「お金持ちって、結局いくらから?」
この問いはシンプルですが、厄介なのは“世間体”が混ざると答えがぶれやすいことです。年収なのか、貯金なのか、株や投信を含むのか。不動産は? そもそも他人はあなたの資産なんて見えません。
そこでこの記事では、①数字としてよく使われる基準、②世間体として「お金持ち」に見られやすい境目、③見え方を左右するポイントを、できるだけ現実に寄せて整理します。
まずは「数字の基準」:日本でよく使われる富裕層の定義
日本で“富裕層”を語るとき、もっとも引用されやすいのが野村総合研究所(NRI)の推計です。ここで使われるのは「純金融資産保有額」。ざっくり言うと、預貯金・株式・債券・投信・保険などの金融資産から負債を引いた額で、収入ではありません。
NRIの分類では、世帯の純金融資産が次のように区分されます。
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マス層:3,000万円未満
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アッパーマス層:3,000万〜5,000万円未満
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準富裕層:5,000万〜1億円未満
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富裕層:1億〜5億円未満
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超富裕層:5億円以上
この定義でいう「富裕層」は“世帯で純金融資産1億円以上”。ここが、ニュースや記事でよく聞く「資産1億円=富裕層」の根っこです。
さらにNRIは、2023年時点の富裕層+超富裕層を合計165.3万世帯(富裕層153.5万、超富裕層11.8万)と推計しています。
世間体は「資産」より「生活のにじみ出方」で決まる
ここからが本題です。世間体としての“お金持ち”は、通帳残高ではなく「ふだんの選び方」で判断されます。
たとえば、こんな要素は周りに伝わりやすいです。
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時間の使い方(家事・育児の外注、移動がタクシー、並ばない)
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お金の使い方(外食の頻度、旅行の質、サブスクの“迷いのなさ”)
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住まい・車・持ち物(見えるところにコストが乗る)
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会話の余裕(値上げ・急な出費で表情が変わらない)
要するに、世間体は「支出の余裕」=キャッシュフローの匂いで判断されがちです。だから、資産が多くても質素なら“富裕層っぽく見えない”こともありますし、逆に無理して豪華に見せれば“お金持ちっぽく見える”こともあります(ただし長続きしません)。
世間体ライン別:周りの反応が変わる「3つの境目」
では、世間体として「お金持ちだね」と言われやすい境目はどこか。僕の結論は、次の3段階です。
境目①:金融資産3,000万〜5,000万円(「余裕あるね」扱い)
このあたりは、NRIでいうアッパーマス層。
“お金持ち”というより、「堅実に資産形成してる人」「ちょっと余裕ある家庭」という見え方になりやすいレンジです。
たとえば、家電の買い替えや旅行で大きく迷わない、急な出費でも家計が崩れない、という“安心感”が出てきます。
境目②:金融資産5,000万円(「お金持ちだね」が出始める)
純金融資産5,000万円以上は準富裕層。
このあたりから、周りの反応が変わりやすい。理由はシンプルで、「選択肢が増える」からです。
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教育費・介護・転職など、人生イベントで選べる幅が広がる
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投資の運用益や配当で“生活の一部”が回り始める
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いざという時に“時間を買う”行動が取りやすくなる
見え方としては「堅実な金持ち」「地味に強い」が近いです。
境目③:金融資産1億円(「誰が見ても金持ち」になりやすい)
NRIの定義でも、純金融資産1億円以上が富裕層。
このラインを超えると、“資産の話題”が出た瞬間に一気に「別世界」扱いされやすい。自分から言わなくても、たまたま投資の話になったときに漏れがちです。
また、最近は「いつの間にか富裕層」という言葉もNRIの資料に登場しています。会社員でも、持株会・確定拠出年金・NISAなどを淡々と積み上げ、相場上昇も追い風になって“気づけば1億円”に届くケースがある、という話です。
年収で見た世間体:本音は「1,500万」より「3,000万」で空気が変わる
世間体は年収にも反応します。とくに「年収いくら?」という話題になりやすいコミュニティ(親戚、学校関係、同業者界隈など)では、資産より年収が先にラベリングされます。
博報堂の富裕層調査を紹介した記事では、世帯年収1,500万円以上を「所得富裕層(インカムリッチ)」、金融資産1億円以上を「資産富裕層(ウェルスリッチ)」として扱い、世帯年収3,000万円以上で資産富裕層の割合が大きく高まる、という結果が示されています。
つまり世間体としては、
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世帯年収1,000万:高収入(でも“金持ち確定”ではない)
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世帯年収1,500万:周囲がざわつき始める(インカムリッチ扱い)
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世帯年収3,000万:空気が変わる(資産も伴いやすい)
この3,000万円ラインは、肩書き(経営者・役員の比率)や資産の厚みが変わりやすい境目としても紹介されています。
「お金持ちに見える人」の共通点と、バレる落とし穴
世間体は、良くも悪くも“演出”が効きます。ただ、長期で見ると差が出ます。
お金持ちに見える人の共通点
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値段より「再現性」を買う(良い道具を長く使う、定番を選ぶ)
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迷いが少ない(意思決定が早い=時間を買っている)
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“大きく見せる消費”が少ない(派手さより快適さに払う)
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お金の話をしない(語るほどでもない余裕)
落とし穴:世間体のための消費は、家計を確実に削る
逆に、世間体を保つための固定費(高い家賃、過剰な車、見栄の交際費)が増えると、手残りが削られ、投資の継続力が落ちます。
資産形成で強いのは、結局「長く積み上げる力」。世間体に合わせてブレると、もっとも大事な“継続”が壊れます。
投資の世界でよく言われる4%ルールも、結局は「資産を取り崩しても続くか」という持久戦の話です。気になる方は、こちらの記事もどうぞ。
https://4450-taku.com/investment/fire%e3%82%92%e7%9b%ae%e6%8c%87%e3%81%99%e3%81%aa%e3%82%89%e7%9f%a5%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8a%e3%81%8d%e3%81%9f%e3%81%84%ef%bc%814%ef%bc%85%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%81%a8%e3%81%af%ef%bc%9f
まとめ:世間体の「金持ち」は“目安”。でも武器にするなら「準富裕層」が強い
世間体として「お金持ち」と見られやすい目安を整理すると、こんなイメージです。
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3,000万〜5,000万円:余裕あるね(アッパーマス)
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5,000万円:金持ち扱いが出始める(準富裕層)
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1億円:誰が見ても金持ち(富裕層)
ただし、世間体は他人の主観でコロコロ変わります。
一方で、準富裕層(5,000万円)あたりは「人生の選択肢が増える」「守りが固まる」「投資を続けやすい」という意味で、実利のインパクトが大きいレンジです。
世間体に振り回されず、“自分の基準”で淡々と積み上げる。
その結果として、気づけば「いつの間にか富裕層」になっている——。それがいちばんコスパのいい勝ち方だと思います。
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