はじめに|賃貸=不安は思い込みだった
50代になると、「持ち家がないと老後は不安じゃない?」と言われる機会が増えました。
私も以前はそう思っていましたが、実際に賃貸暮らし・住宅ローンなしで家計を管理してきた今では、むしろ「賃貸の方が老後のリスクを抑えられるのでは?」と感じています。
私は50代・平社員、妻は専業主婦、子どもは高校3年生と中学2年生。住宅ローンは組まず、ずっと賃貸暮らし。その一方で、総資産は7,000万円台を維持し、老後への道筋も見えてきました。
本記事では、賃貸で老後を迎えることの現実的なメリット・注意点・家計管理のポイントを、私自身の経験と50代のリアルな支出感覚をもとに解説します。
なぜ「賃貸=老後不安」というイメージが強いのか
まず世間一般の「賃貸だと老後は不安」という声には、以下の3つの理由があります。
①家賃が一生続く
持ち家はローン完済後は住宅費が下がるため、老後負担が軽くなると言われます。一方で賃貸は一生家賃が続くため、老後の固定費が高い印象を持たれがちです。
しかし、実際には持ち家でも固定資産税・修繕費・保険料・リフォーム費など複数の支出が定期的に発生します。特に築20〜30年以降は大規模な修繕が必要なケースも多く、持ち家=住宅費ゼロというのは完全な誤解です。
②高齢になると部屋を借りづらい
「70代以降は入居審査に通りにくいのでは?」という不安。
たしかに、家賃滞納リスクや孤独死の問題から、審査が厳しくなる物件もあります。
ただし最近は、
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65歳以上の入居に積極的な物件
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親族保証ではなく保証会社を利用できる物件
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高齢者向け賃貸
など選択肢が増えてきました。
「高齢者だから賃貸は無理」というのは、すでに時代に合わなくなりつつあります。
③“家は資産になる”という価値観
持ち家の代表的なメリットと言われるのが「資産になる」という考え方。しかし、地方を中心に人口減少が進む中、家の資産価値が上がるケースは限定的。売却も容易ではありません。
賃貸暮らしが50代家計に与える3つのメリット
私自身、賃貸を続ける中で「これは本当に助かった」と実感したのが以下の点です。
①まとまった修繕費が一切かからない
子どもの進学・教育費が重なる今の年代で、10万円単位の修理費が不要というのは非常に大きなメリットです。
特にエアコン・給湯器・水回りの故障は突然起こるので、賃貸の「大家負担」は精神的にも家計的にも助かります。
②転勤・子どもの独立後の“住み替え自由度”
50代はライフスタイルが変わりやすい時期です。
子どもが巣立つと必要な部屋数が減り、家賃も下げられる。老後は駅近や医療機関が充実したエリアへ移住する選択肢も取れます。
持ち家だとこうはいきません。
売却・賃貸化にも時間や労力がかかり、思った金額で売れないこともあります。
③固定費が“予測”しやすい
賃貸の家賃は基本的に一定。大規模修繕の負担もないため、老後のシミュレーションが立てやすいのが魅力です。
50代賃貸暮らしの家計はどうなる?私はこう考えた
私は賃貸で生活しながら、長期投資+家計管理で資産を積み上げてきました。
現在は総資産7,000万円台。正直、この年齢・平社員・教育費ピークを考えると、自分でも「よく積み上げた」と感じています。
ここでは、50代賃貸暮らしの家計がどんなイメージになるのか、現実に沿って整理してみます。
①住宅費は“固定費の中の1つ”として捉える
私は家賃を「家計の中の1カテゴリ」として割り切り、以下のように管理しています。
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家賃:月11〜13万円前後
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教育費:年間100万円以上
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食費・日用品:月8〜9万円
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投資:新NISAを中心に月1.3万円(オルカン1万円+S&P500 3千円)
家賃を削りすぎると生活満足度が落ちます。
逆に高すぎると老後資金が危うくなる。
賃貸は柔軟に住み替えできるため、家計状況に合わせて調整できます。
②老後の家賃は“物価のように上がる”前提で見る
将来の家賃を固定で考えるのは危険です。
そのため私は、65歳以降は「毎年+1%上昇する」と仮定し、老後のシミュレーションを行っています。
家賃が上がっても、
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生活水準の調整
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住み替え
ができるのは賃貸の強みです。
③家賃と資産寿命の関係
老後の家賃負担は以下で変わります。
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毎月の固定費
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年金額
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貯蓄・投資資産の規模
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インフレ
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健康状態
私の場合は、
総資産7,000万円台+現役のうちに教育費ピークを乗り越える
という状況なので、家賃込みでも老後の資金寿命に大きな懸念はありません。
賃貸で老後を迎えるために50代で必須の3つの準備
賃貸を選ぶなら、50代から以下の準備をしておくと安心です。
①資産形成の軸は「長期・分散・低コスト」に絞る
私はこれまでずっと、新NISAやインデックスを軸に投資してきました。
レバレッジや信用取引には否定的で、「老後に必要な資産を守る」姿勢を大切にしています。
家賃負担が続くからこそ、
長生きリスクに備えたインデックス投資が効果的
だと実感しています。
②“健康”が最大の資産
賃貸に限らず、老後で最も重要なのは健康。
いくら資産があっても介護が必要になれば住み替えや支出管理が難しくなります。
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定期検診
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運動習慣
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睡眠
地味ですが、老後の選択肢を広げるのは最終的に「健康」です。
③60代前半までに“住みやすいエリア”の目星をつけておく
老後の住み替えは大変です。
そのため私は、60代前半までに以下の条件で住む街を絞っておくつもりです。
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医療アクセス
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駅までの距離
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買い物のしやすさ
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家賃相場
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バス・電車の本数
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子どもとの距離
賃貸なら、生活スタイルに合った街へ柔軟に移ることができます。
結論|賃貸でも老後の安心は十分に可能
賃貸は老後不安と言われがちですが、実際には以下のようなメリットがあります。
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修繕費がかからない
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住み替えがしやすい
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家計の予測がしやすい
-
管理の負担がない
そして50代からできる準備を進めれば、
賃貸でも安心して老後を迎えることは十分に可能
だと私は考えています。
私はこれからも賃貸暮らしを続ける予定です。
住まいは「幸せの器」であり、家計を圧迫する巨大な固定費でもあります。
だからこそ、流動性・柔軟性の高い賃貸は、意外と老後との相性が良いと実感しています。
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