はじめに:株主優待で節約するのは合理的な選択
「株主優待は株主平等の原則に反するから、本来はおかしい」
そうした批判は投資家の間でも根強くあります。私自身、制度の理念としてはその意見に共感しています。
しかし――。
個人投資家としての実利と信条は切り分けるべきと考えています。現に今でも日本では株主優待制度が個人投資家に人気であり、特に節約に直結する優待は“攻め”の節約術として有効です。
私が長年保有しているイオン株も、その代表格です。
今回は、2025年7月現在の最新情報に基づいて、イオン株主優待の内容と使い方、投資効率を最大化するためのコツを紹介します。
イオンが近くにある人は「株主優待」で家計防衛を
イオン系列のスーパーが生活圏内にある方なら、イオン株を100株保有するだけで“実利”ある節約が可能です。
2025年7月現在のイオン(8267.T)の株価は4,599円。100株購入には約46万円が必要となります(手数料別)。
オーナーズカードで受けられる特典一覧
特典①:半年ごとのキャッシュバック
保有株数に応じて、半年間の買い物金額に対し、キャッシュバックが受けられます(上限:100万円)。
保有株数 | キャッシュバック率 | 必要投資額(概算) |
---|---|---|
100株以上 | 3% | 約459,900円 |
500株以上 | 4% | 約2,299,500円 |
1,000株以上 | 5% | 約4,599,000円 |
3,000株以上 | 7% | 約13,797,000円 |
※株価は2025年7月18日時点(4,599円)で計算
キャッシュバック額の例:
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年間50万円利用で100株保有 ⇒ 約15,000円のキャッシュバック
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100万円利用で最大3万円(100株)、7万円(3,000株)も可能
最も投資効率が良いのは「100株」の3%還元です。
特典②:お客様感謝デー5%割引(20日・30日)
これはイオンカード利用でも適用される制度ですが、オーナーズカード提示でも5%割引が適用されます。
よって、イオンカード+オーナーズカードの「W提示」での特典併用が可能です(キャッシュバック+5%OFF)。
特典③:長期保有特典(イオンギフトカード)
3年以上保有かつ1,000株以上を保有していると、年1回、ギフトカード進呈があります。
保有株数 | ギフトカード金額 |
---|---|
1,000株以上 | 2,000円 |
2,000株以上 | 4,000円 |
3,000株以上 | 6,000円 |
5,000株以上 | 10,000円 |
ただし、1,000株で投資額は約460万円にのぼります。高額投資の割に利回りは低め。この制度目当てで買い増すのはおすすめしません。
【重要】2025年8月末に1株⇒3株の株式分割を予定
2025年8月末の権利確定日で、イオン株は1株を3株に分割する予定です。つまり:
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現在の株価:約4,600円
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分割後の株価:1,533円前後(理論上)
-
分割後も100株単位での優待条件が維持されるかは未発表
どうすればいい?
分割後の株価が下がれば、100株取得のハードルは下がります。資金に余裕がない場合は、「分割後に購入」も一つの選択肢です。
ただし、分割後に株価が急騰するリスク(需給変化)もあるため、現時点での購入も検討に値します。
イオンモール株との比較|ギフトカード狙いならこちらも有力
「イオンギフトカードがどうしても欲しい」場合、**イオンモール株(8905)**の株主優待も要チェックです。
2025年7月現在の株価は約1,880円。100株保有(約188,000円)で、以下のいずれかを選択可能:
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イオンギフトカード(2,000円相当)
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カタログギフト
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カーボンオフセット特典(CO2排出権)
投資額が抑えられるため、株主優待投資の“練習台”にも適しています。
優待目的の注意点:リスクと向き合う姿勢が大切
株主優待はあくまで「おまけ」です。以下のような方にはおすすめしません。
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イオン店舗が生活圏にない
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株価下落リスクに耐えられない
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優待があっても使う予定がない
優待目的で購入し、株価下落でトータル損失になるケースも現実にあります。
我が家の例:夫婦2名義で100株ずつ保有中
我が家では、夫婦で100株ずつ(計200株)保有し、それぞれオーナーズカードを活用しています。家族4人分の食費・日用品をイオンで購入しており、年間3万円前後のキャッシュバックを得ています。
投資効率・家計節約の実感・生活密着度を考えると、地方の中堅サラリーマン家庭にピッタリの優待制度だと感じます。
まとめ|制度があるうちは、使わなきゃ損
たとえ理念として「株主優待は不公平」と思っても、制度が存在している以上は使わないと損です。
イオン株主優待は、「生活コストを確実に下げる」強力な手段。
特に、イオン系列の店舗が生活圏にある方は必見です。
今後の株式分割に備えて戦略を練るもよし。
自分に有利な制度を冷静に活用し、家計防衛を実現していきましょう。
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