落時の心構えと行動ルール”を持っておくことが、未来の自分を救うことになります。
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