デフレが長く続いてきたので普通預金で現金を保持していることはそれほど悪くない資産保管場所と言える。
日本は長い間デフレ経済が続いてきています。アベノミクスで金融緩和を行い財政出動を積極的に行いデフレ脱却を目指して来ました。また、日銀も物価上昇率を2%と掲げて来ましたが、なかなか実現できていないのが実情です。
デフレとは
そもそもデフレとは供給に対して需要が追いついていない状態を言います。要するに物が売れなくて物価が下がっていく状況になることです。日本は長いことデフレが続きなかなか物価が上がっていきません。
デフレが長く続くと
供給>需要→物が売れない→物の価格が下落→企業はコストカットを行う→供給>需要
のサイクルが起こります。これをデフレ・スパイラルと言われるやつです。日本は長年このデフレ・スパイラルに苦しんできています。
デフレは現金の価値が上がっている状態。
デフレになると相対的に現金の価値が上がっていることになります。デフレの定義でも分かるように物価が下がってく状態なので100円で買えた物が翌年には90円で買えることとになるからです。そうすると現金を普通貯金に置いておくだけで現金自体の価値は上がっているのです。ですので、いくら金利が安いといっても物価推移から考えたら普通預金でお金を置いておくことはそれほど悪い保管先ではないのです。
インフレではないが物価は少しづつ上昇している。
普段生活をしていると食品関係で値上げを実感している人は多いと思います。食品メーカーは原材料の多くを海外からの輸入に頼っているます。なので、海外の物価上昇はそのまま原材料価格の上昇につながります。原料価格の上昇をそのまま売価に転嫁している食品もありますが、多くの場合、価格を据え置いて内容量を減らすことを行っています。いわゆるステルス値上げです。価格を引き上げると販売数量の低下を招く恐れがあるので企業はなかなか価格にそのまま転嫁できない状況にあるのです。
食料品以外でも物価は上がっている
食料品以外でも身近な例で物価が大きく上がっている物があります。それは不動産です。日本は歴史的に見ても驚異的な低金利にあります。今は日銀の政策でマイナス金利の状態でもあります。なので住宅ローン金利も低くなっておりサラリーマンが低金利で住宅ローンを組むことが可能になっています。なので、不動産を購入しやすいという状況から不動産価格は上昇して来ました。
不動産以外にも自動車の販売価格も上昇しています。軽自動車が高くなったと言われたりしますが普通乗用車も販売価格自体は上昇しているのです。これは現在価格が上昇しているので当然といえば当然です。しかし、インフレになっているかと言えばインフレになっていません。
インフレとは
そもそもインフレとはデフレの対義語になります。いわゆる供給<需要の状況を言います。
インフレ状況での経済は、
供給<需要→設備投資増加→物価上昇→人材不足→個人の所得増加→供給<需要
というのようなデフレ・スパイラルとは別の経済循環が生まれ景気が良くなっていきます。政府などは早くこの循環に持っていきたいのです。資本経済ではインフレ率が2%から4%が良いとされています。
個人の所得が上がらない中、物価だけが上昇している状況。
では、なぜインフレにならないのでしょうか。それは個人所得がなかなか上がっていないことにあります。原料価格は上昇しているが企業はなかなか積極的に価格に転嫁出来ていません。それというのは個人所得が上がっていないので価格転嫁すると販売量自体が減ってしまうからです。個人所得が上がって個人消費が上昇するような状況になれば少しづつインフレ傾向になっていきます。
インフレの時は現物資産が有利になる
インフレはデフレの対義語と言いました。なので逆にインフレ化で普通預金で現金を保持していると現金価値が下がっていくことになります。現金を普通預金で保持しておくことが逆にリスクになるのです。通常は物価と景気が上昇すると金利も上昇してきます。なので、普通預金金利も上昇するので普通預金の置いておいても損はないように思います。しかし、インフレ化では金利上昇率以上に物価が上昇して行きます。なので、普通預金の現金を置いておくより現物資産に変えたほうが得することになります。現物資産とは金とか銀などの資産を言います。ただ、現物資産はそれ自体に生産性はありません。また、金とか銀などは世界経済にも大きく影響を受けるので正確な価格を把握するのはなかなか難しいです。
インフレ初期は株式投資が有利
なので、一番手っ取り早いのは株式に投資をしておくのが良いかと思います。特にインフレ初期には株価が大きく上昇したりすますのでインフレになる前に購入しておくことをおすすめします。※タイミングは誰も分かりませんが。
しかし、インフレが進むと政府は金融引締めに入ります。そうすると株価は低迷しだすので過度なリスクを取らないように気をつけて下さい。
インフレリスクを煽る金融商品には気をつけて下さい。
今はデフレ化にありますが、いつインフレに触れるか分かりません。長くデフレが続いていますのでインフレに対する警戒心も必要だと思います。ただ、このインフレになるリスクを過度に煽って金融商品をすすめてくる金融機関などがあるので注意して下さい。先程、現物資産に投資した方が良いなどと書きましたが、このような投資商品をすすめる営業マンがいたりします。しかし、現物資産に投資するのは、なかなか正確な価格を把握するのが難しいので素人はなるべく手を出さないのが安全です。また、不動産投資などをすすめる業者もこのインフレリスクを営業トークにしたりします。不動産は十分に価格が高くなっているので近づかない方が良いです。