投資

子どもが独立した後の家計再設計|支出の最適化と投資バランス

子どもが成長すると、家計の形は少しずつ変わっていきます。
教育費のピークを越え、「これからは自分たちの老後をどう整えるか」を考える時期に入る人も多いのではないでしょうか。
私の家庭でも、上の子が来年専門学校へ進学し、下の子は中学3年生。
いよいよ「教育費中心の家計」から「老後を見据えた家計」へと移行する時期に入りました。今回は、そんな“子ども独立前後の家計再設計”について、私の実体験を交えて整理してみます。

教育費が終わる=お金が浮くわけではない

よく「子どもが巣立てば家計は楽になる」と言われますが、実際にはそう単純ではありません。
確かに、塾代や大学・専門学校の授業料といった大きな出費は減りますが、その分「税・社会保険料」「医療費」「親の介護」「趣味やレジャー費」など、別の支出が増えがちです。
特に50代になると、体調面や親の介護リスクが現実味を帯びてきます。私の家でも、妻の実家への帰省が増え、交通費や滞在費がじわじわ家計を圧迫しています。

つまり、「教育費が終わる=家計が浮く」とは限らず、支出の“方向性”が変わるだけ。
だからこそ、このタイミングでの「家計再設計」が重要になります。

固定費を一度“ゼロベース”で見直す

まず取り組みたいのは、固定費のリセットです。
通信費・保険・サブスク・自動車など、子どもの生活に合わせていた支出を一度ゼロベースで見直します。
たとえば我が家では、上の子のスマホ代を家族割でまとめていましたが、進学を機に契約を分離。これだけで月3,000円ほどの節約になりました。
また、子どもの教育保障を目的とした生命保険も見直し、夫婦それぞれの掛け捨て保険に絞ることで、無駄な支払いを減らせました。

特に見直すべきは「車」と「保険」。
通勤や送迎の必要が減るなら、軽自動車1台にするだけで年間維持費が10万円以上下がります。
保険も、“昔のまま”にしている人が多く、不要な特約や二重加入が見つかることも少なくありません。
家計アプリなどを使い、すべての固定費を一度書き出して整理してみると、驚くほどムダが見えてきます。

支出構造を「生活・予備・投資」の3層にする

次に、家計全体の構造をシンプルに整理します。
私は教育費のピークが落ち着いた段階で、支出を「生活費」「予備費」「投資資金」の3つに分ける予定です。

  • 生活費:食費・光熱費・住居費・通信費など、毎月必ず発生するもの。

  • 予備費:医療費、家電買い替え、帰省・冠婚葬祭など、不定期の支出。

  • 投資資金:将来の収益を生むための積立・運用資金。

特に「予備費」は、教育費が落ち着いたときこそしっかり確保すべき項目です。
この仕組みを作ることで、投資資金を取り崩さずに済むようになり、精神的にもかなり楽になります。

投資バランスを“守り重視”にシフト

50代になると、リスク許容度も下がります。
私も新NISAを活用していますが、以前のように「攻める投資」はしません。
オルカン(全世界株)とS&P500を中心に、年利3〜4%を目標とした“守りのバランス”です。
教育費が終わりかけると毎月のキャッシュフローは増えますが、それを丸ごと投資に回すのは危険。
私は「使う・貯める・増やす」を3分割し、投資比率は手取りの20〜25%程度に抑えていきます。

この比率は、「リスクを取りすぎず、生活の自由度を守る」ためのちょうどよいライン。
また、妻名義の口座にも少額のつみたてNISAを設定し、家庭全体で分散を意識しています。※これは今から始めています。
夫婦それぞれが投資を理解しておくと、将来の運用や相続の面でもスムーズです。

生活満足度を下げない“支出の最適化”

節約というと我慢のイメージがありますが、私が意識しているのは「生活の質を下げない最適化」です。
たとえば、外食を減らす代わりに、スーパーの惣菜を上手に活用。旅行も回数を減らし、1回あたりの満足度を高める方向へ。
「何にお金を使うと幸福度が上がるか」を意識して支出を選ぶと、満足度を保ちながら支出を減らすことができます。

また、50代からは健康も“最大の資産”です。
サプリよりも運動習慣への投資、最新家電よりも睡眠環境の改善など、「健康を守る支出」には惜しまず回すようにしています。
結果的に医療費の予防にもつながるので、長期的にはプラスになります。

老後を見据えた「キャッシュフロー表」を作る

子どもの進学や独立が見えてきた今こそ、老後の家計を具体的にシミュレーションしておくべきです。
定年後の収入(年金・退職金・再雇用など)と支出(生活費・医療・介護・レジャー)を一覧化し、「何歳で資産がどのくらい残るか」を可視化すると、安心感が違います。

私の場合、エクセルで60歳から85歳までのキャッシュフローを試算。
年金受給開始後も、年3%程度の運用益を見込みながら、生活費を月25万円に抑えれば、資産7,000万円台でも十分“逃げ切れる”ことが確認できました。
これがあるだけで、将来への不安がかなり和らぎます。

まとめ:教育費のピーク後こそ「家計の第二章」が始まる

子どもの成長は、家計にとってひとつの節目です。
教育費のピークが過ぎた今こそ、「第二のスタート」と捉えましょう。
支出を最適化し、投資バランスを守り重視に変え、老後のキャッシュフローを整える。
この3点を実践するだけで、50代からの家計はぐっと安定します。

子育てが一段落した今こそ、「自分たちのためのお金の使い方」を考える時期。
長期・分散・低コストを軸に、新NISAを活用しながら、無理なく安心できる家計設計を続けていきたいと思います。

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