現金はなるべく手元に多くもっておく。
住宅ローンの繰り上げ返済はしない方がいいという見方をされている人が結構います。
主な主張としましてはなるべく現金を手元においておいた方がいいというのが理由になっていることが多いです。
住宅ローンはサラリーマンが一番低金利で借りられる借金
これは確かに一理あります。サラリーマンや一般の人が何かしらローンを組むのに、一番金利が低く借りれるのが住宅ローンだと思います。
なので、借金の中では一番安全な借金と言えるかも知れません。
また、現金は急に必要になることがあります。病気、ケガ、家の修繕など予定外の出費のために現金をなるべく保有しておくのは常識と言えば常識です。
住宅ローンは借金です
しかし、現金もある程度、保有できて繰り上げ返済できる余力があるのに繰り上げ返済をあえてしないのは得なのでしょうか。
結論は個人の状況による。が答えになると思います。
しかし、一般的には繰り上げ返済することをおすすめします。
今は低金利なので、金利負担がそれほど重荷になっていないのであればよいですが、通常、借金をしていることはリスクです。
いくら低利だと言っても借金は借金なのです。少ないながらも利息を支払わないといけません。
個人の事情
また、個人の状況によるというのはどれくらいの金利でローンが組めたのかにもよるからです。住宅ローン金利は人によって違っています。
公務員や大企業サラリーマンなどは普通より、低金利でローンが組めたりします。逆に自営の人などは金利が高くなるのではないでしょうか。※これも人によります。
極端に言えば金利0%でローンを組んでいる人がいれば、繰り上げ返済などする必要がないです。しかし、そんな人はいないでしょう。
何%かの利息を支払っているのが通常です。
金利変動というリスク
住宅ローンを変動金利で借入している人は、世間の景気動向により金利が上昇してしてしまいます。なので、金利高騰により返済金額が上昇してしまいます。
逆に固定金利の人は世間の金利が下がれば損をしていることと同じです。基本的に借金は利息の変動というかたちでリスクを負っているのです。
なので、リスクはなるべく減らす方がいいです。
繰り上げ返済というのは、現在のリスクを少しでも減らすことが出来るのです。
繰り上げ返済より投資するという考え方。
たまに、個人投資家の人で、低金利で住宅ローンが借りられるので、繰り上げ返済するより、投資で金利以上の利益を上げることが可能と主張する人もいます。
しかし、投資でも年数%の利回りを上げるには、それなりのリスクを負って投資する必要があります。
繰り上げ返済はリスクゼロの投資
住宅ローン金利以上の利益を投資から得ると言うのは素晴らしい考えと思います。
しかし、投資はそれほどあまくありません。
よっぽど自分の投資手法に自信があるのであれば別ですが、普通のリスク計算が出来ル人なら住宅ローンの負債リスクを負いながら、投資リスクを負うのはリスクが大きくなります。
単純に考えれば繰り上げ返済は、リスクゼロで出来る投資と言えます。なので、それなりのリターンなのです。
現在の金利は歴史的にも超低金利
この辺が自信過剰の投資家が理解できない部分だと思います。
現在、長期金利や住宅ローン金利は歴史的にもすごく低金利になっています。なので、住宅ローンも通りやすくなっており、住宅を購入する人にはチャンスと言えます。
しかし、その分、住宅価格はここ最近ずっと上昇してきました。※最近は少し落ち着いてきていますが
基本的には住宅ローンの借り入れがしやすくなると住宅価格は上昇します。
銀行なども不動産価格が上昇すれば、担保価値も上がるので貸出もしやすくなります。
それにより景気が上昇していき、物価上昇と共に金利が上昇するというのが通常の流れです。
しかし、ここ最近は、政府の金融政策で意図的に金利が低く抑えられています。
なので、通常の市場原理が少し歪められています。なので、これをチャンスととらえて借入を多くして住宅を購入するのは良いかと思います。
しかし、一般的に借入で投資するのはリスクが大きくなります。住宅ローンリスクと投資リスクは別物です。
金融機関もリスクを考えて貸し出しを行っている
金融機関が低利で貸出を行っているのには訳があります。
通常の金利は需要と供給で決まります。安全な貸出先には低金利で貸出を行い、リスクの高い貸出先には高金利になります。
リスクとリターンの関係が金利によって調整されているのです。なので、金融機関が住宅ローンを低金利で貸出しているのも、リスクとリターンを考えて低利で貸し出しを行っています。
不動産価格が上がるからといって金融機関が不動産投資にお金を積極的に投資することはあまりありません。
金融機関は、間接的に安全な方法である、住宅ローンの貸し出しとういうかたちで不動産にかかわっているだけです。
金融機関もリスクを考えて投資先を決めている
貸し倒れリスクの低いサラリーマンなどに貸出しを行っているだけなのです。
逆に言えば不動産価格の変動リスクは住宅ローンを借りているサラリーマンが負担していることになります。まあ、不動産を購入しているので当然ですが。
金融のプロである銀行でも貸出し先に苦慮しているのが現状です。それが一般の個人投資家が、住宅ローン返済以上の投資が出来るとは思えません。
住宅ローン金利以上の高利回りの投資案件もあると思いますが、リスクに見合った投資をするのが賢明です。
繰り上げ返済をしないでいい場合。
唯一繰り上げ返済しなくてもいいと思うのは、
①一括返済できるだけの現金を持っていて
②住宅ローン控除を受けている人
ではないでしょうか。
住宅ローン控除は約10年間受けることが可能です。しかも、残債務に対して1%も受けることが出来ます。※2019年の消費増税後は13年になると言われています。
なので、本来は10年間は返済額を少なくして住宅ローン控除を最大限に享受してから、一括返済するのが得かも知れません。
最終的には個人の判断になります。
最後に
繰り上げ返済は賛否両論あります。なので、あくまでも、一見解にすぎませんのでご注意ください。
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