雑記

若い頃に遭いかけたデート商法|今も通じる詐欺の手口

詐欺被害は精神的ダメージが大きい

若い頃は経験が浅いため、さまざまな失敗をするものです。その中には後で笑える失敗もありますが、詐欺被害に遭うと話は別です。経済的な損失だけでなく、精神的なダメージが長く尾を引きます。特に恋愛や人間関係を利用した詐欺は、心の傷を深くする傾向があります。

お金は稼ぎ直せても、「裏切られた」という感情は簡単には消えません。私自身も若い時に「デート商法」という詐欺に遭いかけた経験があり、今でも鮮明に覚えています。

私が遭いかけた「デート商法」体験

長期休暇中を狙う誘い

当時、ゴールデンウィーク前の日曜日、自宅にいた私のもとに突然一本の電話がかかってきました。知らない女性からの電話で、なぜか私の予定を知っているような口ぶりでした。「ゴールデンウィークは暇ですか?」と聞かれ、彼女も予定がないから一緒に遊ばないかと誘ってきたのです。正直、怪しさは感じましたが、冴えない若者だった私にとって女性からの誘いは嬉しく、断れませんでした。

見知らぬ女性との“偶然の出会い”

当日、待ち合わせ場所に現れたのは清潔感のある美人。明るく気さくに話しかけてくる彼女に、私は「どこかで会ったことがあるのかも」とすら思いました。実際にはまったくの初対面だったのですが、孤独や承認欲求を抱えていた私は、舞い上がってしまっていたのです。

絵画展への誘導と営業トーク

カフェで会話をしたあと、「絵は好きですか?」と聞かれ、好きだと答えると「近くで絵画展をやっているから一緒に行きましょう」と誘われました。気がつけば、怪しげなビルの中、ラッセン風の絵が並ぶ会場に足を踏み入れていました。そこで彼女から「この絵、欲しくない?」と畳みかけられ、断るのが難しい雰囲気に。さらには奥の部屋に連れて行かれ、ローン契約書を出されるまでになってしまいました。

ATMで冷静になれた瞬間

私は「ローンは嫌だ」と粘り、最終的には「現金で払う」と言ってATMに向かいました。当時の私にとって50万円はほぼ全財産。実際に現金を手にした瞬間、ようやく冷静さを取り戻し、そのまま会場には戻らず帰宅しました。もし流されていたら、人生に大きな傷を残していたでしょう。

デート商法の手口と心理操作

デート商法の特徴は、恋愛感情や承認欲求を利用して警戒心を解く点にあります。相手は好意を持ってくれていると錯覚させ、「一緒に」「あなたのために」という言葉で信頼を演出します。さらに、逃げづらい空気を作り出し、断りにくい状況に追い込む。冷静に考えれば不自然でも、その場では判断を誤ってしまうのです。

現代版の詐欺手口との共通点

マッチングアプリ詐欺

今の時代は、マッチングアプリを通じて親しくなった相手から投資や副業を勧められるケースが急増しています。「特別に教えてあげる」「2人の未来のために」といった甘い言葉で近づき、最終的には大金を奪う流れは、デート商法とまったく同じ構造です。

投資詐欺・暗号資産詐欺

SNSを通じて「絶対儲かる投資がある」と誘い、恋愛感情や親近感を利用して資金を引き出すケースも目立ちます。見た目は時代に合わせて変わっても、根っこは「信頼関係を装って金銭を要求する」という一点に集約されます。

なぜ人は冷静さを失うのか

人は孤独感を埋めたい、誰かに必要とされたいという気持ちに弱いものです。その心理を突かれると、普段なら絶対にしない判断をしてしまいます。私も当時、女性から手をつながれただけで、冷静さを欠きました。恋愛感情は判断力を鈍らせるのです。

詐欺から身を守るためにできること

お金の話が出たら一呼吸

どんなに楽しい会話の中でも「お金」の話が出たら要注意です。契約や投資の提案が出たら、一度立ち止まり、冷静に考えることが大切です。

家族や友人に相談する習慣

一人で判断せず、誰かに相談するだけで冷静さを取り戻せます。特に金額が大きい場合は、即断即決せず、必ず第三者に話を聞いてもらいましょう。

「怪しいかも」と思ったら即撤退

現場で違和感を覚えたら、その場から離れる勇気が必要です。私のようにATMで気づいても間に合う場合はありますが、そもそも会場に入らないことが最も安全です。

まとめ

私が若い頃に遭いかけた「デート商法」は、今の時代にも形を変えて存在しています。恋愛感情や人間関係を利用した詐欺は、人の心を揺さぶり、冷静さを奪います。大切なのは、「お金の話になったら一度立ち止まる」「誰かに相談する」「違和感を覚えたら逃げる」というシンプルなルールを守ることです。私の経験が、少しでも読者の皆さんの参考になれば幸いです。

にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へにほんブログ村に参加してます。クリックして頂くと有り難いです。