50代の平社員で、お酒がまったく飲めない私にとって職場の飲み会は苦痛でしかありません。つらいのは飲めないこと以上に、延々と続く上司の武勇伝や押しつけられる仕事論。
そして会計になると役職ではなく年齢を理由に多めの支払いを求められる理不尽さ。出世レースを降りた今は、家族との時間と健康を最優先にしています。
この記事では、飲めない人が角を立てずに付き合いを減らす方法や、一次会でスマートに帰るコツも紹介します。
飲み会がつらいのは“お酒”ではなく“話の中身”
私は体質的にお酒がまったく飲めません。ウーロン茶やジンジャーエールを片手に過ごしますが、問題は飲み物ではなく話の内容です。席に着くや否や始まる「仕事とは何か」の長い演説や、自慢混じりの指導。会議なら反論もできますが、飲み会ではただ頷くしかない。
相手は盛り上げているつもりでも、こちらの体力と気力は確実に消耗していきます。しかも飲めない人は、場のテンポに合わせてグラスを空ける必要もないため、時間の密度の薄さをなおさら強く感じるのです。
避けられない武勇伝タイムと、心が離れる瞬間
役職に就いた人は、過去の大きな案件や部下の人数を語りたくなるものです。誇らしい経験だと理解はします。しかし同じ話が何度も繰り返されると、聞き手の心は離れていく。
私が知りたいのは「今の現場で再現できる小さな工夫」や「明日から使える手順」であって、十年前の偶然と勢いの話ではありません。
家で家族と食卓を囲み、早く休む方がよほど豊かに感じます。飲めない私にとっては、なおさら帰宅のメリットが大きいのです。
出世レースを降りた50代にとっての費用対効果
40代まで私は社内コミュニケーションこそ資産だと信じ、飲み会やイベントに積極的に参加してきました。しかし50代になって気づきます。評価や昇進は飲み会ではほぼ変わらない。所属や人事の都合、タイミング、ポジションの空き――そういった外部要因の比重が大きいからです。
翌日のパフォーマンス低下、交通費や会費の負担、睡眠の質の悪化まで含めて損益をならすと、飲み会の費用対効果は限りなく低い。飲めない人の場合、元が取れた感覚すら得にくく「ただ時間を失った」という印象が残りやすいのも事実です。
断れない会はある。だから線引きを決める
歓送迎会や取引先との会食など、社会人として避けられない場はあります。そこで私は一次会だけ参加、二次会は行かない、週末や翌日に重要な予定がある日は不参加というルールを設けました。
最初に幹事へ伝えておく、カレンダーに予定ブロックを入れておく、退席時間を冒頭に共有しておく――この三つを徹底するだけで、余計な気まずさは減ります。
飲めないことも最初に伝え「炭酸水で乾杯します」と宣言しておくと、勧められる回数も目に見えて減ります。
会計で露呈するダブルスタンダード
最もモヤモヤするのは会計です。威勢よく語っていた上司が精算時には割り勘、時には年齢を理由に多めの支払いを求めてくる。仕事上の判断は役職を盾にし、会計では年齢順に切り替える――その都合の良さにはうんざりします。
私の基準はシンプルです。「誘った側が多めに、評価を得たい側が多めに、全員の合意が取れないなら会費制でフラットに」。
この原則が守られれば、場の空気はもっと健全になるはずです。飲めない人へのドリンク差も小さくはありません。最初から会費にノンアルコール割を設けるだけでも、不公平感はぐっと下がります。
なぜ武勇伝が刺さらないのか
過去の成功談は語り手にとって大事な学びです。ただ、聞き手が求めているのは「今の自分に役立つ話」。私は次の三点を満たす話だけ、耳を傾ける価値があると思っています。
第一に再現可能であること。第二に前提条件が明示されていること。第三に副作用やリスクもセットで語られていること。
これらが欠けるなら、それは物語であって実務のヒントではありません。飲めない私が乾いた喉で聞き続けるには、代価が大きすぎるのです。
角を立てない断り方テンプレ
全部断るのは現実的ではありません。だから私は言い回しを用意しています。
「翌朝早くに家の用事があるので一次会まで」
「体質でアルコールを受け付けないため短時間だけ参加します」
「今月は外食を減らしていて控えめにします」
これに「代わりに来週ランチをご一緒しませんか?」を添えると、角が取れます。メッセージは事前に幹事へ送り、当日は入口に近い席を確保。上着と鞄は手の届く場所に置き、終盤に自然と立てる導線を作っておきます。
家族と自分の時間に投資するという選択
飲み会に行かない夜、私は家族と夕食を囲み、子どもの近況を聞き、食器を洗い、風呂にゆっくり浸かります。寝る前に軽くストレッチをして、読書。
翌日は頭が冴え、仕事が早く終わる。早く帰れる日が増え、また家族が笑う。私の小さな幸せは、この循環の中にあります。時間とお金の使い道を変えただけで、生活の質は静かに底上げされます。
それでも参加する価値がある場を見極める
すべての飲み会を否定したいわけではありません。本気で尊敬している人の送別会、若手の門出を祝う会、プロジェクトの節目を共有する集まり――こうした場は、私にとっても意味があります。
感謝を言葉にし、握手をして、短時間でも顔を出す。無差別に断るのではなく、価値のある場には敬意を払う。それが大人の距離感だと思います。
費用対効果を数字でざっくり可視化
平日夜の三時間、移動を含めれば四時間。会費と交通費で五千円。睡眠は一時間減り、翌日の集中力が落ちる。
私はこの四時間を家族との夕食、入浴、読書、早寝に置き換えました。結果、翌日の仕事が一時間早く片づき、帰宅が早い日が増えた。
金銭だけでなく、体力と時間の収支まで含めて考えれば、結論は明らかです。飲めない人にとって、その差はさらに大きくなります。
まとめ
飲み会がつらい本質はお酒ではなく、長く抽象的な話と不明確な会計にあります。断れない場だけ参加し、退席時刻を宣言し、会費をフラットにする。
余った時間とお金は、家族と自分の健康に投資する。武勇伝よりも、今日を良くする出来事を積み重ねる。お酒が飲めない私にとって、これが働き続けるための現実的な答えです。
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