インフレ時代に強い投資とは?今こそ“守りと攻め”のバランスを考える
2025年、私たちの暮らしを直撃しているのが「インフレ」です。物価の上昇、光熱費や食費の高騰、そして円安。こうした環境下で、資産運用においては“守り”と“攻め”のバランスが一段と重要になっています。
本記事では、50代サラリーマンである私自身の経験をもとに、インフレ時代に対応する投資戦略について「守り」と「攻め」に分けて解説し、最終的にどのような配分が現実的なのかを考えていきます。
1. なぜ今「インフレに強い投資」が必要なのか
ここ数年、エネルギー価格や食品価格の上昇、円安による輸入物価の高騰などが進行しています。実質賃金の伸びが鈍い中、現金や預金だけで資産を保有していると、その価値は年々目減りしてしまいます。
また、年金支給額は物価スライド制で一部調整されるとはいえ、インフレ率に完全に追いついているわけではありません。したがって、「お金の価値を守る」ことが投資の最重要課題となりつつあります。
インフレ下では、資産を現金で寝かせることのリスクが高まります。日本円だけで資産を保有している場合、円安や物価上昇のダブルパンチで「知らない間に貧しくなる」ことすらあるのです。したがって、今こそ分散投資の重要性を再確認すべきタイミングと言えます。
2. 守りの投資:インフレ耐性を意識した資産保全戦略
(1)現金・短期債・普通預金の役割
インフレ時に現金は不利と言われますが、「いざというときの生活防衛費」として流動性を確保する役割は重要です。家計の現金ポジションを減らしすぎると、相場急落時に対応できなくなります。
私の場合、現金比率は常に10%以下に抑えつつも、必要最低限の生活防衛費(3〜6カ月分程度)は確保しています。
(2)インフレ連動債や債券は非採用
インフレヘッジの代表格とされるTIPS(物価連動債)や日本の物価連動国債は、理論的には意味がありますが、私は保有していません。理由は以下の通りです:
- インフレ率と連動するとはいえ、価格変動や為替リスクがある
- 分配金は魅力的でも、長期的なリターンに疑問が残る
- 債券そのものに魅力を感じない(特に金利が低水準のまま推移する場合)
以上の理由から、債券投資は「不要」と判断し、組み入れていません。
3. 攻めの投資:インフレを味方につける成長資産
(1)株式:インフレに強い企業を選ぶ
特に、価格転嫁が可能なビジネス(コカ・コーラやP&Gのようなブランド力のある企業)や、インフラ関連(電力・通信)などはインフレ耐性が高いです。
私はS&P500連動型ETFを主力として保有しています。いわゆる「オルカン」(全世界株式)ではなく、ETFで構成しているのが特徴です。信託報酬が低く、取引の柔軟性もあるETFの利点を活かした運用を心がけています。
また、必要に応じて高配当株やセクターETF(素材、エネルギー、生活必需品など)をスパイスとして活用することで、ポートフォリオのバランスを調整しています。
(2)米国株・海外資産:円安対策として
円安が進む局面では、外貨建て資産の価値が円換算で上昇します。S&P500連動型ETFを中心とした運用により、自然に通貨分散が図れています。
米国株は経済成長が継続しており、イノベーション企業も多く、インフレを成長で吸収する力があります。円安対策と成長投資を兼ねているという意味で、インフレ環境下でも非常に有効です。
4. 私の現実的な配分バランス(2025年版)
- インデックスETF(S&P500中心):約90%
- 現金・普通預金:10%以下
- REIT・債券・コモディティ:保有していません
私はREIT(不動産投資信託)は利用しておらず、債券投資も不要と判断しています。また、コモディティ(例:金など)にも投資していません。
コモディティはインフレ耐性があるとされますが、配当がなく、値動きも不安定です。中長期投資としての再現性や安定性を考えると、自分の投資スタイルには合わないと判断しています。
5. まとめ:リスクを恐れず、冷静に分散投資を
インフレ時代の資産運用は、「現金を持たない」か「株にフルベット」かの極端な話ではなく、リスク特性の異なる資産を組み合わせる“設計力”が問われます。
老後の生活に不安を抱える50代だからこそ、目先の損益ではなく「10年後にどうなっているか」を見据えた投資が求められます。
私は「再現性」「分散性」「低コスト」の3つを意識し、ETF中心のインデックス投資を軸に置いています。その中で、現金ポジションも無駄に増やさず、債券やREITに頼ることなく、インフレに備える方法を選択しています。
資産を守りつつ、着実に増やす。そのためには、インフレという環境を理解し、時代に合った戦略を練ることが鍵となるでしょう。特にこれから投資を始める方には、「何を買うか」以上に「なぜ買うか」の軸を持つことが大切です。
👉 個人にとっての債権投資と債権価格の計算の仕方。個人投資家にとって債権投資は不要と考える。
👉 資産7,000万円でも油断した…50代の僕が“逃げ切り”目前でやらかしかけた5つのミス
👉 50代・手取り20万円台でも資産7,200万円|“逃げ切り”老後戦略のリアル
にほんブログ村に参加してます。クリックして頂くと有り難いです。