はじめに｜50代になると「時間」と「お金」が同時に重くなる
私は50代のサラリーマン、役職なしの平社員です。賃貸暮らしで住宅ローンはなく、専業主婦の妻と高校3年生・中学2年生の子どもがいます。一見すると落ち着いた中年サラリーマンですが、家計と時間の感覚はかなりシビアです。
教育費はピークに近づき、給料の伸びはほぼ頭打ち。仕事では責任だけ増えていく一方で、体力や集中力は20代のようにはいきません。「お金の不安」と同時に、「あと何年働けるか」という時間の不安も強くなりました。
20〜40代の頃の私は、深く考えずに流されて時間とお金を使っていました。しかし50代になってからは、「この使い方をあと10年続けたら、本当に逃げ切れるのか？」と自問するようになりました。
そこで私がまず取り組んだのは、派手な節約や副業ではなく、「やめること」と「続けること」をはっきりさせることです。この記事では、実際に見直した時間とお金の使い方を、やめたこと・続けたことに分けて紹介します。
50代になって見えてきた「時間とお金」の現実
50代になると、真っ先に感じるのは「無理が利かなくなる」という現実です。若い頃なら徹夜の残業や連日の飲み会も何とか乗り切れましたが、今は一度リズムを崩すと数日引きずります。
一方で、収入の伸びは鈍ってきます。昇給はわずかで、ボーナスも劇的には増えない。子どもの教育費や生活費は重く、入金力は20代・30代の頃より確実に落ちています。ここでようやく、「時間の使い方を変えないと、お金の使い方も変わらない」と痛感しました。
もう一つ厄介なのは、「ストレス耐性も落ちている」という点です。睡眠不足や飲み過ぎ、長時間労働は、そのままミスや体調不良につながります。これらは医療費やメンタルの不調にも直結するので、早めに見直さないと将来のコストが膨らみかねません。
だからこそ50代は、「どこに時間とお金をかけるか」を意識的に選ぶ必要があります。私はまず、効果の薄いものからやめていきました。
50代平社員がやめたこと
① ダラダラ残業と「とりあえず会社にいる」時間
かつての私は、用事がなくても周りの空気に合わせて残業していました。上司がまだいるから、同僚が残っているからという理由だけで、成果にも年収にもつながらない時間を過ごしていたのです。
50代に入ってからは、この「何となく残業」をほぼやめました。やるべき仕事を終えたら定時〜定時少し過ぎで帰ると決め、残業は本当に必要な時だけに絞りました。
その結果、
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体力の消耗が減り、翌日に疲れを持ち越しにくくなった
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子どもが起きている時間に少し会話ができる日が増えた
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家でブログを書いたり、投資や家計を見直す時間が生まれた
と、時間とお金の両方でメリットが出てきました。「長く会社にいる＝頑張っている」という発想からは、意識的に距離を置くようにしています。
② 義理の飲み会・惰性の二次会
もう一つ大きく変えたのが、飲み会との付き合い方です。以前は、忘年会や歓送迎会に加え、「お疲れさま会」「決起集会」といった名目の飲み会にも流れで参加し、二次会まで行っていました。
今は、
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会社の公式行事は一次会だけ参加
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それ以外の飲み会は、基本的に断る
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二次会には行かない
というマイルールにしています。断る時は、「家族の都合で」と正直に伝えることも多いです。
飲み会を減らしたことで、月に1〜2万円程度は浮きました。このお金は、
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月1回の家族との外食
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新NISAの積立の維持
といった、「自分が納得できる使い道」に回しています。付き合いをゼロにはしませんが、「誰と飲むか」は自分で選ぶようにしました。
③ なんとなくのコンビニ・自販機習慣
平日の行き帰りに、何となくコンビニに寄ってコーヒーやお菓子を買う。駅の自販機で缶コーヒーを買う。こうした小さな出費は、月にすると数千円、年単位では数万円になります。
そこで私は、
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平日の飲み物は水筒を持参
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コンビニは、用事がある時だけ寄る
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甘いお菓子は「週末の楽しみ」に限定
と決めました。きっちり守れているわけではありませんが、意識するだけでもかなり違います。
金額だけ見れば大したことがないようですが、「なんとなく買う癖」が減ると、他の支出にもブレーキがかかります。結果として、家計全体のムダがじわじわと減っていきました。
④ 休日の“ダラダラテレビ＆スマホ”タイム
