50代になると、「FIREはもう無理かも」と思う瞬間が増えました。私も役職なしの平社員。賃貸暮らしで、妻はパート、子どもは2人(高校3年・中学2年)です。教育費もかかるし、体力も落ちてくる。そんな中でも総資産は8,000万円台まで来て、「早期リタイアは無理でも、定年後に家計が破綻しない“逃げ切り”なら現実的に狙える」と感じています。
ここで言う“逃げ切り”は、派手に自由を買う話ではありません。生活の土台を崩さずに、老後の不安を小さくしていく作業です。ポイントは、難しい金融テクニックではなく「やる順番」。私は次の3ステップで考えるようにしています。
FIREと“逃げ切り”は目的が違う
FIREは「働かなくてもいい状態」を目指します。一方で逃げ切りは、「働き方を少しずつ緩めても、生活が回る状態」を作るイメージです。
50代は、教育費・親のこと・健康など“支出イベント”が重なりやすい。ここで無理にリスクを取りすぎると、取り返しがつかないことがあります。だから私は、FIREよりも“破綻しない設計”を優先しています。
そして大事なのは、「いくらあれば逃げ切れるか」を一発で決めないこと。老後は、収入(年金・少し働く)と支出(住居費・医療・趣味)の組み合わせで決まります。資産額だけで不安になっても、解決しません。
逃げ切りラインは「不足額×期間」で考える
私がやっているのは、超ざっくりの計算です。
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①老後の支出(夫婦で月いくらで暮らすか)
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②年金の見込み(ねんきんネット等で確認)
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③差額=毎月の不足額
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④不足額×年数=必要な取り崩し総額(目安)
たとえば「老後の生活費25万円、年金20万円」なら不足は月5万円、年60万円。これが20年続くと1,200万円。もちろん物価や医療費でブレますが、こうやって“桁”が見えると、必要以上に焦らなくなります。
逆に、不足が年150万円なら「支出を落とす」「少し働く」「資産の取り崩し率を下げる」など、手を打つポイントが分かります。
ステップ1:家計を「固定費」と「変動費」に分解する
まずやるべきは投資ではなく、家計の棚卸しです。私は家計簿アプリで、1年分をざっくり見返しました。目的は「削る」より「見通す」こと。特に50代は、子どもの進学や部活、車の買い替えなど、突発イベントが起きやすいからです。
①固定費は“契約”を疑う
固定費は、放っておくと勝手に増えます。見直し効果が出やすいのは、次の3つです。
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通信費:家族でプランを揃え、不要なオプションを外す
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保険:必要最小限にして、貯蓄でカバーできる範囲を増やす
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サブスク:毎月の小額を“全部集計”して一気に整理する
私の実感では、固定費を月1万円落とせると、それだけで「取り崩し額」が年12万円減ります。利回りで埋めようとすると大変ですが、支出側なら確実です。
賃貸暮らしだと住居費の“固定化”もしやすいので、更新料や引っ越し費用のような将来コストも含めて、ざっくり積み立て枠を確保しておくと安心です。
②変動費は“ルール”で守る
変動費は、気合いで削ると反動が来ます。私は「食費はここまで」「外食は月〇回」など、ゆるいルールにしました。
逃げ切りのコツは、節約をイベントにしないこと。頑張るより、淡々と続く仕組みにします。
③生活防衛費は“現金で”先に確保
50代のリスクは、相場よりも「急な出費」と「収入ダウン」。私は生活費の3か月分を、すぐ使える現金(普通預金など)で確保するようにしました。
これがあるだけで、暴落時に“売らない”判断がしやすくなります。特に、教育費が読みにくい家庭は、投資より現金の安心感が効きます。
ステップ2:新NISAを「型」で回す
次は資産運用です。結論から言うと、50代こそ「長期・分散・低コスト」を徹底した方が再現性が高い。私は新NISAを中心に、インデックスファンドを淡々と積み立てています。
