「情報を集めれば投資はうまくいく」——昔の私は、わりと本気でそう思っていました。ニュース、SNS、YouTube、決算解説、著名投資家の発言。通勤中も昼休みも、画面をスクロールしては「次に来るテーマ」を探していたんです。

でも今は結論が逆です。私の投資成績をいちばん削ったのは、銘柄選びでもタイミングでもなく“情報”でした。情報量が増えるほど判断回数が増え、判断回数が増えるほどミスが増える。50代になって入金力も時間も限られるほど、この悪循環が効いてきます。

この記事では、賃貸暮らしの50代平社員である私が、実際に遮断してよかったもの、そして「遮断しても不安にならない仕組み」をまとめます。新NISAで長期・分散・低コストを続けたい人ほど、役に立つはずです。

なぜ“情報”が投資の邪魔になるのか

投資の世界は、正しい情報とノイズが同じ顔をして流れてきます。問題は、ノイズほど感情を揺さぶり、行動させる点です。

例えばこんな流れ、身に覚えありませんか。

  • 速報で急落を知る→「何か起きた?」と焦る

  • 解説動画を見て納得する→「今すぐ動くべき」と錯覚する

  • いろいろ読んで混乱する→結局、売買してスッキリしたくなる

これ、どれも“感情の処理”なんですよね。投資で一番高いコストは、手数料ではなく「感情で動いた損失」だと私は痛感しました。

さらに50代は、若い頃よりも負けが痛い。教育費や家計の変動があり、資産が増えても「守り」が必要になります。レバレッジや信用取引のような一撃狙いが怖いのも、この年代のリアルです。だからこそ、情報による揺さぶりを減らして“動かない仕組み”を作る価値があります。

50代の私が遮断した7つのもの

ここからが本題です。私が実際に「見ない・追わない」と決めたものを7つ挙げます。全部やる必要はありません。1つでも減ると、投資のストレスはかなり軽くなります。

1)株価チェック(毎日・毎時間)

一番効きました。株価を見れば見るほど、頭の中が「評価損益の増減」だけで埋まります。すると、長期投資のはずが短期の勝ち負けゲームに変わる。

今の私は、基本は月1回。見ても“資産配分”の確認だけです。個別銘柄の値動きを追うのをやめたら、売買回数が激減し、結果的にミスも減りました。

2)予想記事(為替・株価・景気の当てもの)

「来月のドル円は」「次の利上げは」「日経平均は年末に…」。当たるか外れるかの話を追っても、私の積立設定は変わりません。変えないのに読むのは、娯楽か不安の燃料です。

予想は刺激的で、読めば“賢くなった気分”になります。でも、投資の成果に直結しないことが多い。私はここを切りました。

3)SNSのタイムライン(特に成功体験の自慢)

SNSは便利ですが、タイムラインは「他人の成功」が流れてくる装置でもあります。

  • 〇〇で爆益

  • 今年は+◯%

  • 仕込み完了、あとは上がるだけ

見るほど、焦ります。焦るほど、普段やらないことをやりたくなる。私にとっては、FOMO(取り残される恐怖)を煽る装置でした。今は“見る場所”を限定し、タイムラインのだら見はしません。

4)テーマ株・旬のランキング

テーマ株は「分かりやすい物語」があるので、買う理由が作りやすい。逆に言うと、売る理由も作りやすい。材料が消えたら終わり、みたいな動きになりがちです。

私は昔、旬のテーマに乗って高値掴み→下落で損切り、を何度かやりました。いま振り返ると、情報に踊らされた典型例です。

5)“結論だけ”の断言動画(煽り系)

「これから暴落確定」「この銘柄だけでOK」「今すぐ逃げろ」。断言は気持ちいい。でも相場は、断言できるほど単純じゃない。

煽り系は、見た瞬間に心拍数が上がります。上がった心拍数のまま売買すると、だいたいろくな結果になりません。私は、断言口調の発信は距離を置きました。

6)細かすぎる経済指標ウォッチ(毎回の数字追い)

