はじめに:資産が減る50代は“自然現象”
50代になると、家計の中で教育費が大きな比重を占めます。
私も高校3年生と中学2年生の子を持つ父親として、まさに「学費のピーク」を経験中です。
ここ数年で、入学金・授業料・教材費・交通費・パソコン代など、年間で約100万円程度の支出が続きました。
貯めてきた資産が減っていくのを見るのは、正直つらい。
しかしこれは、老後資金を崩壊させる「赤信号」ではありません。
むしろ、人生の中でいちばんお金が出ていく時期に差しかかったという“自然な流れ”なのです。
焦るより、冷静に“資金の出入り”を見える化すること。
それが、50代のマネープランにおける第一歩です。
1. 教育費で資産が減るのは「仕方ない」ではなく「想定内」
文部科学省の調査によると、大学4年間にかかる学費は私立文系で約400万円、理系なら600万円を超えます。
これに入学金や一人暮らし費用が加われば、総額700万円超も珍しくありません。
私の場合、長女の専門学校入学のために約80万円を一括払いしました。
定期預金を解約し、事前に積み立てていた教育口座から資金を移動。
準備していたからこそ、資産が減っても焦りはありませんでした。
つまり、「学費で資産が減る」ことをあらかじめ“計画された支出”として扱うのがコツ。
支出のピークは想定できるのだから、落ち着いて受け入れる準備をしておくことが大切です。
2. 老後資金を守る「3つの優先順位」
教育費と老後資金を両立させるためには、優先順位の整理が欠かせません。
私が意識しているのは次の3つです。
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現金比率を高める
→ 教育費支出が多い時期は、生活費+学費の6〜12か月分を現金で確保。 -
積立投資は“細く長く”続ける
→ 新NISAの積立額を月13,000円に減らしても「止めない」ことを最優先。 -
学費支出後に再加速
→ 教育費が一段落したら、積立額を段階的に増やして再スタート。
この3つを守れば、教育費が落ち着く頃には再び老後資産を増やす「リスタート期」に入れます。
焦るのではなく、「一時的にスローダウンしているだけ」と考えるのが現実的です。
3. 教育ローンよりも“計画的な取り崩し”を選ぶ
教育ローンを利用するか悩む人も多いですが、50代では返済期間が短く、金利負担が家計を圧迫します。
私はあえてローンを使わず、計画的な取り崩しを選びました。
・定期預金とボーナスから支払う
・投資信託には手を付けず、現金で対応
・支出後も現金残高を最低3か月分キープ
このように“防御を崩さない範囲で取り崩す”ことで、資産のリズムを保ちました。
借りないという選択は、家計の柔軟性を守る最大の防御策です。
4. 支出を“見える化”して不安を減らす
教育費の支払いは、予想できるのに「いつ・いくら出るのか」が不明確になりがちです。
我が家では、支出の全体像をつかむために次のように工夫しています。
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教育専用口座を作る
→ 給与口座とは分けて、学費・教材・交通費をすべてこの口座から支出。 -
年間スケジュールを作成
→ 入学金・授業料・更新費など、時期ごとにリスト化。 -
ボーナス月に自動積立
→ 半年ごとに自動振替を設定し、急な支払いにも備える。
これで「支払いが重なってパニックになる」ことがなくなりました。
お金の不安は“見えないこと”から生まれます。
家計の透明化=精神的な安定です。
5. 家計リズムを維持するためのマイルール
学費の支払いで資産が減っても、家計のリズムを崩さなければ問題ありません。
私のマイルールは次の3つです。
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積立を止めず、金額だけ下げる
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固定費(通信・保険・サブスク)を年1回見直す
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外食とレジャーは「年予算制」で管理する
この仕組みを守るだけで、毎月のキャッシュフローが安定します。
老後資金を守るとは、「資産を減らさない」ことではなく、リズムを保つことなのです。
6. 教育費と老後資金を両立する現実的シミュレーション
例えば、現在の資産が7,000万円で年間学費が100万円。
あと5年間支払いが続いたとしても、支出総額は500万円。
一見大きな負担に思えますが、資産の約7%。
仮に年3%で運用していれば、運用益だけで年間210万円。
つまり、教育費は運用益+一部取り崩しで十分まかなえる範囲です。
数字で確認すれば、「資産が減っても大丈夫」と実感できます。
7. 心の焦りを抑える3つの思考法
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教育費は“投資”と捉える
→ 子どもの成長を支える支出は将来の安心につながる。 -
資産の増減より“生活の安定”を重視
→ 一時的な減少に惑わされない。 -
老後資金は“時間”で回復できる
→ 教育費のピークが終われば再積立の時間がある。
こうした考え方を持つことで、「今しかできない支出」を前向きに受け入れられます。
まとめ:焦らず、仕組みで家計を守る
50代で学費の支払いに追われても、それは避けて通れない通過点です。
大切なのは焦らず、仕組みで家計を支えること。
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支出のピークを“想定内”にする
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積立を細く長く続ける
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支払いスケジュールを見える化する
この3つを実践すれば、資産が減っても老後の安心は揺らぎません。
焦るより、「減って当然」と受け入れること。
それが、50代サラリーマンの現実的なマネープランです。
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