新NISAは、つみたて投資枠(年120万円)と成長投資枠(年240万円)を併用でき、合計で年360万円まで投資枠があります。非課税保有限度額(総枠)は最大1,800万円です。
ただし誤解しがちですが、「枠を全部使うのが正解」ではありません。家計が苦しいのに満額を目指すと、生活が壊れます。自分のペースで十分です。
①“積立枠”は生活に埋め込む
積立は、意志より仕組みです。給与日後に自動で引き落とし、相場を見ない。
「相場が怖いから止める」「上がったから増やす」を繰り返すと、結局ブレます。私は毎月の積立額を家計の範囲で決め、まず続けることを優先しました。
②“成長枠”は欲張らず、分散を崩さない
成長投資枠は自由度が高い分、失敗もしやすい。私は基本をインデックスで固め、個別株は“趣味の範囲”に抑えています。
特に50代は「一発逆転」より「下振れを減らす」方が大事。高配当やテーマ株に偏るより、分散を崩さないことを意識しています。
もし個別株をやるなら、「生活費に関係ない額」「損しても経験料で済む額」に限る。これだけで大怪我は減ります。
③リバランスは年1回で十分
私は年末に「株が増えすぎたら少し抑える」「現金が減りすぎたら積立額を調整する」程度です。
“完璧な配分”を探すより、崩れたら戻す。これを繰り返す方が、長期では効いてきます。
④リスクの取りすぎサインは「眠れない」
自分のリスク許容度は、下落局面でしか分かりません。
下がったときに寝つきが悪くなるなら、配分が攻めすぎ。私はそういう時期に、積立額を無理のない範囲に落として継続する方が、結果的に長く続きました。
ステップ3:出口(取り崩し)を先に決める
逃げ切りで一番大事なのは、実は“買う”より“取り崩す”設計です。50代のうちから出口を考えると、投資が落ち着きます。
①「年金+少し働く」を前提にする
私の考えでは、老後を投資だけで完結させない方が安心です。年金を軸にして、足りない分を資産取り崩しで補う。
そして、体力に合わせて働く量を少し減らしていく。これが“逃げ切り”の現実解だと思っています。
「完全リタイア」か「フルタイム継続」かの二択にしない。間の選択肢を用意するだけで、資産へのプレッシャーが下がります。
②取り崩しは“率”より「不足額」で管理する
よく“4%ルール”が話題になりますが、50代の家庭は支出イベントが多く、単純に当てはめにくい。
私は「毎年いくら足りないか」を先に置き、相場が良い年は少し増やし、悪い年は抑える、という柔らかいルールにしています。重要なのは、感情で大きく動かさないこと。
③税金・社会保険をざっくり意識する
取り崩しや副収入が増えると、税金や社会保険料に影響することがあります。細かい制度は毎年変わるので断言はしませんが、「手取りで見る」「年間で見る」を意識するだけでも、計画はブレにくくなります。
私は、想定外の負担が出ても慌てないよう、取り崩し予算に“のりしろ”を持たせています。
④大きな支出は“イベント表”にする
教育費が終わったら安心…と思いきや、50代後半〜60代は、車・家電・医療・親のことなどが重なります。私は、ざっくりでいいので「何年後に何がありそうか」をメモしています。
見える化すると、投資で無理をしなくなります。
よくある落とし穴:50代が焦るほど危ない
最後に、私が自分に言い聞かせている注意点をまとめます。
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相場が上がっているときほど、レバレッジや一点集中に手を出さない
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生活防衛費を削ってまで投資しない
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“他人の資産推移”より、“自分の生活設計”を優先する
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年間投資枠を埋めるために生活を削らない(枠は上限であって目標ではない)
逃げ切りは、派手さはありません。でも、地味に効きます。
まとめ:逃げ切りは「順番」がすべて
50代から現実的に逃げ切るには、(1)家計の見える化、(2)新NISAで型を作る、(3)出口を先に決める——この順番が効きます。
FIREは無理でも、老後の不安を小さくすることはできる。私も平社員のままですが、今日の1つの見直しが、10年後の安心につながると信じて続けています。
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