保険とは「もらわない方がいい」商品である
2025年現在、多くの人が加入している生命保険や医療保険、自動車保険。人生の万が一に備えるために入るものですが、冷静に考えてみると、「保険金をもらえない」ことは良いことだと言えます。
なぜなら、保険は不幸な出来事、すなわち「病気」「けが」「死亡」「事故」などが起こった際に金銭が支払われる仕組みです。言い換えれば、保険金を受け取らない=そのような不幸に遭遇しなかったということ。これはとても幸運なことです。
実際、多くの人は保険に加入しながらも、保険金を一度も請求せずに人生を終えます。そして、それこそが理想の形ともいえるのです。
複雑な保険ほど「損をする可能性」が高い理由
保険会社は「損をしないよう」設計している
保険商品は、保険会社が綿密な統計データに基づいて設計しています。病気の発症率、事故の発生率、死亡リスクなどをもとに、“絶対に保険会社が損をしない仕組み”で料金(保険料)が決められています。
つまり、平均的な人が加入すれば保険会社が儲かるように設計されているということ。複雑なプランになればなるほど、保険会社にとって利益が出やすい構造になっているのです。
「特約」や「付加サービス」には要注意
近年では、医療保険やがん保険などにさまざまな「特約」が付いた商品が数多く販売されています。しかし、多くの特約は細かな適用条件が存在し、実際には支払われないケースも少なくありません。
例えば、「がん診断特約」では「特定のステージ以降でなければ支払い対象にならない」といった条件があったり、通院回数や治療内容に制限があることも。
このように、特約の細かい条件をよく理解しないまま加入してしまうと、いざというときに「適用外だった」という事態に陥りかねません。
必要な保険と不必要な保険を見極める
自分にとって「想定不可能なリスク」こそ備えるべき
すべての保険が不要というわけではありません。重要なのは、“どのようなリスクに備えるべきか”を明確にすることです。
具体的には以下のような保険は必要性が高いといえます:
- 自動車保険(対人・対物補償)
- 火災保険(自宅が火災や自然災害で損害を受けたとき)
- 損害賠償保険(第三者に損害を与えてしまった場合)
これらはいずれも、自分のミスや予期せぬ事故で「第三者に大きな被害を与えてしまう可能性」に備えるもの。個人の手に負えないリスクにこそ保険で備える価値があります。
自分で備えられるリスクは「貯金」で対応
一方で、入院1日あたり5,000円〜10,000円を保障する医療保険や、貯蓄型の生命保険などは、貯金でカバー可能なリスクです。
例えば、日本の公的医療保険制度には「高額療養費制度」があります。これにより、月に数十万円の医療費が発生しても、自己負担は数万円程度に抑えられるケースが大半。
したがって、数十万円〜100万円程度の生活防衛資金がある人は、医療保険を無理に契約する必要はありません。
ネット保険の活用でシンプルかつ安価に
2025年現在、ネット保険会社のサービスは充実しており、店舗や営業員を持たない分、保険料が割安になっています。
また、商品の設計もシンプルで分かりやすく、必要な保障内容を自分で選んで契約できます。代表的なネット保険会社には以下のようなものがあります:
- ライフネット生命
- アクサダイレクト
- チューリッヒ保険会社
ネット保険を活用すれば、営業トークに流されることなく、冷静に比較検討が可能です。保険を見直す際には、ぜひ選択肢に加えましょう。
生保レディーのセールストークに注意
営業トークは「顧客利益」より「自社利益」
保険会社は、多くの生保レディー(営業職員)を雇って保険を販売しています。しかし彼女たちの多くは歩合制であり、売った保険商品に応じて報酬が発生します。
そのため、顧客の本当のニーズよりも「手数料が高い商品」や「複雑な終身保険」を勧めてくるケースもあります。
営業職員の人件費や販促コストが商品に上乗せされていることを考えると、顧客が得をする商品にはなりにくい構造です。
保険をミニマムで合理的に使う3つのポイント
- 目的とリスクの範囲を明確にする
- どのような事態に備えたいかを言語化しましょう。リスクの「大きさ」と「確率」の両面から検討。
- シンプルな商品を選ぶ
- 通販型・ネット型保険を中心に、条件が明確で余計な特約のない商品を選ぶ。
- 定期的に見直す
- ライフステージの変化(結婚・出産・退職など)に合わせて保障内容を見直すことが大切です。
まとめ:保険は「もらわないのが理想」だからこそ、必要最小限に
保険とは、本来「人生に起こるかもしれないリスクへの備え」です。しかし、すべてのリスクに備えようとするとキリがありませんし、保険料が家計を圧迫するだけになってしまいます。
だからこそ、保険はミニマムに、必要最低限に留めるのが正解です。
- 複雑な商品は避け、シンプルな保険を選ぶ
- ネット保険を活用し、営業コストをカット
- 第三者に損害を与えるリスクにはきちんと備える
2025年の今こそ、保険の本質を見極め、自分に合った“合理的なリスク管理”を始めましょう。
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