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埋没費用(サンクスコスト)についてしっかり考えて行動をする必要がある。自分の買値にこだわる必要なし。

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株式投資において埋没費用(サンクスコスト)について理解しておいた方が良い。

埋没費用(サンクスコスト)とは既に費用が発生して回収不能なコストを言います。何らかの利益を享受するために何かの費用(コスト)を負担した場合、過去に発生した費用はもう回収不能です。次に意思決定をする場合には回収不能のコストは考えるだけ無駄です。これをないものとして考えなくてはならないのです。

埋没費用(サンクスコスト)の例

例えば、あなたが東京から大阪まで出張をしてある商品を売る必要があります。この商品が売れれば4万円の利益を上げることが出来るのです。なので、あなたは金券ショップで往復航空券を3万円で購入しました。出張をしても1万円の利益を上げることが出来るのです。しかし、空港までに行くと金券ショップで購入した往復航空券を紛失してしまったことに気がつきます。もう飛行機に乗らないと商談に間に合いません。なので、紛失してしまった航空券を探している時間がありません。どうしようかと考えていると格安航空会社の航空券が往復3万円で売られていることに気がつきました。その時、あなたは格安航空会社の航空券を購入して商談に向かうでしょうか。結果的には往復6万円支払うことになります。なので2万円の赤字になります。

既に支払った費用は考慮に入れない。現時点の意思決定が重要。

しかし、このような場合、迷わず格安航空会社の往復航空券を購入するべきなのです。既に支払ってしまった金券ショップの航空券は、もうどうする事も出来ない取り戻すことが出来ない費用なのです。現時点の判断において既に支払ってしまった費用は関係ないのです。1万円の利益を上げるのに出張しても良いと判断したのであれば空港に着いた時点で費用負担をどうするかと考えるのが正しい行動です。

埋没費用(サンクスコスト)を忘れると過去の損失を取り戻そうとして損を拡大させる恐れがある。

埋没費用(サンクスコスト)を考える場合、現時点の判断が重要になります。人にお金を100万円貸していたとします。借金している人が「あと、10万円追加で貸してくれ。今、10万円貸してくれないと前に借りた100万円も返せなくなる。」と言われたとします。この時に100万円を全部損をしてしまうなら追加で10万円貸した方が100万円損をしなくて済むと思わないことです。この人の与信として追加で10万円貸すことが妥当かと判断するだけで良いのです。過去に100万円貸し付けた判断ミスはどうすることも出来ません。もう返ってこないと判断したら100万円はあきらめるしかないのです。失った損失を考慮に入れて取り戻そうとすると判断を誤ります。

株式投資において埋没費用(サンクスコスト)をどう考えるか。自分の買値を判断材料に入れてはいけない。

株式投資において埋没費用(サンクスコスト)が重要なのは含み損を抱えている時です。人は損失を確定させるのに強い抵抗があるようです。1,000円で購入した株が800円になってしまった場合、損失を確定するのを避けて塩漬け株にしてしまうことがあります。この既に損をしてしまった200円は埋没費用(サンクスコスト)であり、現時点の意思決定に影響させてはいけません。過去の判断ミスは現時点の判断に関係ないのです。1,000円で購入した株ですが800円でも持ち続けるのが会社の業績も含めて良いと判断すれば持ち続けたらいいのです。しかし、800円の価値がないと判断したらすぐに売るべきです。自分の買値を意思決定の判断材料にするのは間違いなのです。

買値にこだわらないで判断するのは難しいのが現実です。

しかし、実際には損を確定させるのには強い抵抗があるのも事実です。多くの個人投資家の人は自分の買値を意識しないで取引できている人は少ないのではないでしょうか。複数銘柄を保有していたら自分の買値を意識して塩漬け株になっている株が数銘柄はあることが多いと思います。

自分の買値を意識しないで判断する方法

自分の買値を意識しないのは理論的に正しいですが、感情的にはなかなか出来ません。なので私が実践している方法を少しご紹介します。このサイトで推奨している投資方法はインデックスファンドを長期的に保有することです。しかし、インデックスファンドも自分の購入金額は分かります。なので、投資スタイルとして毎月決まった金額を積み立てるようにして購入して行きます。購入する時に買値やタイミングを図ってはいけません。特に買値とタイミングを意識しないで坦々と追加購入を繰り返すだけです。その行為が長く続けば特に買値が気にならなくなります。ようするにほったらかし投資です。何も考えないのが正解の場合が多いので、それを実践するだけです。

投資の世界の常識に沿って投資していれば良いのです。

投資の世界の常識ですがアクティブファンドの投資成績がインデックスファンドの投資成績に負けているという現実があります。世界中のプロがいろいろ考えて投資方法を工夫をしても何も考えないでインデックスファンドに投資している方がパフォーマンスが良いという現実に乗っかっていれば良いというのがお勧めの投資法です。

現金が必要な時は迷わず現金化するのが正解

また、もし急にお金が必要になったら必要な金額を現金化すれば良いです。この時も埋没費用(サンクスコスト)の考えと同じです。現時点でお金が必要であれば、その判断通り何も考えずに株を売って現金にするのが正解です。上げ相場なので現金化するのはもったいないといって借金をするのはお勧めしません。(本当に有利な条件で借金できるなら別ですが)