節約・家計管理

定年まであと10年以下、いくら貯めれば安心?逃げ切り戦略の実例

50代になると、多くの人が「もう定年まで10年もない」と感じ始めます。
私もその一人です。役職もなく、給与も頭打ち。
このままの収入で老後にどれだけ備えられるのか、正直なところ不安でした。

FIRE(早期リタイア)を目指す気はないけれど、「逃げ切れるだけの資産」は作りたい。
そう思って行動してきた結果、私は現在総資産7,000万円台

あと10年弱で“逃げ切りライン”と考える8,000万円を目指しています。
この記事では、私の実例をもとに「あと10年でいくら貯めれば安心なのか」を、現実的に考えてみます。

老後の安心ラインはいくら?「2,000万円問題」は入り口にすぎない

2019年に話題となった「老後2,000万円問題」。
しかし、あれはあくまで“最低ライン”の話です。
夫婦2人が年金だけで生活する場合、毎月の支出が平均26万円前後。
仮に年金が20万円だとすると、月6万円の赤字が生まれます。

年間で72万円、30年で2,160万円。
この時点で2,000万円ではギリギリです。
しかも、医療費や介護、家の修繕などを考えると、実際に必要なのは5,000〜8,000万円の範囲が現実的です。

つまり、「定年まであと10年の段階でどのくらい貯めているか」が、その後の人生を左右します。
私自身は「7,000万円台でようやく安心感が出てきた」と感じています。

50代サラリーマンのリアル|もう年収は増えないと割り切る

50代にもなると、昇給やボーナスで一気に収入が伸びることはまずありません。
むしろ、子どもの学費や親の介護など支出が増えるタイミング。
ここで「稼げない」と嘆くよりも、「守りの戦略」に切り替えることが大切です。

私の家庭は賃貸暮らしで、住宅ローンはありません。
毎月の家賃と生活費の収支を考えながら生活を維持しています。
そして、毎月の余剰を投資に回すことで、家計を黒字化しています。※今は余剰資金がほとんどありませんが

ポイントは固定費を上げないこと
収入は増えなくても、支出をコントロールすれば“投資原資”は確保できます。
特に子どもの教育費が一段落した後は、再び積立を増やすチャンスです。

私の逃げ切り戦略:50代後半でも「積み上げる」投資法

50代で資産を増やすには、攻めすぎず守りすぎないバランスが重要です。
私の実践しているのは「長期・分散・低コスト」の三原則。
これは特別なことではなく、新NISAのつみたて投資枠を活用して、淡々と積み立てるだけです。

■ 新NISA活用法

  • つみたて枠:オルカンに月1万円

  • 成長枠:S&P500に月3,000円

  • 合計:月1万3,000円(年間約16万円)

この程度でも、複利効果を考えれば10年で数十万円の増加になります。
もちろん、余裕がある年はボーナスでスポット投資を追加。
「できる範囲で、続ける」ことこそが最強の武器です。

また、50代以降の投資は“減らさない”ことが最優先。
リターンを追うより、リスクを避ける配分を意識しています。

逃げ切りの実例:10年でどう増えるのか?

ここで、私自身のケースをもとにシミュレーションを示します。

項目 内容
現資産 7,000万円(2025年時点)
年利 3.0%(税引後リターン)
年間追加投資 200万円(現実は無理な数字になっています)
投資期間 10年
想定資産 約8,950万円(追加投資不足は退職金に期待)

少し理想的なシミュレーションですが、ここまで行かなくても良いかと思っています。現実的には子供の学費や親の介護費用があるので追加投資は厳しいでしょう。
重要なのは、投資の大小ではなく「継続の年数」。
50代で焦って大きく張るより、着実に積み上げる方が安全です。

そして、仮に運用がうまくいかなくても、7,000万円台の資産があれば老後破綻のリスクは極めて低い。
実際、年金と少しの取り崩しで生活は十分成り立ちます。

“逃げ切り”に必要な3つの心得

  1. 減らさないことが最優先
     高利回りを狙うより、暴落時に動じないポートフォリオを作る。

  2. 見栄を張らない
     他人の資産額を気にしても意味がない。自分の生活を守ることに集中する。

  3. 働けるうちは働く
     60代以降も週3日程度の仕事を続けるだけで、月10万円の余裕が生まれる。
     “時間を味方にする”ことが最大の逃げ切り術です。

定年まで10年を切った今、やるべきこと

50代後半に入ると、資産を「増やす」よりも「減らさない」フェーズに入ります。
しかし、そのなかでもまだできることはあります。

  • 新NISAで非課税枠を使い切る

  • 不要な保険を整理する

  • 持ち物・契約を“軽くする”

  • そして、働けるうちは働く

逃げ切りとは、資産を増やすだけでなく「心の不安を減らす行動」です。
年金だけでは足りないと感じるなら、少しでも運用や副業を取り入れておく。
小さな積み重ねが、老後の安心を大きく変えます。

まとめ:焦らず、諦めず、着実に積み上げる

定年まで10年を切っても、まだ遅くありません。
FIREを目指す必要はなく、「逃げ切る」だけなら十分可能です。

資産7,000万円から8,000万円を目指す過程で私が学んだのは、派手な成功よりも“続ける力”の大切さでした。
投資も節約も地味な積み重ねですが、それが確実に将来を変えます。

50代からの逃げ切り戦略とは、「増やす勇気」よりも「減らさない知恵」を磨くこと。
そして、「もう十分」と思える心の余裕を手に入れること。
定年後に笑っていられるように、今日も淡々と積み上げていく――。
それが、私の現実的な“逃げ切りの実例”です。

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