投資

暴落待ちで一生買えない?右肩上がりでいつ買うかの答え

結論はシンプル。私は「暴落は読めない。だから“お金があれば淡々と買う”」を基本にしてきました。高値圏に見えるときも、悲観が広がるときも、姿勢は同じです。理由は明快で、相場の「下がるタイミング」も「どこまで上がるか」も、誰にも当て続けられないからです。

右肩上がりなのに不安が消えないのはなぜ?

相場が上がるほど「今はバブルだ」「この先は暴落だ」という声が強まります。17年のあいだに、この議論を何度も聞きました。

日経平均が節目を超えるたびに、S&P500が高値を更新するたびに、同じ空気が流れました。それでも長期で見れば価格帯は上がり、当時“高すぎる”と言われた水準が、のちに“普通の価格”へと変わる場面を何度も見てきました。

「暴落したら買う」は魅力的だが、現実は厳しい

大きく下げた瞬間に勇気を出して買う――理屈としては正しいのに、多くの人が実行できません。急落の渦中では、ニュースやSNSが不安を増幅し、現金を守りたくなる心理が強く働くからです。

「もっと下がるかも」と先延ばししているうちに反発が始まり、気づけば以前の価格では二度と買えない。これが現実です。

機会損失は“見えにくい損失”

暴落待ちで数カ月〜数年、投資を止めると、複利の起点が後ろにずれます。配当再投資や基準価額の上昇という“時間の味方”を、自分から手放しているのと同じ。

損失は口座画面に表示されないので実感しにくいのですが、長期のグラフで比べれば差は歴然です。

予測不能を当てにしない:仕組み化でぶれない

私は“当てにいくゲーム”から降りました。やるのはコントロールできることだけ。具体的には、

  • 収入から一定割合を自動で投資へ回す。

  • 商品は長期に適した低コストのインデックス中心。

  • 入金余力と年齢に応じて現金クッションを持つ。

  • 暴落時でもルール通りに買える仕組みを先に作る。
    この「仕組み化」が、相場の雑音に振り回されない最良の防御です。

私の基本ルール(17年の実践から)

  • お金が入ったら買う。タイミングは測らない。月次・賞与・臨時収入で自動的に積み上がる形にする。

  • 「下がったら少し多めに前倒し」までは許容しつつ、買付停止はしない。

  • 集中しない。国際分散・時期分散・商品分散(全世界やS&P500を軸にしても、他資産や現金で緩衝)。

  • 生活防衛資金は別枠で確保。暴落時に“必要なお金まで売らない”設計が心の安定になる。

  • 売却の基準は相場ではなくライフイベント。教育費・住宅・老後などの予定に合わせて段階的に。

不安な人へ:下げ相場に備える現実策

  • キャッシュ比率の“幅”を決める(例:10〜20%)。上がれば自然に比率が下がり、下がれば高まるようにリバランス。

  • 買付ペースの緩急をつける。下落幅に応じて“前倒し”をルール化(ただし買付停止はしない)。

  • 情報ダイエット。SNSや煽り記事は距離を置き、週1回だけ見るなど“見る時間”を決める。

  • 目標は“最安で買う”ではなく“持ち続ける”。生き残ることこそ最大のリターンの源泉。

ミニ検証:なぜ積立は“平凡でも強い”のか

毎月3万円を10年積み立てるケースと、「30%下落したら半年だけ一括買い」を比べると、後者は当たれば取得単価は下がります。

しかし、①底は分からない、②待機中は分配・配当の再投資機会を逃す、③恐怖で“買えない”が起きやすい――という弱点があります。

積立は“平均点を取り続ける仕組み”。平均点の継続は、長い時間のうちに上位の結果に収れんしやすいのです。

相場観は持っても、実行は自動化

「過熱感がある」という直感は否定しません。ただし実行は“仕組み”に任せる。相場観はあくまで“前倒し・後ろ倒しの微調整(範囲を決める)”に留め、判断と実行を分離します。こうしておくと、感情でスイッチを切らずに済みます。

投資ルールの作り方テンプレート

  • 目的:老後資金/教育費/住宅頭金など、使い道を明確に。

  • 商品:全世界株 or S&P500など、低コストで続けやすいものに限定。

  • 入金:給与天引き・ボーナス時の自動買付。年1回は積立額を見直す。

  • 現金:生活防衛3〜6カ月分+投資口座のキャッシュ上限(例:5〜20%)を決めて運用。

  • 売却:相場ではなくライフイベントに合わせる。

  • 再点検:年1回だけ配分と積立額を棚卸し(頻繁にいじらない)。

50代の私が意識していること

  • 入金力の現実:教育費や親の介護費が重なる時期。積立額は“無理のない水準”に設定し、細く長く続ける。

  • リスク許容度の変化:年齢とともに下落耐性は落ちやすい。だからこそ現金クッションと分散を重視。

  • 出口戦略:新NISAの取り崩しは“年率◯%”で固定せず、税制・相場・生活に合わせて段階的に。

今日からできる3ステップ

  1. つみたて設定を固定して自動化。

  2. 生活防衛資金と投資口座のキャッシュ上限を数字で決めてメモ。

  3. 相場ニュースをチェックする曜日と時間を決め、それ以外は見ない。

まとめ

「いつ買うか」で悩み続けるより、“いつでも買える仕組み”を作る。
収入から自動で投資へ、長期・低コストを軸に、現金クッションを決め、ニュースに踊らされない。

この土台があれば、暴落待ちで時間を失うよりも、今日の一手を積み重ねるほうが結果につながります。

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