投資

ドルコスト平均法はリスク低減ではない?誤解と正しい使い方を徹底解説

「ドルコスト平均法=リスクが下がる」と聞いたことはありませんか?

多くの金融機関やメディアでは、ドルコスト平均法を“初心者向け”かつ“リスクを下げる投資手法”として紹介しています。しかし、それは必ずしも正しいとは言えません。

この記事では、ドルコスト平均法の本質と誤解されがちなポイント、そして現実的な使い方までを、わかりやすく解説していきます。

ドルコスト平均法とは?基本をおさらい

まずは基本から確認しましょう。

ドルコスト平均法(DCA)とは、

「同じ投資対象を、一定の金額ずつ、定期的に買い続ける」
という投資方法です。

たとえば、毎月1万円をS&P500の投資信託に積み立てると、株価が高い月には少なく、安い月には多く買えるため、平均取得単価が平準化されます。

会社の持株会や財形貯蓄制度も、この手法を採用していることが多いですね。

ドルコスト平均法=リスク分散は誤解

「ドルコスト平均法はリスクを分散できる」と信じている人は多いかもしれません。しかし、これは半分正しくて、半分間違いです。

ドルコスト平均法は、時間を分散して投資することで“価格変動リスク”を軽減する効果はあります。しかし、それは「投資額全体のリスクが下がる」という意味ではありません。

むしろ、次のような注意点があります。

分割投資はリスク回避ではなく“リスクを遅らせている”だけ

100万円を一括で投資する場合、その瞬間に100万円のリスクを取ることになります。一方、月1万円ずつ投資する方法では、最初の月は1万円しか投資しておらず、リスクもその分しか取っていません。

このように、ドルコスト平均法は「最初から全額をリスクに晒すのではなく、時間をかけて徐々にリスクを取っていく」方法に過ぎないのです。

つまり、リスクを下げているのではなく、“取るタイミングを分散している”だけ。これを「リスクが低い」と表現してしまうと誤解が生まれます。

ドルコスト平均法には「機会損失」のリスクもある

もし株価が右肩上がりで成長していく局面だったら、分割投資をしている間にどんどん価格が上がり、割高な価格で買うことになってしまいます。

これが「機会費用の損失」と呼ばれる弊害です。

本来100万円を一括で投資していたら得られていたリターンが、分割投資を選んだことで減ってしまう可能性があります。

どちらが正解?一括投資 vs ドルコスト平均法

結局、一括投資とドルコスト平均法は「どちらが正解か」というより、

自分のリスク許容度に応じて選ぶべき方法
ということになります。

  • 一括投資:リスクも高いが、得られるリターンも大きい可能性がある

  • 分割投資(ドルコスト平均法):リスクは分散されるが、リターンは小さくなる可能性がある

重要なのは「自分が大きな価格変動に耐えられるかどうか」。もし、投資してすぐに含み損が出て不安で眠れなくなるようなら、分割投資のほうが適しているでしょう。

サラリーマンにとってドルコスト平均法は現実的な選択

ここまでで「ドルコスト平均法=万能」ではないことをお伝えしてきましたが、サラリーマンにとっては非常に理にかなった投資手法であることも事実です。

なぜなら、

  • 毎月決まった給料の中からコツコツ積み立てができる

  • 投資の習慣化がしやすい

  • 精神的な負担が小さい

というメリットがあるからです。

まとまった投資資金をすぐに用意できないサラリーマンにとっては、ドルコスト平均法は“取れるリスクの範囲内での最適解”といえるでしょう。

注意点①:積立手数料に気をつけよう

ドルコスト平均法には「毎回購入する」という特性があるため、購入手数料が発生する商品だと、積立のたびにコストがかかるというデメリットがあります。

この対策としては、購入時手数料がかからない「ノーロード型の投資信託」を選ぶのが鉄則です。

注意点②:非課税制度「つみたてNISA」を活用しよう

積立投資をするなら、つみたてNISAを利用するのが最も効率的です。

  • 年間40万円(=月33,333円)までの投資が非課税

  • 対象商品は金融庁が厳選した、低コスト・長期運用向けの商品に限定

  • 利益にかかる約20%の税金が0円に!

もし「月33,333円はキツい」と感じる方は、まずは月1万円でもOK。少しずつ節約をして、最終的に上限まで積み立てられるようにしていくのが理想です。

おすすめの投資商品:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

ドルコスト平均法による長期積立に適した商品として、多くの投資家に選ばれているのが、

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

です。信託報酬も業界最安水準で、純資産総額も大きく、運用実績にも定評があります。

楽天証券+楽天カードでポイントもお得にゲット

楽天証券で「楽天カード決済」による積立を設定すると、毎月の投資額の1%分の楽天ポイントがもらえます(上限:月50,000円)。

たとえば、月5万円をカード決済で積み立てると、年間で6,000円分のポイント還元が受けられる計算になります。

※楽天ポイント付与率は変更される可能性があるため、最新情報を公式サイトでご確認ください。

まとめ|ドルコスト平均法は「万能」ではないが、現実的で堅実な戦略

  • ドルコスト平均法はリスクをゼロにする魔法ではない

  • 一括投資と分割投資、それぞれにメリット・デメリットがある

  • サラリーマンにとっては、ドルコスト平均法は現実的な選択肢

  • 手数料・非課税制度・商品選びを工夫すれば長期で効果的

  • 投資額が少ないならまずは「つみたてNISA」からスタートを

リスクを理解し、自分に合った投資スタイルを選ぶことが、資産形成の第一歩です。

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