「今、株高でみんな儲かってるようですね。」という声をよく耳にします。
たしかに2025年9月現在、日本株は史上最高値圏にあります。
しかし実際に利益を得ているのは“みんな”ではありません。
この記事では、最新の株価動向と、誰が利益を享受しているのかをわかりやすく解説し、50代投資家の実感も交えてお伝えします。
日本株は本当に株高なのか?
結論から言うと、日本株は現在「明確な株高相場」にあります。
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日経平均株価(Nikkei 225)は 2025年9月2日時点で約42,310円。前日比でも +0.29% と上昇しました。
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TOPIX(東証株価指数)も 3,082ポイント前後 と堅調に推移。
この水準は 1970年代以降の最高水準 に位置しており、バブル崩壊後としては未踏の高値です。私自身、18年の投資経験でもここまでの水準は初めてです。
日経平均とTOPIXは2025年8月下旬から9月初旬にかけて史上最高値圏で推移している
誰が利益を得ているのか?
ここで重要なのは、株高の恩恵を受けているのが「みんな」ではない点です。
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外国人投資家が主役
2025年の上昇相場をけん引しているのは、圧倒的に海外資本です。海外投資家は大量の資金を日本株へ流入させています。 -
国内個人はむしろ撤退
今年だけで 約230億ドル(約3.3兆円)規模の資金流出 が報じられており、リテール投資家は上昇局面で株を手放してしまった形です。
つまり、「株高=国内の個人投資家が潤っている」とは限らず、実際には 海外勢が儲けている構図 が浮かび上がります。
国内個人投資家が売ってしまう理由
なぜ日本人投資家は株高を前に撤退してしまうのか。背景にはいくつかの事情があります。
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生活費や教育費の負担
50代・60代は子どもの教育費や親の介護費用が重なりやすく、株価が上がったタイミングで一度現金化してしまう傾向があります。 -
老後資金の確保
「株はいつ暴落するか分からない」という不安から、老後の生活費を確保するために利益を確定しておこうと考える人が多いです。 -
高値掴みの恐怖
これ以上上がらないのでは?という不安に駆られ、せっかくの上昇相場から降りてしまう心理も働きます。
私自身も、株価が急騰すると「ここが天井かもしれない」と売りたくなる誘惑に駆られます。しかし過去に売ってしまった銘柄がその後さらに値上がりし、悔しい思いをした経験が何度もありました。そこから学んだのは「結局、長期で持ち続けた人が報われる」という事実です。
背景にある好材料
なぜ日本株に海外マネーが流れ込むのか。背景にはいくつかの好材料があります。
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日銀の政策転換
長期金利の上昇や国債買い入れ縮小により、為替の安定感が増し、投資資金が株式にシフト。 -
企業のガバナンス改善
東証が上場企業に改善要請を強めたことで、PBR(株価純資産倍率)の是正や資本効率改善が進展。 -
自社株買いの活発化
企業の自己資本を活かした株主還元が株価を押し上げています。 -
インフレ環境と実質金利
欧米に比べて日本は金利が低く、インフレ率も緩やか。そのため実質リターンが見込みやすい状況となっています。
投資家心理と相場の難しさ
株高相場では、以下のような心理が交錯します。
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「まだ上がるかも」と思い追加投資してしまう。
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「そろそろ天井だ」と考えて売ってしまう。
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「売らなきゃ良かった」と後悔する。
このように、投資家心理は常に揺れ動きます。私自身も、過去に株価が上がったときに勇気を持って売らなかった経験が、長期で資産を伸ばす結果につながりました。
今後のリスクとシナリオ
もちろん、この株高が永遠に続く保証はありません。
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米国の利上げ再加速:インフレ再燃で金利が上がれば、グローバル資金が米国債に流れる可能性。
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中国経済の減速:不動産不況や成長鈍化が日本企業に波及するリスク。
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為替変動:円高に振れると輸出企業の業績が圧迫され、株価の重しに。
長期投資家にとって大切なのは、こうした不確実性を前提に「淡々と投資を続ける」ことだと考えています。
投資家にとっての教訓
ここで学べるのは「株高に浮かれすぎない」こと。
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国内個人投資家が撤退している事実は、上昇局面で利益を確定しがちという行動心理を表しています。
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長期投資家にとっては、むしろ “持ち続ける勇気” が試される局面です。
まとめ
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日本株は2025年9月時点で史上最高値圏にある。
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株高の恩恵を受けているのは「みんな」ではなく、主に外国人投資家。
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国内個人投資家は教育費・老後資金・不安心理から売却してしまいがち。
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背景には日銀の政策転換、企業ガバナンス改善、自社株買いがある。
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今後は米国金利や中国経済、為替の変動がリスク要因。
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長期投資家に必要なのは「売らずに持ち続ける勇気」。
最後に、読者の方への行動指針を挙げます。
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株高でも慌てず、定期積立を続ける。
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生活費や老後資金を確保したうえで投資する。
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短期的な上げ下げよりも、10年先の成長に目を向ける。
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