休日に予定がないと、一日中テレビやスマホを眺めて終わってしまう。以前の私はまさにこのパターンでした。ニュースサイトやSNSを見ていると「情報収集している気分」になりますが、振り返ると何も残っていません。
今は、
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午前中は家事とブログ、投資の確認など“能動的な時間”
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午後は家族と買い物や散歩
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テレビや動画は夜の1〜2時間だけ
と、ざっくりと枠を決めています。
その分、老後資金のシミュレーションや家計の見直しに時間を使えるようになりました。少しだけ早起きして、静かな時間に1人で考え事をするのも気に入っています。
それでも続けていること・あえてお金を使うこと
やめることを決める一方で、「続けること」「あえてお金を使うこと」もはっきりさせました。ここを削りすぎると、生活が味気なくなってしまうからです。
① 家族との外食やプチ旅行
会社の飲み会は減らしましたが、家族との外食やプチ旅行にはお金を使います。といっても豪華なものではなく、近所のファミレスや日帰り温泉程度です。それでも、子どもたちがあと何年付き合ってくれるかを考えると、今の時間はとても貴重だと感じます。
義理の飲み会を一つ断れば、その分で家族4人で外食ができます。どちらに価値を感じるかを考えた結果、私は後者を選ぶようになりました。「誰と食事をするか」は、50代の時間とお金の使い方でかなり大事なポイントだと思います。
② 健康への投資
50代になると、健康はそのまま「働ける年数」と「老後の生活費」に直結します。私は高価なサプリや最新の健康グッズには手を出していませんが、
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睡眠時間を削らない
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軽い筋トレやストレッチを習慣にする
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年1回の健康診断・人間ドックをきちんと受ける
といったことには時間とお金を使うようにしています。
病気になってから医療費を払い続けるより、今のうちに生活習慣を整えた方が、長期的にはお得です。何より、「いつでも倒れそう」という状態で働き続けるのは精神的にもきついので、ここはケチらないと決めました。
③ 新NISAを中心とした長期投資
私はこれまで通り、「長期・分散・低コスト＋新NISA中心」という投資方針を続けています。50代になったからといって、レバレッジや短期売買で一発逆転を狙うつもりはありません。
具体的には、
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新NISAの成長投資枠でインデックスファンドをコツコツ積み立て
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個別株は一部の優待目的銘柄だけに限定
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信用取引やFXには手を出さない
というシンプルな形です。
飲み会やコンビニを減らして浮いたお金は、この積立に回します。劇的な派手さはありませんが、「何もしないとジワジワ目減りするお金」を「少しずつ増えるお金」に変えていくイメージです。
④ 自分の勉強時間・思考の時間
最後に、あえて残しているのが「自分の勉強時間」です。投資や家計の本を読んだり、公的データを確認したり、自分のブログで考えを整理したりする時間は、直接お金にはなりません。それでも、「間違った選択を避けるための保険」だと思って続けています。
50代で何も学ばなくなると、そのまま古い価値観に縛られます。小さな勉強を続けることで、会社の外の価値観にも触れられますし、「いざとなればこういう選択肢もある」と思えるだけで気持ちが楽になります。
やめた時間とお金を、どこに振り向けるか
ここまでを振り返ると、私がやっていることは、
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ダラダラ残業や義理の飲み会を減らす
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コンビニ習慣やムダなスマホ時間を見直す
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浮いた時間とお金を、家族・健康・長期投資・勉強に回す
というシンプルなものです。
大きく稼ぐことは難しくても、「使い方を変える」ことは今日からでもできます。特に50代は、残りの労働期間と老後の生活を同時に意識せざるをえない年代です。だからこそ、「何となく続けていること」を一度棚卸ししてみる価値があります。
私は今も、完璧にできているわけではありません。それでも、「やめたこと・続けたこと」を意識して選ぶようになってから、時間の密度もお金の納得感も少しずつ変わってきました。
同じようにモヤモヤしている50代の方がいれば、自分なりの「やめるリスト」「続けるリスト」を一度書き出してみてください。時間とお金の優先順位がはっきりすると、逃げ切りに向けた道筋も、少しずつ見えてくるはずです。
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