中高年になると「自分の将来像」が見えてくる
若い頃は、自分の将来に夢や希望を抱き、仕事に邁進するものです。
私自身も、社会に出たばかりの頃は「一生懸命働いて出世してやる!」と意気込んでいました。
しかし、現実は甘くありません。
職場には自分よりはるかに優秀な人がいて、何度も「敵わないな」と思わされました。
また、年齢を重ねるごとに、目標にすべき存在は上司ではなく、後輩や年下の同僚になっていきます。
そうして徐々に、自分の実力や限界が客観的に見えてくるのです。
「自分はどんな老後を迎えるのか?」が見える年齢に
中高年になると、定年までの働き方や役職の限界が自然と見えてきます。
この段階で、「将来の収入や支出がある程度予測できる状態」になるのは、ごく自然なことです。
一方で、この年齢になってもなお「俺は社長になる!」と本気で言っていたら、少し浮いて見えるかもしれません。
もちろん、現実にそうしたキャリアを歩む人は別ですが、大多数のサラリーマンは現実と折り合いをつけて生きています。
現実的なFIRE(早期リタイア)を考えるタイミング
将来の収入がある程度見えてくると、逆に人生全体の「使えるお金」も概算できるようになります。
このとき重要なのは、「どれだけ稼ぐか」よりも「どれだけ使わずに生きられるか」です。
人の欲には限りがない。でも支出には限界を設けられる
年間200万円で満足して暮らせる人もいれば、年間1,000万円ないと満足できない人もいます。
しかし、少ない支出でも充実した生活を送れる「自分のスタイル」を確立できれば、人生はぐっと楽になります。
これは、FIREを実現するうえでとても重要な考え方です。
👉 関連記事:[手取り20万円台でも貯められる!50代サラリーマンのリアル節約術]
50歳でFIREを目指す場合の資金シミュレーション
では、50歳で早期リタイアを目指す場合、実際にどれくらいの資金が必要なのでしょうか?
ここでは、「年間生活費200万円」で想定したリアルな試算をご紹介します。
ステップ①:年金支給前の15年間の生活費(50歳〜65歳)
-
年間200万円 × 15年間 = 3,000万円
※この期間は収入がなくなるため、全額を自己資金でまかなう必要があります。
ステップ②:年金支給後の生活費(65歳〜90歳)
仮に、年金を月8〜9万円と想定して、年間100万円の年金収入があるとします。
年間200万円の生活費を維持するには、以下のような構成になります:
-
年間生活費200万円 - 年金100万円 = 自己資金100万円
-
100万円 × 25年間(65〜90歳)= 2,500万円
必要な合計資産
-
年金支給前の生活費:3,000万円
-
年金支給後の不足分:2,500万円
-
合計:5,500万円
FIREに必要な資金は「生き方次第」で変わる
この5,500万円という数字は、あくまで「最低限の生活ができる試算」です。
実際には運用益や配当金も含めれば、もう少し少ない資産でもやりくりは可能です。
たとえば、3,000万円を年4%で運用できれば、年間120万円のリターンになります。
この場合、生活費の半分以上を資産運用でまかなえる計算になります。
ただし、市場の変動リスクや税金、健康上のリスクを考えると、「運用前提」ではなく「余裕を持った備え」が必要です。
本当に大切なのは「少ないお金で楽しく生きる力」
多くの人がFIREを「お金がある人だけの特権」と捉えがちですが、重要なのは次の2点です。
-
自分に必要な生活水準を見極めること
-
それに見合った資産計画を立てること
どれだけ稼ぐかではなく、どれだけ少なくても満足して暮らせるか。
このスキルこそが、FIREの実現を左右する最重要ポイントです。
まとめ:中高年こそ「現実的なFIRE戦略」を描こう
中高年になると、若い頃には見えなかった自分の将来像がはっきりしてきます。
そこから逆算して、自分に必要な生活費と資産をシミュレーションすれば、FIREは夢物語ではありません。
もう社長を目指すわけではない、でも少しでも自由に、自分らしい人生を送りたい。
そんな思いを持つサラリーマンにとって、「少ない支出でも満足できる生活スタイル」は、最高の資産と言えるでしょう。
早期リタイアを本気で目指すなら、まずは以下の3点を実行してみてください。
-
生活費を見直し、支出を抑える習慣をつける
-
少額からでも投資を始め、運用経験を積む
-
将来の年金と支出のバランスをシミュレーションする
人生はあっという間です。
今のうちに現実的なFIREプランを描いて、心穏やかなセカンドライフを迎えませんか?

にほんブログ村に参加してます。クリックして頂くと有り難いです。