雇用統計、CPI、GDP…もちろん重要です。でも、長期の積立投資で「毎回の数字に反応して設定を変える」のは、効果より副作用が大きいと感じました。

私は“年に数回、ざっくり”で十分。景気後退が来ても、来なくても、積立は続ける。そう決めたら、指標に振り回されなくなります。

7)掲示板・コメント欄の論争

買い派 vs 売り派、インデックス派 vs 高配当派。論争は面白いのですが、読み込むほど疲れる割に、ポートフォリオは強くならない。

特に怖いのは、論争を読んだ直後に「自分も何か言いたい」「どちらが正しいか決めたい」モードになってしまうこと。投資に必要なのは、正しさの勝負より“継続できるルール”です。

情報を減らしても不安にならない“仕組み”

遮断だけだと、最初は不安になります。そこで私がやったのは、「不安になる場面を先に潰す」仕組み作りでした。

生活防衛資金を3か月分以上、現金で確保する

これがあると、暴落時のメンタルが全然違います。生活費が足りないと、相場の下げが“恐怖”になり、売りたくなります。現金があると、下げは“ただの値動き”に変わる。

ルールは“決めたら固定”、見直しは年1回

私のルールはシンプルです。

  • 新NISAはインデックス中心(長期・分散・低コスト)

  • 追加投資は生活と教育費の余裕がある範囲だけ

  • リバランスは年1回(大きくズレたときだけ)

  • 相場急変でも、原則は売らない

そして見直しタイミングを年1回に固定しました。頻繁に見直すと、結局「相場の声がでかい時」にルールを変えがちだからです。

チェック頻度を先に決める(例:月1・四半期1)

“見ない”は難しいので、“いつ見るか”を決めます。私は月1回、家計と資産の棚卸しのときだけ。四半期に1回、運用方針の確認。これで十分でした。

情報源を“3つだけ”に絞る

私は、情報源を増やすほど迷うタイプです。だから、最低限だけ。

  • 制度や税制:公式情報(金融庁など)

  • 商品の中身:運用会社の目論見書・交付目論見書

  • 市況の把握:週1回程度の信頼できるまとめ

これ以上増やすと、情報を“消費”して満足するだけになりやすい。ここは自分の性格に合わせて割り切りました。

それでも必要な情報はある

「情報を遮断=何も学ばない」ではありません。私が残しているのは、投資行動を変えずに“守り”を厚くする情報です。

  • 新NISAの制度変更や注意点(変更があれば対応が必要)

  • 自分の投信の信託報酬やベンチマーク変更など(商品が変わる話)

  • 家計の固定費・保険・通信費などの改善(投資以前に効く)

要するに、「相場を当てる情報」より「自分の家計とルールを守る情報」を優先する。50代の投資は、ここが効きます。

遮断を続けるために私がやった“具体策”

「見ない」と決めても、スマホが手元にあると負けます。意思より環境です。私が効果を感じた具体策を並べます。

  • 市況アプリの通知を全部オフ(急落速報を遮断)

  • SNSはホーム画面から外す(開くまでに一手間かける)

  • YouTubeは“おすすめ”を見ない。見るなら保存した再生リストだけ

  • 平日のチェック時間を固定(通勤中は読書か音楽に切り替え)

  • 週末に15分だけ「まとめ」を読む。平日は追わない

これをやったら、相場の話題が頭から消える時間が増えました。すると不思議なもので、投資に対する“自信”が戻ってきます。情報で固めた自信ではなく、ルールを守れたという自信です。

“情報遮断”で逆にやってはいけないこと

最後に注意点も。遮断がうまくいくと気持ちが軽くなる反面、次の落とし穴があります。

  • 手数料や信託報酬の確認までサボる(ここはコストに直結)

  • 生活防衛資金を減らして投資に回しすぎる(暴落時に売る原因)

  • 家計が崩れているのに相場だけ遮断する(根っこは家計の不安)

遮断は“逃げ”ではなく、長期投資を続けるための整備だと私は思っています。

まとめ|成績を上げるのは“情報量”より“継続力”

情報は、集めるほど安心できるように見えて、実は不安を増やすことがあります。私が遮断してよかったのは、相場の予想や煽りや比較です。代わりに残したのは、制度の確認と家計の整備、そして年1回の見直しだけ。

50代は、派手な一発より「退場しないこと」が最重要です。情報を減らして、判断回数を減らして、ルールを固定する。これだけで投資はかなり楽になります。

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