トランプ大統領が国家非常事態宣言を行い、ダウ平均株価が爆上げしました。
2020年3月13日、新型コロナウイルスの感染対策としてトランプ大統領は国家非常事態宣言をしました。最大500億ドル(約5兆4000億円)を連邦政府の予算から支出し、検査や治療の態勢を拡充することを発表しました。この宣言により市場が好感しダウ平均株価が一気に爆上げとなりました。ダウ平均株価は2020年3月13日の終値で23,185.62ドルとなり前日より1,985ドルの値上がりとなりました。過去最大の値上げ幅となりました。
約3年かけて上げた株価を1ヶ月で吹き飛ばす
ダウ平均株価は乱高下が激しくなっています。2020年2月12日には29557.42ドルの値段を付けていたのが1ヶ月後の2020年3月12日には21200.62ドルまで下げてしまいました。21,000ドル前半代は2017年前半頃に付けていた値段で約3年間かけて上げて来た値段をわずか1ヶ月で吹き飛んだかたちになります。
日経平均は2ヶ月で約3年分が吹き飛ぶ
日経平均株価も同じように2020年1月20日に24083.51円の値段を付けていました。しかし、2020年3月13日の終値で17,431.05円まで値下がりしてしまいました。この値段も2016年後半ぐらいに付けていた値段なので同じように約3年かけて上げて来たのがわずか2ヶ月で一気に吹き飛んだかたちになります。
世界的にも経済対策として財政出動が積極的に行われる。しかし、日本株は出遅れると考える
株価は上がる時はジワジワ上がりますが、下がる時には一気に下がります。なので、普通に考えた場合、元の水準まで戻すには単純に3年ほどかかる可能性があります。しかし、政府は、今回の新型コロナウイルスの経済的な影響を鑑みて財政出動を積極的に行う姿勢です。
日本銀行の金融緩和策は手詰まりの状態
日本銀行は既にゼロ金利政策を実施してしまっているので、金利引下げによる金融緩和の手が使えない状況にあります。また、上場投資信託(ETF)の買い入れを積極的に行うことになるかと思いますが、外国人投資家の売りが入れば焼け石に水で買い入れても株価に跳ね上がるかは疑問が残るところです。
政府が財政出動を行っても業績回復には時間がかかる
政府の財政出動も積極的には行われると思いますが、既に新型コロナウイルスで資金繰りが厳しくなっていう企業の救済などに多量の資金が必要だし、経済が起動に乗るまでは業績の回復までは行かないと思います。
日本銀行のETF買いは常態化しすぎて効果が限定的
もともと日本の株価も日本銀行のETF買いに支えられてたいところがあり、それが定常的に行われていました。なので、これから日本銀行がETF買いを積極的に行ったとしても、それは既に織り込み済みです。なので、外国人投資家が日本市場に戻ってこない限り日本株の浮上は難しいです。なので、日経平均株価に関してはしばらく低迷する公算が高いです。
世界的な金融緩和でアメリカ経済が一番早く回復すると考える理由
しかし、世界的には金融緩和の流れが続くと思いますので、新型コロナウイルスが終息した時には世界的な株高になっていくと予想されます。なので、日本市場より先に外国市場のほうが回復して行くのではないでしょうか。
米連邦準備理事会(FRB)も緊急利下げを行ったので、利下げ幅が縮小された
特にアメリカに関しては米連邦準備理事会(FRB)が3日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利を0.5%引き下げています。フェデラルファンド(FF)金利を、年1.50~1.75%から年1.00~1.25%に引き下げを行いました。FRBも金利引下げによる金融緩和は年1.00~1.25%の幅しか残されていませんが、日本よりましです。
トランプ大統領の積極的な姿勢
また、トランプ大統領は最大500億ドル(約5兆4000億円)の支出の他に連邦政府機関が保有するすべての学生ローンの金利を免除することと、アメリカの備蓄用の原油を安価で大量に購入して、備蓄用の石油を満杯にすることを発表しました。
石油産業はひとまず回復する公算が高い
原油価格は大幅に下落していたので石油関連株などは大幅に下落してました。原油価格の下落はアメリカのシェールガス産業にも大きなダメージだったので石油関連企業にとっては大きなメリットになります。
アメリカは今までにも数々の金融危機を乗り越えてきた。必ず復活してくると考える。
アメリカはこれまでブラックマンデーやリーマンショックなど数々の金融危機を経験しています。このような金融危機に対する研究はどこの国より進んでいると言えます。なので、今後、アメリカに関しては、どこの国よりも先に経済的に対策が行われ、経済的な危機からの脱出が早いのではないでしょうか。
最悪のことも想定しておく必要がある
しかし、今は新型コロナウイルスの感染拡大がどこまで進み、世界的な被害がどこまで進むか未知数です。世界的な感染がアフリカにまで広がり、4月、5月になっても終息の兆しがなければ世界経済の回復は遅れます。なので、アメリカ株も今後、二番底、三番底の警戒は必要です。
日本株よりアメリカ株のほうが回復が早いと考える
しかし、アメリカの景気は、もともと良く株価も最高値を更新してきました。そこに新型コロナウイルスの感染の拡大を受けしまっただけなのです。なので、新型コロナウイルスの拡大を封じ込め終息させれば経済的な回復は早いと思います。この暴落で投資家として動くのであれば日本株で仕掛けるよりアメリカ株で仕掛けたほうが勝算が高いと考えます。あくまで予測ですのでご注意を。しかし、参考になれば幸いです。